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前回(第1部 第1回)は,Webアプリケーションとデスクトップアプリケーションとは区別されること,Webブラウザ内のある画面から,次の画面に切り替わるまでの間にWebアプリケーション回活躍していることなどを説明しました。今回は,そのWebアプリケーションがどこで活躍しているのかを説明します。
Webアプリケーションの「クライアントとサーバ」
Webアプリケーションは,Webブラウザからのアクセスを受けて起動されます。ではWebブラウザはどこにアクセスしているのでしょう。それは,Webサーバあるいはアプリケーションサーバと呼ばれているところです。
サーバというのは,クライアントと呼ばれる別のコンピュータ(もしくはそれに組み込まれたソフトウェア)からのアクセスを受け付け,必要な処理を実行した結果を再びクライアントに送り返す役割を果たしているコンピュータを指します。Webページにアクセスする場合では,Webブラウザを起動しているコンピュータがクライアントに当たります。そしてそこからのアクセスを受け付けて,必要とされるWebページの内容を送り返すものが,とくにWebサーバと呼ばれます。逆に言うと,Webブラウザは,Webサーバから送られた内容を画面に表示するためのクライアントということもできます。
Webブラウザは,趣味の情報を集めるといった個人的な用途だけでなく,企業内の業務を行うためのシステムでも多く用いられています。この場合は,Webサーバの役割だけでなく,業務上の手続きや集計などを行う役割も担っていることがあります。こうしたサーバは,Webサーバと区別してアプリケーションサーバ(略してAPサーバ)と呼ばれます。
両方の呼称を合わせたWebアプリケーションサーバというのもありますが,これはサーバがWebに接続された状態で用いられることを強調しているだけで,役割はそれほど変わりません。ただ,こうした呼称の違いは,実際には前述したような観点ではなく,サーバに組み込まれている技術的な実行環境の違いで習慣的に区別されていることのほうが多く,クライアントからのアクセスに基づいて動作する点ではよく似通っています。
サーバとアプリケーションの関係
では,これらのサーバとWebアプリケーションとの関係はどうなっているかというと,Webアプリケーションは,これらのサーバに組み込まれたアプリケーションということができます。つまりWebアプリケーションは,Webブラウザからのアクセスをサーバが受け付けた後に起動されるということです。
ここで,Webブラウザからのアクセスにより,Webページが表示されるまでの流れを順に表すと,以下のようになります。
- Webブラウザからのアクセスをサーバで受け付ける
- サーバがWebブラウザ(クライアント)からどんなアクセスがあったかを調べる
- 調べた結果を元に,必要とするWebアプリケーションを起動する
- Webアプリケーションの処理が終了したら,サーバがその結果を受け取る
- サーバが受け取った結果を,元のWebブラウザ(クライアント)に送り返す
Webアプリケーションの処理の流れ
まとめると,
- Webブラウザは,Webサーバやアプリケーションサーバにアクセスしている
- サーバは,クライアントからのアクセスを受け付け,実行結果を送り返す
- Webサーバやアプリケーションサーバは,呼称は違うがよく似通っている
- Webアプリケーションは,これらのサーバに組み込まれたアプリケーションである
ということになります。
Webアプリケーションは,あなたがアクセスしたサービスの裏で今日も活躍しています。