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第11回Macを使い始めた一年―ターミナルからUstream.tvまで―[前編]

月日が流れるのは早いですね

こんにちは、たつをです。本連載を始めてからもう一年。月日が流れるのは早いですねえ。MacBookの入手から始まった本連載ですが、いよいよ最終回が迫ってきました。これまでの連載の「落ち穂拾い」的な補完ネタですっきりと締めたいと思います。

ローカル開発環境の整備

第1回「なぜMacなのか ……発注&到着からApacheでCGIを動かすまで」⁠本誌Vol.38)では、環境整備の話を少しだけ書きましたが、まずはその続きをもう少しだけ書いておきたいと思います。

ターミナル

ターミナル(コマンドライン)でソフトウェアの開発やメンテナンスをしたいので、日本語まわりの環境設定をしました。趣味のプログラミングでは、テキストマイニングを始め、日本語データを扱う機会が多いので必須です。

まずは、コマンドラインでの日本語入力まわりについて。デフォルトだと入力した日本語文字がコマンドラインでは\+数字といった形式でエスケープ表示されてしまいます。たとえば「漢字」と入力すると\346\274\242\345\255\227と表示されてしまいます図1・⁠。

図1 コマンドラインでの日本語入力
図1 コマンドラインでの日本語入力 図1 コマンドラインでの日本語入力

これを避けるためには、ディスプレイ左上の[ターミナル]メニューから[ウィンドウ設定...]を選び、立ち上がった[ターミナルインスペクタ]のプルダウンメニューで[エミュレーション]を選択し、⁠非ASCII文字をエスケープする]のチェックをはずします図2⁠。

図2 ターミナルインスペクタ
図2 ターミナルインスペクタ

そして、ホームディレクトリに下記の内容の.inputrcというファイルを用意し、ターミナルを再起動します。

set convert-meta off
set meta-flag on
set output-meta on

すると今度はちゃんと日本語が表示されるはずです図1・⁠。以上、Mac OS Xターミナルでの日本語の扱いについてを参考にしました。

次にターミナルで使う文字コードの設定です。先ほどと同様にターミナルインスペクタで設定します。たとえばEUC-JPを使う場合、⁠ディスプレイ]を選び、⁠文字セットエンコーディング]「日本語 ⁠EUC⁠⁠」にすればOKです図3⁠。

図3 文字コードの選択
図3 文字コードの選択

さて、ここまではMac OS X付属のターミナルについて書いてきましたが、それ以外のターミナルソフトとしてiTermというオープンソースソフトウェアが知られています。一つのウィンドウで複数のターミナルがタブで管理できたり、カラー設定もできたりします図4⁠。デフォルトのターミナルが使いにくく感じる方はお試しください。iTermのサイトからパッケージを入手してインストールできます。

図4 iTerm
図4 iTerm

MacPorts

ターミナルの整備が済んだら次はコマンドです(ここではコマンドラインで利用するソフトウェアをコマンドと呼ぶことにします⁠⁠。ここでは、Mac OS XでUNIX系のコマンドをインストールする体系的な方法の一つであるMacPortsを紹介します。

MacPortsは、Mac OS X用のパッケージシステムの一つで、おもにUNIX向けに開発されたオープンソースソフトウェアを簡単にインストールできます。目的のソフト、および、そのソフトが依存しているライブラリなどをまとめてインストールしてくれます。

ということで、まずはMacPorts自身をオフィシャルサイトから取得し、インストールします。

準備ができたところで、何かコマンドをインストールしてみましょう。portコマンドを使います。筆者の環境では/opt/local/bin/portに入りました。実行パスを設定しておくとよいでしょう。なお、筆者は連載第1回で書いたとおりzshをシェルとして使っているので、その設定ファイル.zshrcに以下の1行を追加しました。

PATH=$PATH:/opt/local/bin

まずは多言語対応のページャであるlvを入れてみます。lvはターミナル上で日本語ファイルをちらっと眺めるときに便利なツールです。文字化けの心配が減って、ストレスも減ります。

インストールにはroot権限が必要なのでsudoを使います。portを使ってlvをインストールした結果は図5のようになります。パッケージを取得し、パッチを適用し、コンフィグレーションを行い、と一連の作業をこなしインストールしてくれます。

~% sudo port install lv
--->  Fetching lv
--->  Attempting to fetch lv451.tar.gz from http://www.ff.iij4u.or.jp/~nrt/freeware/
--->  Verifying checksum(s) for lv
--->  Extracting lv
--->  Applying patches to lv
--->  Configuring lv
--->  Building lv
--->  Staging lv into destroot
--->  Installing lv 4.51_2
--->  Activating lv 4.51_2
--->  Cleaning lv

日本語文字コード変換の定番コマンドであるnkfも入れました。

sudo port install nkf

日本語の文字コード(euc、sjis、jis、utf8)の変換フィルタです。コード変換以外にも、⁠-h」オプションでひらがなとカタカナの相互変換ができたり、⁠-Z」で全角英数字を半角に変換できたり、⁠--guess」で文字コード判別ができたりと便利な機能があるので常用しています。なお、Mac OS Xにはデフォルトでiconvという文字コード変換コマンドもあります。どっちを使うかは好みの問題でしょうか。

ダウンロード定番コマンドであるwgetも入れました。引数にURLを指定してファイルを取得するコマンドです。Mac OS Xにはデフォルトでcurlという同様のコマンドがあるのですが、wgetにはサイトのミラーリング(ディレクトリ構造を一気にダウンロードできる)機能があるため手放せないのです。

sudo port install wget

こんな調子でローカルの開発環境を整えていきました。なお、開発環境で欠かすことのできないエディタは、連載第3回「サーバでの開発環境 ……MacFUSE+sshfs、そしてCarbon Emacs」⁠本誌Vol.40)で紹介したCarbon Emacsを愛用しています。こちらも欠かせないものです。

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