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過程の共有を心がける

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37signalsのブログで、⁠過程の共有を心がける」という試みが定着しつつあるという記事が紹介されています。

あるスタッフが数日間の試みとして「ほかのスタッフが助けを求めてきたときに、どのように解決するのかをやってみせる」ことを実践し、それをほかのスタッフにも呼びかけてみたところ、同社共同創業者のJasonFried氏が「すばらしい取り組みだ。誰かがほかの誰かのために何かをするときは、それを伝達可能にしよう。短期的には作業が遅くなるが長期的にはより速くより良いものになっていくだろう」と、そのアプローチを公式に後押しすることになったという話です。

具体的には、リモートの場合はコンソールでの作業内容をコピー&ペーストしていくつかコメントを追記したものを残し、対面の場合には画面共有でどのように問題を解決しているのかを見せる、といった実にオーソドックスなものです。もちろん、これだけのことで相手に完全に理解してもらうのは難しいのですが、このアプローチの意義は、よく言われる業務のしくみ化といった視点ではなく「何かを学んでみようという興味を持つ」という変化を生み出すところにあるようなので、完全性はそれほど重視されていないのでしょう。

この取り組みがスタートしてから、同社のスタッフはお互いに「方法」を教えることにより意識的になっているようで、たとえばサポートチームがプログラマに助けを仰いだ時には、プログラマが解決に用いたコードをサポートスタッフと共有することで、サポートスタッフは「次は自分たちの手で解決してみよう」と考えるようになった、といった変化が紹介されています。同様に、デザイナとプログラマの間でも相互に知識を交換しあうような動きが生まれているとか。ちなみに同社ではすべてのスタッフが少なくとも1ヵ月のうちに1日はサポートチケットに対応するようにしているそうで、それも今回の取り組みに良い影響を与えているようです。

正直なところ、同社のような組織がこれまでこのようなアプローチをとっていなかったのかと意外に感じる内容でしたが、これまでにも非公式にこういった動きはあったようで、それが明確に意識されたものとなり、文化として根付いていっているということが重要なのでしょう。

URLhttp://37signals.com/svn/posts/3615-share-everything

著者プロフィール

安藤祐介(あんどうゆうすけ)

PHPカンファレンスが終わり、やや燃え尽きながら執筆活動に勤しんでいます。

Twitter:yando

小倉純也(おぐらじゅんや)

抽象的な概念が腑に落ちるととても満足感がありますが、その感覚をほかの人と共有するのはとても難しいことだなと今回の記事を書いて改めて感じました。

Twitter:junya

溝畑考史(みぞはたたかし)

新しい会社ではデプロイが頻繁に行われるのですが、新人のようなミスをやってしまいました……。

Twitter:beatak

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