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CIツールのHudson、Oracleと交渉決裂しJenkinsに改名へ

OracleがSun Microsystemsを買収して以来、OracleとJavaやSunプロダクトなどとの間にいくつかの問題がありました。たとえばOpenSolarisのディストリビューション配布が停止されたり、OpenOfficeはLibreOfficeと名称を変更して別に活動したり、ZFS(Zettabyte File System)開発者のJeff Bonwick氏やJavaの生みの親であるJames Gosling氏がOracleを退職したりなどです。

今回取り上げる問題もその一つかもしれません。コードをビルドしたりテストを実行して結果を知らせるといった作業を継続的に自動で行ってくれるContinuous Integrationツールという分野で、川口耕介氏によって開発された「Hudson」というJavaプロダクトがあり、その使い勝手の良さから非常に有名です。Hudsonは川口氏がSunに勤めているころにプライベートな時間を使って開発し、広く使われだした2008年ごろSunのはからいにより仕事時間を利用して開発ができるようになりました。

そしてOracleがSunを買収したあと、Oracleは「HudsonはSunのリソースを使って開発されたものだから、権利は買収したOracle側にある」とHudsonの商標を出願したのです。これは、もし商標出願が認められると、今後オープンソースプロジェクトとしてOracleの許可なしにHudsonの名前が使えなくなることになります。

Hudsonプロジェクトの中心メンバーの一人であるAndrew Bayer氏は「Kohsukeがいるプロジェクトが真のプロジェクトである」とし、新たに名前を変えようという提案を行いました。そして開発グループの間で投票を行いHudsonと同じく英国執事を連想させる「Jenkins」という名で改称する方向で進んでいます。Andrew氏自身はソースをフォークするつもりはなく、⁠Oracleが今後も川口氏の抜けたHudsonをメンテし続けるのか、新しいJenkinsに貢献してくれるのかはOracle次第だ」と述べています。

URLhttp://d.hatena.ne.jp/karasuyamatengu/20110112/1294781947

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