きたみりゅうじの聞かせて珍プレー プレイバック

File.#005 木を隠すなら森の(連載第97回)

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入社間もないころのことです。

プログラム経験皆無だった私は、配属先でC++のお勉強プログラムをコーディングしていました。ワークステーションのX端末でviエディタを開いてタイピング。補完機能もないのでタイプミスも多く、コンパイルすると文法エラーが起きることもしょっちゅうです。

ところが、ある時、何度プログラムを見直してもおかしいところが見当たらないのに文法エラーが消えないという現象に出くわしました。

画面のスクロールも必要ないほどの短く簡単なプログラム。エラーも単純な文法エラー。しかし間違いが発見できない…。

だいぶ悩んだ挙句、忙しい先輩に恐る恐る見てもらいました。しかし、先輩も少し眺めた後に「あれ?」という顔に。⁠どこがおかしいんやろねぇ」と言いながら、カーソルを移動させていき、ファイルの最終行に行ったところで「あ」と。

何の拍子か、最終行先頭に1文字だけ「~」が入力されていたのです。

ウィンドウサイズよりファイルの行数が少ない場合に表示される「~」に紛れて私は気づくことができなかったのでした(エラーメッセージの行数をちゃんと信じていたら気づけたのでしょうが……⁠⁠。

なんで気づけなかったのか、そしてなんでそんなところに「~」を入力していたのか今考えてもわかりません。

ひいらぎ(女/44歳/プログラマ・SE)

「~」でもあるんですねえ、こんな落とし穴。

自分はこの手の話を聞くと決まってある文字を思い返します…。

滅びろ全角スペース!

※この連載は、きたみりゅうじの聞かせて珍プレーのバックナンバーから、きたみさんセレクトによる傑作選をお届けしています。

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