オープンソースへの貢献だけで生活するというプログラマにとってのある種の夢を実現するサービスがあるのをご存じでしょうか? Bountysourceは登録されたプロジェクトに対して寄付金を募ったり、寄付金をバグの修正をした開発者に支払ったりといった流れを実現するサービスです。
たとえばLESSプロジェクトの「ソースマップを生成する」というバグに対して3人の開発者の修正が採択され、合計で75ドルの賞金が決定されました。
また、このBountysourceのWebサイトのフロントエンド自身の開発もオープンソース化されており、多数の賞金が設定されています。そのほかにもGitをJavaScriptで実装しなおすJs-Gitなどのプロジェクトも登録されており、注目が集まっています(表1)。
表1 BountySource上のプロジェクトと賞金額
プロジェクト名 | 概要 | 賞金額 |
Bountysource Frontend | Bounty SourceのWebサイトそのもの | 5,020ドル |
Fabris.js | JavaScript Canvasライブラリ | 1,610ドル |
Qt | クロスプラットフォームアプリのフレームワーク | 1,315ドル |
Textmate | OS X用のテキストエディタ | 406ドル |
Angular JS | JavaScriptのMVCフレームワーク | 350ドル |
ちなみにBoutysource自身にも興味深いエピソードがあります。実はBountysourceは2003年にオープンした最初のサービスはまったく違うサービスでした。当時はソースコードリポジトリとタスク管理システムのTracを提供するSourceForgeのようなWebサービスとしてオープンし、個別のタスクに対して賞金をアサインできるしくみだったそうです。しかし2008年には開発停止となっています。その後の長い沈黙を経て今回はGitHubのAPIを使った新しいサービスとして再オープンを迎えています。
SourceForgeの対抗馬として始まったサービスが、現在ではGitHubと連携する形で生まれ変わっているという事実にまさに時代を感じるエピソードです。
みなさんもバグを修正して賞金稼ぎデビューをしてみてはどうでしょうか。
URL:https://www.bountysource.com/
- 著者プロフィール
安藤祐介(あんどうゆうすけ)
PHPカンファレンスが終わり、やや燃え尽きながら執筆活動に勤しんでいます。
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小倉純也(おぐらじゅんや)
抽象的な概念が腑に落ちるととても満足感がありますが、その感覚をほかの人と共有するのはとても難しいことだなと今回の記事を書いて改めて感じました。
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溝畑考史(みぞはたたかし)
新しい会社ではデプロイが頻繁に行われるのですが、新人のようなミスをやってしまいました……。
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