精度の高い証券取引システムで利益を生み出すために
売りか? 買いか? 投資家やトレーダーは、どの有価証券(以下、証券)をいつ売買するべきかという複雑な疑問と常に向き合っています。証券取引では、運が良ければ誰でも推測や直感で利益を上げることができるかもしれません。しかし、株券などの金融商品や先物を含むデリバティブ(金融派生商品)の取引、またはFXといった外貨為替取引においては、「テクニカル分析」によるシステム的な運用計画や戦略を立てることにより、さらなる利益を生み出せる可能性があります。
テクニカル分析で市場の動きを見極める
テクニカル分析において、トレーダーは現在の市場の状態や今後の変化を示す視覚的なテクニカル指標を基にして、どの証券をいつ売買するのかを判断できます。最適化された戦略とアルゴリズムを駆使してコンピューター化された売買取引が行われる近年において、テクニカル分析はさらに大きな役割を果たします。過去のデータを利用してパフォーマンスを検証するバックテストに基づいた最適化戦略は、それぞれの証券の最適な取引パラメーターを選択するのに役立ちます。しかし、とある証券において効果的な戦略は、必ずしもその他すべての証券でも効果を上げるとはかぎりません。また、バックテストで効果的だった戦略が、すべてのデータにおいても有効であるとはかぎりません。そこで、LightningChart® Traderのビルドイン機能を使用することにより、それぞれの証券の最適な取引パラメーターを選択するためのシステム的な運用計画や戦略を立てることができます。
LightningChart® Traderとは?
Arction社が提供する.NET向けデータ視覚化ツールのLightningChart® .NETには、証券取引アプリケーションの開発プロセスを大幅に簡素化できるチャートコンポーネントのLightningChart® Traderが含まれています。LightningChart® Traderは、証券取引アプリケーションをビルドするためのプロパティやメソッドを含む簡易的なインターフェイスを提供し、APIオーバーヘッドなしでアプリケーションを開発できます。LightningChart® Traderを使用して生成したチャートは、堅牢かつ高速なLightningChart® APIの上にビルドされます。LightningChart® TraderのUIコントロールをアプリケーションに追加して証券と日付の範囲を選択することで、Webサービスから読み込まれた最新の取引データの中から対応するデータセットを取得できます。また、カスタムデータプロバイダークラスを実装したり、プログラムで任意の場所からデータを取得したりすることで、配列やCSVファイルとしてチャートに渡すこともできます。
テクニカル指標で市場のトレンドや過熱度を判断する
LightningChart® TraderのUIコントロールには、それぞれのデータ値をトラッキングするためのデータカーソル、非取引期間の自動削除、そして公開済みのデータセットから指定のパラメーターに基づいて計算されるテクニカル指標など、いくつかのビルドイン機能があります。
テクニカル指標には、市場における上昇や下降トレンドを分析するトレンド系(順張り系)指標と、買われ過ぎや売られ過ぎといった市場の過熱度を分析するオシレーター系(逆張り系)指標があります。LightningChart® Traderは、これら両方の指標を提供します。たとえば、以下の指標を利用できます。
- 単純移動平均(SMA)
- 加重移動平均(WMA)
- 指数移動平均(EMA)
- ボリンジャーバンド
- 相対力指数(RSI)
- 移動平均収束拡散法(MACD)
- ボリューム、出来高
- 未決済の建玉(OI)
LightningChart® Traderは、支持線や抵抗線、回帰直線などのラインに基づいたデータ分析を行うための描画ツールも提供します。上記の指標とこれらのラインをチャート領域内の任意の位置に描画することで、証券取引データの動きをさらに分かりやすく視覚化します。たとえば、以下の描画ツールを利用できます。
- フィボナッチリトレースメント
- フィボナッチファン
- フィボナッチアーク
- トレンドライン
- エクステンションを備えたトレンドライン
- 線形回帰ライン
- 標準偏差に基づく線形回帰チャネルおよびRaffチャネル
まとめ
証券取引市場では、短期間でさまざまな証券の価格が変動することは珍しくありません。証券取引では、推測や直感だけではなく、さまざまな指標を基にしたテクニカル分析や戦略に沿って将来の価格変動をできるだけ正確に分析することも証券売買の重要な判断要素になりえます。一方で、一般的に使用される指標であっても、それぞれの証券データをもとに手動で計算するには膨大な時間と労力が必要となります。そこで、LightningChart® Traderのビルドイン機能により、これらの指標を自動で導き出し、独自のUIコントロールを通して証券データを分かりやすくチャート上に表示することができます。LightningChart® Traderを使って、効率的な証券取引を実現するためのアプリケーション開発をはじめましょう。
LightningChart® Traderは、LightningChart® .NETのコンポーネントの一部として提供されます。LightningChart® .NETの製品ライセンスをお持ちの方は、LightningChart® TraderのAPIソースコードを無償で利用できます。また、GPUアクセラレーターで最適化されたレンダリング性能を活用してカスタム機能を実装できるLightningChart® .NETのAPIもフルで利用できます。
エクセルソフト株式会社では、この記事で紹介した証券取引をはじめとする幅広い専門分野向けのチャート生成を支援するLightningChart® .NET製品のほか、JavaScriptおよびTypeScript向けに高いリフレッシュレートと高精度なデータ視覚化を瞬時に実現するLightningChart® JS製品も販売しています。サブスクリプションをお持ちの方を対象に、日本語での技術サポートも提供しています。
使用の際に役立つスタートガイド、ユーザーマニュアル、チュートリアルなどのリソースも日本語にて無償で提供されていますので、まずは無償体験版をダウンロードして、LightningChart®製品によるデータ視覚化の性能をご確認ください。