ソフトウェア開発の必須アイテム,BTSを使ってみよう

第5回 Tracの導入

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Tracの弱点

Tracは直感的に扱い易いとても優れた管理ツールですが,問題になりそうな点もあります。

インストールしにくい
本体だけなら難しいことはありませんが,Subversionなどとの連携などがあるぶん手間が増える上,まとまった読みやすいインストールガイドがなかなか見つかりません。Windows環境であれば,後述するTrac Lightningを使用すると簡単にインストールできます。
複数のプロジェクトは扱いにくい
プロジェクトが複数ある場合については,あまり想定されていないように感じます。メンバーがさまざまな案件を掛け持ちしているような現場だと設定に手間取るかもしれません。
デフォルトではQAステータスがない
テスト待ちのステータスがありませんので,必要な場合はプラグインを導入します。バージョン0.11からはTrac本体でワークフローの調整ができるように統合されています。

連携するツールなど

Tracにはさまざまなプラグインがあります。色々カスタマイズして使いましょう。

TracGantt
ガントチャートを表示するプラグインです。
MailArchive
メールをTrac上に読み込んでくれます。Trac上にMLのアーカイブが作成できます。
WebAdminPlugin
Tracの設定をWEBから行えるようになります。0.11で本体に統合されました。それ以前のバージョンを使う際は入れておいたほうが便利です。

Linuxサーバへのインストール

執筆現在の安定版バージョンは0.10.5および0.11.1です。英語版でよければ,Linuxのディストリビューションによってはパッケージとして提供されていますので,そちらをインストールしていただくこともできます。ここではFedora 9へTrac-0.11.1.ja1をインストールする場合について解説したいと思います。

Trac-0.11の動作環境は以下の通りです。

  • Python2.3以降
  • Genshi0.5以降
  • Subversion1.0 以降(1.1.x推奨)

データベースは標準でsqliteを使用します。PostgreSQLやMySQLも使えるようですが,そのままで問題ないでしょう。

まず,いくつか必要なパッケージのインストールを行います。

図3

# yum install python-devel

Tracにはtracdという独自のWebサーバがついていますが,権限設定などを細かく行う場合はApacheを使います。その場合はmod_pythonが必要です。

図4

# yum install mod_python

Subversionと連携させる場合は,リポジトリも先に用意しておいてください。

インタアクト株式会社のページから,Trac-0.11.1日本語版をダウンロードします。

図5

# wget http://www.i-act.co.jp/project/products/downloads/Trac-0.11.1.ja1.zip

適当な場所で展開しましょう。

図6

# unzip Trac-0.11.1.ja1.zip

インストールします。

図7

# cd Trac-0.11.1.ja1
# python setup.py install

著者プロフィール

山本健(やまもとたけし)

ウノウ株式会社 QAエンジニア。パーソナルコンピュータ黎明期にPCを使い始めるも,若気の至りか芸術の道へ大きく寄り道し東京芸術大学大学院で油画を専攻。在学中から始めたサイト制作・携帯コンテンツ運営などを経て2003年より株式会社BEATにて受託開発のテスト業務に携わる。2006年4月よりウノウに参戦し,より早くより深いWebアプリケーションの品質管理を目指して奮闘中。画家としても活動しており,見た目からは連想できない繊細な画風で世間の注目を集めている。白日会会員。