ラストレクチャーのはじまり!
最終回にあたり
技評さんのご依頼を受け、連載を開始したのが2007年の8月。今回で1年半になる。
1年半となれば、その間に世の中の状況も移りゆくし、ケータイFlashの状況も変化していく。さらに数年前から見れば、今やケータイにFlashは当たり前にあり、ゲーム、待ち受け、きせかえ、デコメなど、制作コンテンツも様々でてきて、ケータイFlashクリエイターもとても増えた。
そういう意味では、レクチャーの役割りも終えていいのだろう。
さてさて、1年半の連載の中、アクションゲームの基礎に始まり、ユーザーを選ばないカードゲームや15パズル、ゲームの王道的なマップ冒険ゲームと、4ジャンルのゲームをレクチャーしてきた。
基本的にレクチャー前提のサンプルゲームであるため、飛び抜けてスゲェ~ことをしているわけではないが、flaの解説、スクリプトの解説、制作テクなど、出来るだけ画像や図を用いて丁寧に解説することに努めてきた。
えー!わかんないよー!という方がいましたら、最終回に免じてご勘弁ください。……けれど、お役に立てた方がいらしたのなら、微力ながら連載してきて良かった。
Flash!欠かせない面白クリエイトツール
アクションとマップゲームを担当した西村です。
以前にも書いたが、私にとってFlashは、欠かせないクリエイトツールになっている。
その昔、まだマクロメディアだった頃、美麗なベクター絵で、アニメとゲームが作れるクリエイトツールとしてのFlashの魅力に惹かれ、覚え、Flashアニメやゲームを作って、それまで縁もなかったWeb会社をいくつも回って売り込んだ。それは今から10年は前のことだが、その当時から今に至るまで、そしておそらくこれからも、私の創作と仕事に、クリエイトツールFlashは欠かせないだろう。
以前、技評さんから出版頂いた「本格ケータイFlashゲーム本」にも記したのだが、Flashは面白ツールだ。作り手の創意工夫とFlashの機能を組み合わせると、色々なクリエイションができる。
ゲームにしても、Flashを用いて一つのゲームを作るアプローチは、作り手によって様々あり得るし、様々な方法で作ることができる。そんな時感じるのは、「Flashをいじっていると面白れぇ~」という感覚だ。絵を作り、タイムラインに配置し、スクリプトを仕込み、これでどうだ?こうしたらどうなる?プレビューして… おおー♪(または、うーむっ^^;)
そんな創意工夫の面白さ、素晴らしく動いた時の面白さ、Flashをいじってクリエイトするのは、とても面白い。
連載の中で作ってきたサンプルゲームもそうだ。Flashを用いて作る面白さが好きだから、Flashによるクリエイトがやめられない。もっと面白く作れるはずだ、もっと面白いことができるはずだ、Flashを用いながら、そう思い、寝食忘れて朝を迎えてしまう。
おっとっと、何とも取りとめのない内容になっているので、ここらでバシッと締めたい。
レクチャーの最後に、お仕事では悩ましいことが色々あるけれど、
- 「自分がやりたい事を、作りたいものを、思いきり作ろうぜ~!!」
Flashクリエイターの皆さん、その他の皆さん、みんな頑張ろー!!
最終回のオマケに、以前、技評さんから出版して頂いた「本格ケータイFlash本」に掲載したシューティングの作例ゲームを少しアレンジして掲載します。遊んでください!
