きたみりゅうじの聞かせて珍プレー

第5回 見た目にこだわる男

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数年前のこと。入社2年目の後輩(男)に上司が「そろそろ1つ,ソフトウェアをやらせてみよう」と判断したので,測定器と通信し測定データを画面表示,ファイルにデータを保存するという簡単な案件を任せました。彼は動作の確実性より見た目(画面)にこだわるので,⁠確実に動作するものを作ってね」と助言して開発を任せました。

2週間後。ソフトウェアが組み終わったとのことですが,通信相手の機器が未着です。そこで測定器代わりのソフトを作らせて,それを使ってデータ処理のデバッグをさせることにしました。そのソフトも完成,ファイルも仕様通りなので一安心。

…が,いざ測定器が届いて接続するとまるで動きません。本人は「そんなはずはない!」と言いますが,測定器の表示とはまるで違う値が表示されます。そこでソースコードを見ると,どうもとてつもない処理をしている様子。⁠本当に動作したの?」と訊く私に,⁠ちゃんと測定器のダミーで確認しました。機械が悪いんです」と答える彼。確かに彼のダミーソフトと通信すると正常に表示します。

…調べた結果わかったのは,彼が「自分のソフトが正常動作していると見えるようにダミーソフトを作っちゃった」ということでした。あのね…見た目のこだわり方が違うんじゃないの…?

JUN猫(男/33歳/プログラマ・SE)

うわああああああ,なんか覚えがあるこのおとこっぷりいいいいい!!

「やらせてみよう」という上司と「我が道を行く」後輩くんとの間で,投稿主さんが中間管理職的な哀愁を帯びている姿が目に浮かびます。合掌。

著者プロフィール

きたみりゅうじ

もとは企業用システムの設計・開発,おまけに営業をなりわいとするなんでもありなプログラマ。本業のかたわらWeb上で連載していた4コマまんがをきっかけとして書籍のイラストや執筆を手がけることとなり,現在はフリーのライター&イラストレーターとして活動中。

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Twitter@kitajirushi