デジタルコンテンツを日本から世界へ―MyCommerceで始める越境EC

第1回EC最新トレンドと運用のポイント

自社で開発したソフトウェアを海外も含めてオンラインで販売したい。このようなニーズに合致するサービスがMyCommerceです。本稿では、グローバルマーケットを意識したソフトウェア販売のポイントについて解説していきます。

広まり始めたソフトウェアのオンライン販売

インターネット上で商品を販売する、EC(E-Commerce)に取り組む企業はもはや珍しくないでしょう。すでに個人、法人を問わず、インターネット上での商取引はもはや一般的になっていることを考えれば、商品の新たな販売チャネルとしてインターネットを活用するのは当然であると言えます。

このECで販売する商品として、デジタルコンテンツやソフトウェアも注目されています。従来、CDやDVD、あるいはUSBメモリといった物理的なメディアを利用してこれらは流通していました。しかしインターネットを利用すれば、物理メディアを利用せずにダイレクトにソフトウェアを顧客に届けることが可能です。

このような販売形態で、大きな話題を集めたのが電子書籍です。それ以前から多くのECサイトにおいて紙に印刷された書籍が販売されていましたが、注文してから顧客の手元に届くまで数日単位のタイムラグが生じるという課題がありました。しかし電子書籍であれば、購入した後はデータをダウンロードするだけでよく、数分~数十分後には読み始められます。このメリットが広く受け入れられ、新たな書籍の流通形態としてすでに市場に根付いています。

同様に、ソフトウェアのダウンロード販売も広まりつつあります。マイクロソフトやアドビシステムズなど、多くのソフトウェアベンダーが自社製品のダウンロード販売を行っているほか、1カ月や1年といった一定期間ごとに料金を支払う、サブスクリプションモデルも普及し始めました。

ソフトウェアのダウンロード販売における一般的なフロー。ユーザーはクレジットカードなどを使って決済した後、ソフトウェアをダウンロードし、さらにメールで受け取ったライセンスキーを使ってソフトウェアを利用する
ソフトウェアのダウンロード販売における一般的なフロー。ユーザーはクレジットカードなどを使って決済した後、ソフトウェアをダウンロードし、さらにメールで受け取ったライセンスキーを使ってソフトウェアを利用する

電子書籍と同様、ソフトウェアのダウンロード販売のメリットも販売店まで出向くといった手間が省けること、そして購入してすぐに使い始められる点がメリットになります。また、CDやDVDといったメディアの管理が不要になることもユーザーにとって見逃せない利点です。これらを考えたとき、デスクトップアプリケーションやサーバーソフトウェア、あるいはゲームなどを販売する際、ダウンロード販売を考慮しない手はありません。

グローバルを視野に入れた製品展開

このようなソフトウェアのオンライン販売では、グローバルを視野に入れたビジネスの拡大も考えていくべきでしょう。市場の大きな伸びが期待できない日本だけをターゲットにしていては、大きく売上を伸ばすことは困難なためです。

もちろん、海外にソフトウェアを販売するためには、その国・地域の言葉へ翻訳するなどといったローカライズ作業が欠かせません。ただ、それによって売上を大きく伸ばせる可能性が生まれることを考えれば、決して過大な投資とは言えないでしょう。

具体的なマーケットとしては、アメリカやカナダ、ドイツやイギリスなどを含むEU各国、シンガポールや台湾、そして成長著しいインドをはじめとしたアジア地域が考えられます。これらの国ではすでにソフトウェアのオンライン販売が根付いているため、流通チャネルを改めて考えることなく製品を販売することが可能です。

海外市場への進出を阻むさまざまな“壁”

なお、実際に海外に向けてソフトウェアのオンライン販売に乗り出す上で、大きな障壁となるのは現地金融機関とのやり取りや国によって異なる税務処理への対応、さらには法律や規制の理解と対処などです。

