児玉サヌールと田中ばびえの会社訪問

第3回チームラボ(前編) 尖っている人も、普通な人もいる会社

はじめに

今回はオモロ検索エンジンSAGOOLiza!の開発で有名なチームラボ株式会社さんにお邪魔してきました。

取材にあたっては、江渡浩一郎さん[1]からご紹介いただきました。この場を借りてお礼申し上げます。

ベンチャーっぽくない会社

――御社の名前を耳にしたのは昨年「SAGOOL」を発表されてからなんですが、2001年に起業されているんですよね。ビックリしました。

取締役の田村 哲也さん。
(写真:上松尚之)
取締役の田村 哲也さん。(写真:上松尚之)

田村:昨年からメディアに出始めたのは意図的なんです。うちは受託開発がメインなのでベンチャー企業っぽくないからか(笑⁠⁠、あまりメディアに取り上げてもらうことがなかったんですが、ようやく会社がそれなりの規模になったので、皆様にチームラボの製品やサービスをもっと知ってもらおうという話になったんです。

――株式公開を目指されていないというのがベンチャーっぽくない原因でしょうか?

田村:できるだけ自分たちだけの力で好きなことをやろうとしているので、投資や銀行からの借り入れは一切ないです。会社を維持できる限りは、好きなことをやって、好きなことができる社員が増えていけばいいなぁと思っていますね。

――社員数は現在100人だそうですが、起業当時から順調に増えていった感じですか?

田村:そうですね。ずっと受託開発を基盤に成長してきましたので、それがよかったんだと思います。受注数の増加に応じて、エンジニアの数もちょっとずつですが増えていきました。人をバーンと入れて、ドカーンと製品を開発したいわけじゃなくて、ちょっとずつ大きくなればいいなと。

――実際、売上の9割が受託開発なんですよね?

田村:そうですね。ゆくゆくは自社パッケージや自社サービスで売上の5割以上を占めたいとは思っていますけども、受託開発は絶対になくさないという方針ですね。受託開発でお客様と接することで、新しいニーズやアイデアをいただくこともありますので、その部分は絶対に縮小したくないと思っています。

とんがっているよ派、普通でいいよ派

――社名にもある「チーム」は重要なキーワードだと思うのですが、チームでの仕事に何か工夫はされていますか?

田村:重要なのはやはりコミュニケーションですよね。ただ、大人数だとみんなの意見をうまく聞けませんし、逆に2人でも個人同士の好き嫌いでうまくいかないこともありますし、それは永遠のテーマです。うちの会社では大規模な席替えを頻繁に行っていますけど、それがコミュニケーションの秘訣といえば秘訣なのかもしれません。

――技術的な縛りはあるんですか?

田村:会社の制限は基本的にはなくて、マネージャがすべて決めています。今はJavaかPHPかRubyかという感じですね。ただ、新規開発についてはマネジメントを厳しく行っていて、以前と似たようなチーム構成だったり言語だったりを使ってもらうようにしています。

――なんかイメージと違いますね(笑⁠⁠。もっと尖ったことを言われるのかと思っていました。

田村:マネージャというポジション上、普通の人でいなきゃいけないんですよ。僕が尖っているとすごいところに行っちゃうんで(笑⁠⁠。

――尖ったのが嫌いなわけではないですよね?

田村:全然嫌いじゃないです(笑⁠⁠。ただ、尖った人がやる仕事ばかりではないので、普通というか、現場に合った指示を出す必要がありますよね。まあ、尖がってる人は尖がっている人でいてもらって、僕のポジションは普通でいいかなと思っています(笑⁠⁠。

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