「中の人」が語るETロボコンの魅力─何が面白いのか,何に役立つのか

第2回 毎年がチャレンジ!「ETロボコン」競技のルール・機材・開発環境

この記事を読むのに必要な時間:およそ 4 分

ETロボコンの競技ルール

競技フィールドはコースレイアウトを特殊技術で印刷し作成された布地であり,全体の大きさは5460mm×3640mm(約12畳)です。競技フィールドは,白い下地の上に黒い線が2本引かれており,この黒い線のそれぞれを,インコース,アウトコースと呼びます。インコースとアウトコースで相互の交差はありません。

このコースを,プログラムによる自律制御でロボットを走らせます。競技中にロボットに対して,エネルギー,力,情報などを与えてはいけません。他のロボコン競技では,ロボットをリモコン操作で動かすものもありますが,ETロボコンでは一切禁止しています。

図4 ETロボコン2011 コース全体図

図4 ETロボコン2011 コース全体図

コースはベーシックステージとボーナスステージで構成されており,スタートするとベーシックステージとなります。ベーシックステージはライントレースのスピードを競うものであり,スタート後ゴールするまでの時間を計測します。ベーシックステージをゴールすると,続いてボーナスステージにチャレンジできます。ボーナスステージは,難所と呼ばれる部分をクリアするための制御を競うもので,制限時間内に難所をクリアするとボーナスタイムを得ることができます。ボーナスステージの難所は,ルックアップゲート,ET相撲,シーソー,階段,ガレージインの5つがあります。

図5 シーソー

図5 シーソー

図6 階段

図6 階段

図7 階段&シーソーの配置イメージ(2010年のコース)

図7 階段&シーソーの配置イメージ(2010年のコース)

1回の競技は,2チームがインコースとアウトコースに分かれて並走します。2チームが同時にスタートし,両チームとも走行を終了したら,1回の競技は終了となります。競技結果は,ベーシックステージの計測タイムから,ボーナスステージで獲得したボーナスタイムを減算したリザルトタイムとなります。これを繰り返し,各チームがインコースとアウトコースを1回ずつ走ります。競技順位は,各チームのインコースとアウトコースのリザルトタイムの合計で決定します。もちろん,リザルトタイムの合計が小さい方が上位となります。

したがって,大会で上位入賞するためには,いかにライントレースのスピードを上げるか,そして,いかに難所を確実にクリアするかが勝負の別れ目となります。そのために,走行戦略や制御戦略をしっかりと検討し,モデリングしていくことが重要です。自分の考えた走行戦略や制御戦略を実装し,ロボットの動きとして具体的に見えたとき,大きな喜びを得られるでしょう。

今年の新たな難所について

難所のうち,今年新たに追加された,ルックアップゲートとET相撲について簡単に説明します。

図8 ルックアップゲート

図8 ルックアップゲート

ルックアップゲートは高さ235mmのゲートを通過するものです。ロボットの身長は245mmであり,ルックアップゲートより高いため,ルックアップゲートを通過するためには何らかの工夫が必要となります。

ET相撲は,図4のグレーのエリアに置かれたペットボトルを押し倒すか,エリア外に押し出すと難所クリアとなります。ペットボトルは,並走の相手チームがスタート直前に設置するため,ペットボトル位置を事前に知ることはできません。ペットボトル位置を何らかの手段で知る必要があります。他の難所も含め,どのようにすれば,それぞれの難所をクリアできるかを読者の皆さんも考えてみてください。

著者プロフィール

西川幸延(にしかわゆきのぶ)

ETロボコン2011実行委員会 本部技術委員長,北陸地区実行副委員長

NECソフトウェア北陸 第三ソリューション事業部 グループマネージャー