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有料TwitterのApp.netは果たしてうまくいくのか

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Dalton Caldwell氏が始めたApp.netをご存じですか? できることはTwitterと一緒、いわゆるマイクロブログサービスですが、一番の違いは利用するのに有料(2012年10月現在は50ドル/年)だということです。2012年7月のはじめ「Twitterの成し得た未来」という意味深なエントリを自身のブログに投稿し、⁠大胆な提案」でゴール設定を50万ドル、期間を1ヵ月としたクラウドファンディングを発表しました。支援者を募り、その後も「Fred Wilson[1]は無料についての見解が間違っている」⁠臨界点とネットワーク効果」⁠拝啓Mark Zuckerberg」と興味深いエントリを出し、終了3日前に「ついにやった」で資金調達の成功を宣言します。

そこにTechdirtのMike Masnick氏が「有料Twitterは広告ベースのTwitterより観念的にも純粋ではない」を投稿します。基本的にはCaldwell氏の挑戦に理解を示すものの、次の2点について彼の主張はデタラメであるとしています。

  • App.netはユーザとの同調を強調しているが、実際には営利企業であって、ユーザにお金を払ってほしい。その点でユーザとApp.netの目的は正反対になる可能性もある
  • Caldwellの批判する、広告による無料のサービスでも、ユーザを大事にしなければ、ユーザは逃げていってしまい、広告主も一緒に逃げてしまうだろう

Caldwellが自身のブログに綴ったTwitterとFacebookの話や、ロンドンオリンピック期間中、広告主への嘆願を募ったユーザをTwitterがブロックした件(後にTwitterが釈明記事出しました⁠⁠、あるいはTwitterの戦略転換による開発者の閉め出しと、透明性を欠く事件が続いていて、利用者/開発者どちらにも巨大プラットフォームへの不信と不満は存在します。App.netが成功するかどうかはまだわかりませんが、問題提議としては非常におもしろいと思います。今後の成長を見守りたいです。

URLhttp://www.techdirt.com/articles/20120813/00081620002/

著者プロフィール

安藤祐介(あんどうゆうすけ)

下北沢OSSカフェの常連。PHP版Redmineを開発しつつ各地で講演活動中。

Twitter:yando

小倉純也(おぐらじゅんや)

QNYP、LLC.のプログラマ。そろそろ自社サービスをサービスインしないと……。

Twitter:junya

溝畑考史(みぞはたたかし)

この号が出るころには新天地で活躍、しているはずです。

Twitter:beatak

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