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2009年のGoogleケータイ振り返りと2010年の

2010年はAndroidを搭載したGoogleケータイが、いよいよ本格的に日本へ進出することが予想されます。ここでは去年の振り返りと今年の展望について考察します。

2009年のGoogleケータイ

2009年のGoogleケータイを表現するなら、日本歴が浅い外国人と言った感じでしょうか。

その外国人、日本語の読み書きは堪能だが、住み始めてから時間が浅く、我々が持つ特有の文化や風習に慣れ親しむまでには、もう少し時間がかかると言った印象です。よく比較されるiPhoneは「郷に入っては郷に従え」なんて諺は、どこ吹く風で、自分達の生活スタイルを持ち込んで、普及に努めているように見えるのは対象的です。

その文化、風習に関しては、NECやシャープが師範となり手ほどきしてくれます。とくにシャープは、開発表明を行った際に、FeliCaやキャリア独自のサービスへも対応させるカスタマイズを行い、2010年の前半に端末を投入するとしているので、親しみやすい端末が掌に収まりそうです。

2008年に登場した、初代GoogleケータイT-Mobile G1
2008年に登場した、初代GoogleケータイT-Mobile G1

海の向こうが盛り上がっていた2009年

端末の話題となれば、2009年は海の向こうが賑やかでした。

中でも鳴り物入りで登場したモトローラ-の「DROID」は注目度が高く、iPhoneとの比較広告を行うなど、常に話題を提供してくれました。端末発売日には、深夜販売にも関わらず行列ができるほどで、発売から1週間で25万台販売したとされています。現状のGoogleケータイに、こんなポテンシャルがあるのか?と考えてしまう話ですが、良いスタートを切ったのは間違いありません。

日本に目を向けると、NTTドコモの「HT-03A」だけの状況です。

NTTドコモHT-03A
NTTドコモHT-03A

日本には、スマートが付かなくても高機能で、選び切れないほどのケータイが売られおり、開発ベンダは差別化に気負って、開発に時間をかけているのかもしれませんが、2010年は、NTTドコモとソフトバンクから端末が発表されることになっています。

ご存知の通り、NTTドコモは、ソニー・エリクソンの「XPERIA X10」を検討中、ソフトバンクは「1GHzのCPUと3.7インチの有機LED搭載」した端末を投入するとしています。いずれも、iPhone 3Gの2年縛りが解けるまでにはリリースされるようなので、2010年は何かが起こるかもしれません。

Android OSの躍進

2009年はハードの話題が先行しましたが、Android OSも凄まじい勢いで成長しています。2009年、明けてすぐは1.1だったバージョン番号が、年の瀬になると2.0となり、年明けには2.1の話も聞こえて来るほどです。ただ、その余波なのか、2.0はDROIDのみ、噂に出る2.1は、Googleがリリースすると言われてる端末「Nexus One」での採用とされて、まだ、多くの端末に搭載されているわけではありません。足並みが揃わない感はありますが、2010年には各端末に展開されるのかもしれません。

2010年、Googleケータイへの期待

駆け足で、2009年のGoogleケータイを振り返って来ました。これからは、2010年、Googleケータイへの2つの期待をあげます。

まず、最初の期待は「Google Map Navigation」です。

用途が限定されているだけに、すべてのユーザに響かないかもしれませんが、スマートフォンに無償の簡易ナビが搭載されるのは革命的な出来事で、低価格のPNDは、確実にシェアの一部を奪われるはずです。

また、ユーザは価格にシビアなユーザが、簡易ナビ欲しさに、ハイエンドスマートフォンのGoogleケータイに流れるとは考えづらいので、先進的なカーナビ・サービスを期待し、ある程度コストはいとわない人達になると予想でき、今までのカーナビとは、切り口が違うサービスが登場して来る可能性があります。

たとえば、Google Map NavigationのAPIが公開されれば、現状のカーナビに感じでいたもう一歩感、たとえば、情報マップとの連動やソーシャルサービスとの連動、不動産情報と連携等を外部サービスで補うことができ、先進的なカーナビ・サービスを期待するユーザたちを唸らせる可能性が十分あります(余談にはなりますが、ナビの販売が収入源ではなく、ネット広告を収入源とするGoogleであれば、API公開の可能性が無い話ではありません⁠⁠。

もちろん、地図など、ナビに必要なデータは、クラウドに置かれるので、年中行事のようなデータ更新から解放され、常に最新の情報でサービスが使えるので、常識だけではなく、使い方まで変えてしまう可能性があります。

もう一つの期待は、電子ブックリーダーです。

Kindleの発売から、少しずつ認知が高まり盛り上がっている感があります。Kindleは、専用端末の他にiPhoneとWindows用のアプリが公開されており、Mac OSやBlackBerryへの展開も予定されているので、近いうちにGoogleケータイにも展開されるはずです。Android OSを使った電子ブックリーダーは、Barnes&Nobleの「nook」が発表されています。nookは、電子インクを使ったメイン画面以外に、本体下に小型のカラー画面を搭載しており、コンテンツのナビゲーションに使えるのが特徴です。Barnes&Nobleも残念ながら、Googleケータイへの展開は行っていません。

専用端末の良さは理解できますが、外出時の荷物にプラスして持ち歩くのは想像できないので、普及にはスマートフォンへの展開が必須になると考えています。

筆者は、スマートフォン向けに展開するならば、iPodが自分のCDラックを掌に収まるデバイスに詰め込んで革命を起こしたように、自分の本棚を掌に収まるデバイスに入れて持ち歩ける環境を早々に実現して欲しいと考えています。

こうした環境が実現すれば、気に入った特集の雑誌を保管場所に困ることもないし、出張や旅行に出る前、どの本を連れて行こうかと本棚の前で、しばし悩む必要が無くなるので、読書のスタイルだけではなく書籍の形態も変わってしまうような気がしています。

2010年はいかに…

2009年は、iPhoneの年だったと言っても過言ではないはずです。

対抗勢力が無かったので当然かもしれませんが、Googleケータイが普及し始め、それに対抗できる勢力ができつつあるように感じています。2010年は、互いの力が拮抗してくるはずなので、何かが起こるのであれば、この年のはずです。乱世となるのか、どちらかの一人勝ちになるのか、動きの激しい、面白い年になるはずです。

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