クラウドサービスの新潮流を読む
第4回 充実したサポートを提供するエクスクラウド
最新の技術を積極的に活用しつつ同時に高いコストパフォーマンスも実現した
サービスに精通したメンバーが手厚いサポートを提供
- ――まず,
エクスクラウドではどのような流れでサポートを行っているのでしょうか。 最上氏
「基本的に電話とWebサイトのフォームでお客さまからのお問い合わせを受け付けています。営業時間中はフォームで送られてきた内容に返信しつつ, いただいたお電話に対応するという流れですね。このサポート業務では, お客さまの契約状況やサーバの稼働状況が見られるシステムを利用しており, さらにチケット管理のための仕組みも組み込まれています。サポート対応が必要になった場合には, このシステムを使ってチケットを発行し, 対応状況を管理しています。」
- ――サポートチームのメンバー構成を教えてください。
最上氏
「もともと技術担当とインフォメーション担当といった形で分けてチームを組んでいましたが, 今はほぼ全員がテクニカルサポートになっています。また, サポートメンバーは全員自社の社員のため, エンジニアとの距離も近く, お客さまからのお問い合わせに迅速に対応できる体制を整えています。在籍期間が長いメンバーが多いため, さまざまなノウハウが蓄積されていることもエクスクラウドの強みであると認識しています。」
アカウント乗っ取りなどの “事件” にも対応
- ――ユーザからの問い合わせで多いのはどういったことですか。
尾方氏
「よくご相談を受けるのはWordPressに関してですね。サービスの利用を検討しているという方から, 『WordPressが使えるのはどのプランなのか』 『WordPressのバージョンは何か』 といったお問い合わせをよくいただきます。またすでにサービスを利用されているお客さまから, 『もっと上位のグレードに移行したいがどれがいいのか』 といったご相談を受けることもあります。 こちらからお客さまにご連絡するケースもあります。たとえばお客さまが利用されているサーバのアカウントが不正に利用されていて,
外部のサーバを攻撃していたり, あるいはspamメールを送信していたりするケースです。こうした場合には外部から私どもに 『何々というサーバから大量のspamメールが送られている』 といった連絡があるので, 確認して事実であればお客さまにご連絡します。」 最上氏
「ユーザIDとパスワードが同じなど, 単純なパスワードを設定されているケースでアカウントが盗まれることが多い印象です。現状のPleskでは, 簡単なパスワードを受け付けないロジックが組み込まれているので, そうしたリスクは軽減されているかなと思います。」 尾方氏
「CMSの脆弱性を突かれてサーバを乗っ取られるというケースもあります。WordPressやMODxといったCMSをインストールして, 結局使わずに放置していたところ, 実は脆弱性があって外部から攻撃を受け, FTPアカウントや管理者アカウントが盗まれるというわけです。」 - ――セキュリティ関連で対応に苦慮することはありますか。
最上氏
「サーバを乗っ取られて, よくわからないプロセスが多数走っているなど, どういう状況なのか把握することが難しくなっているような場合は大変ですね。ある程度把握できれば, 我々のエンジニアのほうで対応するということもありますが, それが難しいケースでは新たなサーバを用意し, お客さまに移行していただくようにお願いすることもあります。
さまざまなユーザの要望に対応する “裏メニュー”
- ――サポートを提供されている中で,
難しさを感じるのはどういったところですか。 最上氏
「たとえばパフォーマンスが出ないというお問い合わせで, サーバのリソースを見てみるとまだ余裕があるといった際に, その原因を追及するというのは難しいですね。我々が提供しているサーバに原因があるのか, それともそのサーバ上でお客さまが実行しているプログラムに問題があるのか。それを細部まで把握するのは容易ではないため, 場合によってはお客さまにご協力していただきながら調査することもあります。 ただお客さまもサーバ運用に精通されている方ばかりではないので,
トラブル時に我々のほうでかなり深くまで調査して対応することも少なくありません。たとえばデータベースとしてMySQLを使っているお客さまのシステムで, 思ったよりもパフォーマンスが出ないといった場合には, 私たちのエンジニアがMySQLのパラメータをチェックして, こうすればパフォーマンスを改善できますよ, といったアドバイスをさせていただくといった形です。」 - ――単純にサービス提供者側の問題なのか,
それともユーザ側で対応すべきことなのかを明確に区別するのではなく, エクスクラウドでは一歩進んだところまで対応しているということですね。 尾方氏
「そうですね。そういった部分はあると思います。私たちにも, ここの領域まではサポートするというポリシーラインがあります。ただお客さまには課題があり, それを何とか解決しなければならないという状況なわけですよね。それを考えると, 単にポリシーラインで区切ってしまうのではなく, 可能な範囲での対応をしようという気持ちになります。そこで 「アドバイス」 という形でご案内をさせていただいています。」 最上氏
「お客さま対応というところで言えば, エクスクラウドには結構 “裏メニュー” があります (笑)。昔の話ですが, 当時のPleskはPHPのバージョンが5. 1.6でしか動かなかったんですね。ただ, そのバージョンだと最新のWordPressを使えませんでした。それで海外から最新のPHPでPleskが動作するようなノウハウを仕入れて, どうしてもというお客さまにはその設定を施したサーバを提供したということがありました。」 尾方氏
「最近では, あるグループウェアが動作しないという問題に対応しました。実はこのグループウェアはNICの名前を見ていて, エクスクラウドが提供しているサーバの標準のNIC名では動作しなかったんです。そこで, そのグループウェアを利用したいというお客さまにはNICの名前を書き換えて提供しています。あとサーバ間でNFSを使ってファイルを共有したいといったニーズもありますが, 現状ではハードウェアの設定を変える必要があるんです。ただハードウェア側なのでお客さまからは設定できないため, 要望をいただいた場合には私たちのほうで設定しています。 また裏メニューではありませんが,
ブログでの情報提供も積極的に行っています。エクスクラウドクラウドシリーズを利用するうえで役立つ情報も載せているので, ぜひチェックしていただきたいですね。」
サポートスタッフとエンジニアで執筆している
- ――最後に,
読者の方々へメッセージをお願いします。 最上氏
「私たちはサービスを利用する前のお問い合わせも受け付けているので, サービスを利用しようと考えているけれどわからないところがある, あるいは自分の用途にあったサービスがどれかわからないといった場合にはぜひご連絡ください。またエクスクラウドクラウドシリーズなどでは試用期間を設けているので, そういったものも活用しながら最適なサービスを選んでいただければと思います。」 - ――本日はありがとうございました。
バックナンバー
クラウドサービスの新潮流を読む
- 第4回 充実したサポートを提供するエクスクラウド
- 第3回 データホテルが採用する仮想化技術
- 第2回 多彩な用途に対応する「EX-CLOUDクラウドシリーズ」
- 第1回 圧倒的なコストパフォーマンスを誇る「EX-CLOUD クラウドシリーズ」