ケータイ、究極の自己表現ツール
カードゲームとパズル、それからテクニカルノートを担当した藤田です。
最終回という事で、西村が自身とFlashの関係を中心に振り返っているので、私は"ケータイ"というツールにスポットを当てて、結びとしたい。
実際、ケータイ電話ほどその持ち主のアイデンティティーを体現したツールは、人類史上例がないのではないかと思う。ストラップ、待ち受け、着メロ、着せ替え……。あの小さな機器に個性を詰め込む手段はいくつでも挙げられる。また無理にそうした努力を図らなくても、アドレス帳なり、履歴なり、フォトやサウンドのフォルダなり、ただ使っているだけでも自然と、ケータイ電話はその持ち主の生活の痕跡を溜め込んでいってしまう。ケータイ電話というのは、そのユーザの個性をまるまるパッケージングしてしまうツールなのだ。
そうしたケータイを自己表現のツールとして、積極的に活用して行こうというのも、本連載の提案のひとつだった。
路上で弾き語るように、コミケで同人誌を売るように、自身の作ったゲームを文字通り携帯してみないか? 「こんなの作ってみたんだけれど、どうよ?」と、気軽に自身の作品をプレイしてもらうために、ケータイというツールは、うってつけだと思う。
何かを作ったら、あたりかまわず、人に見せびらかしたい!、感想を求めたい!、もっとはっきり言えば「すごいっ!」って誉めてもらいたい!、これはもう人情である。
作品は、発表の場があって初めて作品足りえるのだ。もちろん、単に作品の発表手段というだけならば、Webを始めケータイ以外の公開方法も多々ある。でも、ケータイゲームには、誰かが自分の作品を携帯してくれているかも知れないという夢がある。ある日、電車で隣り合わせた人が、自分の作ったゲームをプレイして一喜一憂している姿に出会うかも知れない。
そんな希望が持てるツールは、ケータイのみだ。
いつか、筆者が何気なくダウンロードしたゲームが、この連載を読んでくださった読者の作成したもので、その作品作りのきっかけが、この連載を読んだことだったら……。そんな日が訪れんことを夢を見つつ、この連載を結びたい。
(PR)コミックメーション、始動!
最終回も終盤。最終回ということもあり、スペースを借りて無限界の宣伝をさせてください。
現在、無限界では、「創り!描く!」を掲げ、作品創作に力を入れている。具体的には、「コミックメーション」という新しい漫画、新しいクリエイションだ。
えっ?コミックメーションってなに?と思われたかもしれないが、簡潔に言えば「動く漫画」「遊べる漫画」で、造語でコミックメーションと名付けた。
実際のコミックメーションを見てもらえれば一目瞭然だが、ページ全体を演出し、コマが作られ、コマが動き、絵も動き、さらにFlashベースなので、漫画中にゲームができたり、インタラクティブなギミックもある。
コミックメーションは、漫画であり、映像作品やアートでもあり、ゲームとの融合もあり得ちゃうのだ。
無限界では、従来の漫画ではできないコミックメーションならではの表現、+α、新しいクリエイションとして、新しい娯楽として、大きく育てていければと考え、コミックメーションの創作、業務展開を進めている。
一見にしかずなので、ぜひ次のサイトをご覧いただきたい。
- コミックメーションWebSite:
- http://comicmation.jp/
-
作品は、コミックメーションマガジンに収録し、雑誌を読む感覚でページを捲って楽しめる。
ご覧いただけたろうか? 掲載している作品は、PR用のサンプルだが、コミックメーションにご興味あったり、また、執筆のご依頼やご商談などあれば、無限界へご連絡くださいませ。
ラストメッセージと謝辞
最後の最後となりました。塔がゴ○ラに倒されるわけではないけれど、締めと謝辞を述べさせていただきたい。
連載は1年半ですが、技評さんから出版いただいた「本格ケータイFlashゲーム本」も含めると、このレクチャーはもっと長い期間お世話になってきたことになる。
技評さん、本当に長くありがとうございました。そして、この連載でご尽力頂きました、小坂様、高橋様、関わってくださった方々、誠にありがとうございました。
顔として登場してもらっていた、ななこちゃんとボブ君も、ありがとう。
そしてもちろん、つたない連載を一度でも読んでくださった皆様、この上なく感謝したい。
無限界は、これからも、クリエイトツールFlashを使って、面白いクリエイションを行っていくつもりなので、どうぞご期待を!
では、またの機会に!
おわり!
訪れる春が、幸運を芽吹かせ、
皆様の今年に、そして未来に、多くの実りをもたらしてくれますように…
2009年2月11日 祝!
西村直樹・藤田和久