クラウドサービスの新潮流を読む

第2回多彩な用途に対応する「EX-CLOUDクラウドシリーズ」

⁠株⁠データホテルでは、高いコストパフォーマンスを実現したクラウドサービスとして「EX-CLOUDクラウドシリーズ」を提供しています。ここでは、このEX-CLOUDがどういった用途で使われているのか、事例をもとに紹介していきます。

さまざまな用途で活用されるEX-CLOUD

13段階の無停止スケールアップなど、多彩な機能を持つ仮想サーバを低コストで利用できるクラウドサービスとして、⁠株)データホテルが提供しているのが「EX-CLOUD クラウドシリーズ」です。

仮想化のオーバーヘッドが少ないParallels社の「Virtuozzo」を採用することなどにより高いコストパフォーマンスを実現しているのがEX-CLOUDクラウドサービスの特徴で、CPU1コア/メモリ3Gバイトのスタンダード1プランならわずか月額4,620円で利用することができます。サポートを有償化することなどによってさらなる低価格化を実現した「LCC(ローコストクラウド⁠⁠」と呼ばれるプランもあり、こちらなら同じスタンダード1プランの仮想サーバが月額3,150円とさらに安価に提供されています。

このEX-CLOUDクラウドシリーズは、ソーシャルアプリやポータルサイト、あるいは動画配信サービスなどさまざまな用途で活用されています。今回は、これらの用途において具体的にどのようなサーバ構成で運用されているのかを見ていきましょう。

スマートフォン向けソーシャルアプリの事例

まず紹介したいのは、スマートフォン向けに提供されているソーシャルアプリの事例です。10万人以上の会員を擁するこのサービスでは、11台のサーバを以下のように構成してサービスを提供しています。

スマートフォン向けソーシャルアプリの事例
スマートフォン向けソーシャルアプリの事例
 用途単価(円)数量小計(円)
スタンダード2Webサーバ7,14053万5,700
スタンダード4管理サーバ1万4,28011万4,280
共有ロードバランサ
エクストララージ1DBサーバ5万7,120528万5,600
月額合計33万5,580

会員数10万人以上のソーシャルアプリのサーバ構成

ユーザからの膨大なアクセスを効率的にさばくため、フロントには5台のWebサーバを配して負荷分散を図っています。なお、ユーザからのトラフィックを各Webサーバへ割り振るロードバランサは、EX-CLOUDクラウドシリーズでは無償で提供されているため、追加のオプション費用は発生しません(ローコストクラウドプランでは有償オプション⁠⁠。

データベースサーバは5台で負荷分散を図り、WebサーバとはLAN接続されています。なおデータベースサーバは高負荷かつボトルネックになりやすいことから、高性能な「エクストララージ1プラン」が使われています。このプランはCPU8コア/メモリ48Gバイトというプランで、さらに600Gバイトのディスクスペースを利用することが可能です。キャッシュの有効活用によるレスポンスの高速化を考えた場合、48Gバイトという大容量メモリが使えるメリットは大きいでしょう。

このソーシャルアプリでは、上記サーバ群に管理用サーバを加えた11台の仮想サーバを利用してサービスを運営しており、月額利用料の合計は33万5,580円となっています。サーバを自社で購入する必要がなく、さらにハードウェアトラブルへの対応が不要など運用面でのメリットまで含めて考えると、大きなコストメリットがあるのは間違いないでしょう。

用途に応じて柔軟に仮想サーバを選択

続けてポータルサイトと、動画配信サービスのサーバ構成を見ていきます。

月間200万PVのポータルサイトのサーバ構成

まずポータルサイトは会員数が約1.5万人、月間200万PVのアクセスがあるとのこと。このポータルサイトは、5台のWebサーバと2台のデータベースサーバ、そして1台の管理サーバで運営されています。

ポータルサイトのサーバ構成
ポータルサイトのサーバ構成
 用途単価(円)数量小計(円)
エクストララージ1Webサーバ5万7,120528万5,600
エクストララージ1管理サーバ5万7,12015万7,120
共有ロードバランサ
エクストララージ1DBサーバ5万7,120211万4,240
月額合計45万6,960

ロードバランサを利用してWebサーバの負荷を分散、その背後にデータベースサーバを配置という構成はソーシャルゲームと同様ですが、大きな違いとなっているのはサーバのスペックです。前述のソーシャルゲームでは、Webサーバはスタンダード2、データベースサーバはエクストララージ1と差を付けていましたが、このポータルサイトでは両方でエクストララージ1を利用しています。またWebサーバが5台である一方、データベースサーバは2台しか利用していないことから、Webサーバの負担がより大きいことが見て取れます。

月間300万PVの動画配信サービスのサーバ構成

動画配信サービスは月間300万PVで、最大同時アクセス数は300程度となっています。このトラフィックをさばくため、Webサーバとコンテンツサーバ、データベースサーバの3台の仮想サーバが使われています。

動画配信サービスのサーバ構成
動画配信サービスのサーバ構成
 用途単価(円)数量小計(円)
スタンダード4Webサーバ1万4,28011万4,280
エクストララージ1コンテンツサーバ5万7,12015万7,120
エクストララージ1DBサーバ5万7,12015万7,120
月額合計12万8,520

容量が大きい動画ファイルを保存する必要があるコンテンツサーバと、メモリの多寡がレスポンスを大きく左右するデータベースサーバには高性能なエクストララージ1を利用していますが、負担の小さいWebサーバにはスタンダード4とメリハリを付けることでコストを抑え、月額13万円弱で動画配信サービスを実現しています。

100Mbpsのインターネット接続回線を無償提供

なお、今回紹介した3つのサービスはいずれも無償で利用することができる100Mbps共有回線を使ってインターネットに接続しており、共有回線の範囲内であれば回線費用が発生しない点にも注目です。クラウドサービスによっては、トラフィックに応じた回線利用料が発生するため、場合によっては多額の利用料を請求されてしまう可能性がありますが、データホテルが提供するEX-CLOUDクラウドシリーズであればそうした不安はありません。

さらにEX-CLOUDクラウドシリーズには前述したとおりLCC(ローコストクラウド)プランがあり、これを利用すればさらなるコストダウンも可能です。標準プランと比べると、サポートが有償になるほか、LAN接続や共用ロードバランサといったオプションの利用にも別途費用が発生するといった違いはありますが、とにかくコストを抑えたい、あるいは開発用途で短期間利用するだけなのでサポートやオプションは不要といったケースでは、ぜひ活用したいプランでしょう。

まとめ

このようにコストを抑えて利用できることに加え、豊富なプランから最適なスペックを持つ仮想サーバを選択することができるEX-CLOUDクラウドサービスは、用途を選ばずに利用できるサービスとなっています。これから新たにインフラを構築する、あるいはオンプレミスからクラウドへの移行を検討しているといった際には、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

本文中の金額表記は、本稿執筆現在の消費税(5%)を含む金額です。

エクスクラウド(クラウド&ローコストクラウド)
URL:http://ex-cloud.jp/cloud/
エクスクラウド(ローコストクラウド特設ページ)
URL:http://ex-cloud.jp/lp/
⁠株⁠データホテル
URL:http://www.datahotel.ne.jp/

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