2009年11月6日、GoogleはWebアプリケーション開発を支援するツール群「Closure Tools」をリリースしました。Closure Toolsは、JavaScriptソースを圧縮する「Closure Compiler」、汎用JavaScriptライブラリ「Closure Library」、テンプレートシステム「ClosureTemplates」から成っています。これらのツールはGmailやGoogle Docsなどの各Googleサービスで実際に使われており、それらがオープンソースとなって公開されました。JavaScript圧縮ツールとしてはほかにも、Yahoo!が提供する「YUI Compressor」、Microsoftによる「Microsoft Ajax Minifie」などがありますが、Closure Compilerは圧縮するだけでなく、「ClosureInspector」というFirefoxのアドオンも提供されていることが違います。これはFirebugを拡張するもので、圧縮前のソースとの対応付けが行えるようになります。Closure Compilerには、Google App Engine上で動くオンラインデモおよびAPIも用意されています。
Closure Libraryは、DOM(Document ObjectModel)やイベントといった基本的なものからGoogleDocsのメニューバーのようなUIを実現するToolbar、テスティングフレームワークなどさまざまな機能を提供しています(図1)。非常に多くのファイルに分かれていますが、付属のcalcdeps.pyというスクリプトを用いることで依存性を解決し1ファイルにまとめて出力できます。
Closure Templatesは、ブレース(波括弧)を使った変数表記でテンプレートファイルを用意し、コンパイラにてJavaScriptまたはJavaのコードに変換し、APIを通して内容を取り出せるものです。
URL:http://code.google.com/intl/ja/closure/