創業期のスタートアップにとっての最大のリスクが「誰もお金を払おうとはしないプロダクトを作ってしまうこと」なのは今やよく知られていると思います。スタートアップを始めるには、何かプロダクトを作る必要があるか、そうでなければコードを書ける人材がまず必要だと考えてしまいがちですが、自身がエンジニアでもあるRamli John氏はPandoDailyへの寄稿で「コードをほとんど書くことなく」ローンチした3つのスタートアップを紹介しています。
1つ目のProduct Huntは新サービスや製品の情報をシェアするコミュニティです。Product Huntの創業メンバーは、Ruby on Railsなどのフレームワークを利用してオンラインコミュニティを開発するよりも前に、そのアイデアに市場があるかどうかの検証用にLinkyDinkという既存サービスを利用したMVP(Minimum Viable Product)を用意することにしました。LinkyDinkはグループの参加者同士で共有し合ったリンクが毎日メールで届くサービスで、MVP作成に要したのはわずか20分ほどだったとのことです。そのあと、2週間で170人の購読者と30人の寄稿者を集めることに成功し、現在は自身のサイトで4,000人を超えるアクティブユーザを抱えるところまで成長しています。
このように、ユーザが生成するコンテンツがメインとなるサービスを立ち上げる場合は、LinkyDinkやGoogle Docsなどの既存サービスを利用してプロトタイプを作ってしまうのが手っ取り早いようです。
2つ目に紹介されているRolling Treeはスケーターのためのコミュニティです。こちらの場合は、初日にFacebookグループを立ち上げ、5日と経たないうちに500人のメンバーを集めることに成功したそうです。オリジナルのスケートボードをデザインするミーティングを開催するためにはGoogle Hangoutも利用するなどし、現在はスケートボード関連企業からの協力を得て2つのスケートボードとTシャツの製造を始めるところまでたどり着いているとのことです。
ユーザ同士でのコラボレーションを行うコミュニティを立ち上げるのであれば、FacebookグループやGoogleグループなどの既存のソーシャルツールを使うのがMVP作成には適しているようです。また、その際はグループの明確な目的とガイダンスをあらかじめ掲示しておくことが重要とのことです。
最後に紹介されたMetricWireは、研究者が必要なデータを人々から収集するのを支援するモバイルアプリを開発しています。MetricWireの創業者たちは、アプリの開発を行う前に「研究者が効果的にデータを収集できる方法」について考えることにし、効果的と思われるアプローチにたどり着いたあともすぐにアプリを開発するのではなく、そのアイデアを研究者たちに見せることで、コードを書き始める前に5,000ドル分の注文を集めることに成功しています。
プロダクトがない段階でセールスを行うのはやはり困難だったようですが、MetricWireの場合はモックアップを用意したり、既存の競合製品と比較してみせながら忍耐強く取り組むことで成し遂げられたとのことです。
URL:http://pando.com/2014/01/16/3-startups-that-launched-without-writing-code/
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安藤祐介(あんどうゆうすけ)
2年間ありがとうございました。今後もブログなどで海外ネタの発信を続けます。
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小倉純也(おぐらじゅんや)
2年間どうもありがとうございました。今後はWebサイトのほうもテコ入れしていきたいですね。
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溝畑考史(みぞはたたかし)
2年間ありがとうございました。今後はEtsyJapan関連で日本にもちょくちょく行くので声をかけてください。
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