オンライン販売で大きなポイントとなる、決済手段も国によって事情が異なります。日本ではクレジットカード決済が広まっていますが、国によっては独自の決済サービスが主流になっていることもあります。決済手段の選択肢の幅はECサイトの使い勝手に直結することを考えると、それぞれの国に合わせた決済手段を提供することは欠かせません。

システムをどうするかも考えなければならない問題です。国ごとに個別にシステムを構築して運用するような形態では、商品を追加するだけでもそれぞれのシステムで更新作業を行うことになり、大きな負担を強いられることになってしまうからです。この問題の解決策として、多言語、多通貨に対応したシステムの利用が考えられます。これなら1つのシステムで複数の国に対応することが可能であり、また事前に設定したレートによって各国の通貨で代金が表示されれば、利用者も安心して商品を購入することができます。

多言語、多通貨でECサイトを運営できるシステムを利用すれば、販売する国・地域ごとにシステムを使い分けることなく、ユーザーに合わせて表示言語や決済通貨を切り替えられる
多言語、多通貨でECサイトを運営できるシステムを利用すれば、販売する国・地域ごとにシステムを使い分けることなく、ユーザーに合わせて表示言語や決済通貨を切り替えられる

ソフトウェアのオンライン販売を支援するMyCommerce

ソフトウェアのオンライン販売であれば、通常のECサイトとは異なる仕組みも必要になります。まず必要となるのは、販売したソフトウェアをダウンロード提供するための仕組みです。さらに違法な形でソフトウェアが利用されてしまうことを防ぐためには、ユーザーごとにライセンスキーを発行する仕組みが不可欠になります。

売り切りモデルではなく、一定期間の利用権を販売するサブスクリプション形態で販売するケースもあるでしょう。販売する側にとっては一定期間ごとに収益が見込め、ユーザー側にも初期投資を抑えられるメリットがあることから、ソフトウェアの販売形態として主流となりつつあります。これを実現するためには、オンラインでのライセンス認証や決済手段と連携したトランザクション管理が欠かせません。

また顧客の情報を守るためにセキュリティは万全を期する必要があるほか、さまざまな決済手段をサポートするための仕組みも実装しなければなりません。さらにマーケティングの領域まで含めて考えると、ソフトウェアのオンライン販売のためのシステムは極めて規模の大きなものとなります。

なお、日本国内だけを見た場合、オンライン販売を支援するサービスは数多くあり、ソフトウェア販売に必要となるいくつかの機能は外部のサービスを利用して実装することが可能です。しかしビジネスの成長を海外市場に求めるのであれば、ここまで紹介したように数多くのハードルをクリアすることが求められます。そこでぜひ活用したいのが、Digital Riverが提供するソフトウェアダウンロード販売に特化したECプラットフォームである「MyCommerce」です。

ソフトウェアのオンライン販売に必要となる機能を網羅した「MyCommerce⁠⁠。多国語対応、多通貨対応を果たしているほか、各国・地域の税制などにも対応している。これにより、グローバルに自社製品を販売できるのが特長だ
ソフトウェアのオンライン販売に必要となる機能を網羅した「MyCommerce」。多国語対応、多通貨対応を果たしているほか、各国・地域の税制などにも対応している。これにより、グローバルに自社製品を販売できるのが特長だ

MyCommerceにはソフトウェアのダウンロード販売に必要な機能が盛り込まれているほか、海外向けに販売するための機能も各種盛り込まれているため、迅速なグローバル展開を可能にします。SaaSとして提供されていること、そしてレベニューシェア型であるため、初期投資を抑えて使い始められることも大きなポイントです。

MyCommerceは多通貨での決済にも当然対応しており、それぞれの国や地域ごとに販売価格を設定することが可能
MyCommerceは多通貨での決済にも当然対応しており、それぞれの国や地域ごとに販売価格を設定することが可能

国ごとに必要な対応を行うための人材が社内にいない、あるいは迅速にソフトウェア販売をグローバルに展開したいと考えるのであれば、MyCommerceは注目すべきソリューションであると言えます。

MyCommerceの導入事例等、詳細はコチラ

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