2007年のOSS

Geeklogとの出会い

Geeklogとの出会い

SOHO支援グループ「Ivy SOHO」を1998年に立ち上げ、その後SOHOに必要なSEOをテーマに毎月セミナーを開いていくうちにSEOにはブログが最適だという話題へ。セミナー終了後、参加者からCMSの講演の資料をもらったのが2004年の夏でした。

ちょうどそのころ、ある企業のポータルサイトの企画開発を進めていたこともあり、急遽CMSを比較検討して選んだのがGeeklogでした。 SOHOにとってブログは必須で、メールマガジンやカレンダ機能などがすべて揃い、どんなシステムへも拡張可能なCMSは夢のWeb構築システムです。

Geeklogにはブログ機能があり、しかも直感的な操作。管理画面のユーザインターフェースが良く、運用が簡単なので、間違いなくSOHOの見方になるだろうと直感しました。日本語サポートサイト「Geeklog Japanese」は当時からあり日本語は少々文字化け気味でしたが、⁠Ivy SOHO」では開発者に恵まれていたので不安はありませんでした。

Geeklogのおかげで無事企業サイトも開発に成功して納品でき、同窓会サイトやいろいろな企業サイトにもどんどん導入することで恩恵を受けました。そこで、恩返しの意味でGeeklogに貢献したい、SOHOにとっても大変有益なのでIvy SOHOとして、Geeklogに関わって盛り立てていこうと積極的に日本語化を進めました。ダウンロードパッケージやドキュメントをサイトでどんどん公開していきました。

こうしてできあがっていった膨大なページがどうやら技術評論社の目にとまったようで、⁠Software Design』2006年3月号に8ページほど、Geeklogについて執筆することになったのです。本家サイトのGeeklog.netへもフィードバックを積極的に行い、本家の英語版の開発者たちとの連携も大変親密で、安心してGeeklogに関わることができました。

書籍の執筆→発売へ

その後2006年6月、技術評論社へ伺ったとき「ぜひGeeklogの本を出したい」ときりだしたところ、即答で「年内に出せますか?」という返答があって、こんなにわくわくする瞬間はそうないのではないかと思いました。

さて、本の執筆にあたっては、本家でWikiドキュメントの整備が始まっていたので、まずは日本語Wikiドキュメントサイトに移行させていきました。それをどんどん翻訳したり、内容を修正したり…。

翻訳にあたってはメンバーの貢献が大きく、すべての英語ドキュメントを日本語に置き換えることができました。英語版には開発用のドキュメントは豊富でしたが、運営方法や管理方法に関しては説明の図もなく、ドキュメントも不足していたので、独自に作り上げなければなりませんでした。

サーバ別のインストール事例も多くのGeeklog Japaneseメンバーからの情報をもとに多くの執筆者との共同作業でWikiを仕上げ、多くのメンバーからの情報に助けられながらドキュメントを整備していき、同時にGeeklog 1.4.0から1.4.1へバージョンアップが2006年暮れにあったので、その内容をさらに追加していきました。

Wikiから入稿用のテキストに移行させたあとからも、1.4.1の新しい機能が随時わかって修正したり、開発が進んで内容を差し替えていったりと、あわただしい入稿。年明けの校正時になっても、まだ1.4.1の新機能への差し替え作業などが入り、かなりの部分を校正というより全文差し替えして、2月はじめ、ようやく校了となって3月1日、出版となりました。

楽しいオープンソースコミュニティ

本家の開発者の人たちへは本を送りました―「原著者として記載してもらったことを誇りに思う」⁠大変すばらしい出版だ」⁠何か手伝えることはないか。あれば教えて欲しい」⁠今回の本の英語版出版をぜひ考えて欲しい」…そういった返事が続々と返ってきたのでした。

Geeklogの良さは、本体のプログラムの良さ、運用・操作性の良さ、アドオン開発環境の充実、といったGeeklogそのものの良さだけではなく、本家の開発者たちを含めた全体の開発陣の人間関係の良さです。オフ会はいつも遠くからの参加者があり、時間を忘れて夜まで語り合うし、Geeklog Japanese掲示板では、1人の質問に対して間髪おかず複数のメンバーや管理者たちが返答することが多く、SNSコミュニティでも情報交換が活発です。

どんどんフィードバックしていこう、そういった気合が多くのGeeklog Japaneseの参加者に見られます。

筆者自身、今後もGeeklog Japaneseを支えて信頼のおけるソフトウェアになるよう努めたいと思っており、現在ユーザ層の拡大を願ってテーマを追加中です図1⁠。

図1 テーマデザイン:JUMP abe 開発:アイビー・ウィー

図1 テーマデザイン:JUMP abe 開発:アイビー・ウィー

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