2011年7月19日、オープンソースの分散Key-Valueストア「Voldemort 0.90」がリリースされました。VoldemortはAmazon Dynamoを意識して作られたプロダクトです。ちなみにAmazon Dynamoクローンという系列ではほかにRiakなどがあります。Voldemortはビジネス向けソーシャルサービス「LinkedIn」の技術者を中心に開発が行われており、LinkedInではもちろんのこと、eBayや論文共有サービスのMendeley、結婚支援サービスのeHarmonyなどでも使われています。今回のリリースで行われたアップデート内容は次のとおりです。
- サーバ/クライアント間の処理をノンブロッキングIOに切り替え
- 読み取り専用のデータを効率的に扱うリードオンリーストレージエンジンの改善
- Protocol BuffersによるRuby、Pythonクライアントのサポート
Javaで書かれているため、Serializableインタフェースを実装したJavaクラスのインスタンスをそのままvalueとして格納できます。またシェル機能も備わっており、ちょっとしたデータ操作も気軽に行えます。まだまだ知名度は低いですが、memcachedの代わりとして使ってみると馴染みやすいかもしれません(Voldemort自体、memcachedのコンセプトを意識しているそうです)。
ちなみにLinkedInのオープンソースプロジェクトはハリーポッターに関する名前を付けることが多いようで、Voldemort(ヴォルデモート)という名前も同作品に出てくる悪役キャラクターから来ています。
URL:http://project-voldemort.com/