MySQL関連では次のメジャー・
また,
[MySQL]2016年1月の主な出来事
2015年10月に最新メジャー・
MySQL 5.7での追加改良点
メジャー・
- mysql_
ssl_ rsa_ setupコマンドの追加 - MySQLのコミュニティ版ではTLS
(Transport Layer Security) を利用して通信を暗号化するために, yaSSLのライブラリを利用しています。このyaSSLのライブラリではMySQLサーバーの起動時などに自動的に鍵の生成などができないため, 2015年12月にリリースされたMySQL 5. 7.10 では,mysql_ ssl_ を追加して鍵の生成手順を簡略化しています。なおMySQLの商用版ではOpenSSLのライブラリを利用しており,rsa_ setupコマンド MySQLサーバーの初回起動時に自動的に鍵生成が可能なので本コマンドでの鍵生成は不要です。 - パスワード有効期限のデフォルト値変更
- MySQLの普及促進や改良に貢献されているOracle ACE
(MySQL) から寄せられた機能要望のバグレポートをきっかけに,のyoku0825さん MySQL 5. 7でのパスワード有効期限のデフォルト値が360日から無期限 (パラメータ名 default_ password_ )lifetime となりました。この値はMySQL 5. 7.11 以降で有効となり,MySQL 5. 8でも同様となります。 - 透過的データ暗号化の追加
- MySQL 5.
7.11 でInnoDBストレージエンジンの表領域ファイルのページレベルでの暗号化機能が追加されます。この機能は透過的データ暗号化 Transparent Data Encryption (TDE)とも呼ばれており,データ作成時の定義にENCRYPTIONオプションを指定するだけで, 自動的にデータが暗号化されます。本機能の実装方式などは2016年3月の記事で解説予定です。
MySQL 5.8や新ツールのリリースに向けた活動
- MySQL 5.
8に対する機能要望の募集開始 - MySQLサーバーの仕様決定を担当するプロダクトマネージャーに,
これまでコミュニティ担当だったMorgan Tockerが就任しました。さっそくMySQLサーバー開発チームのブログにおいて, コミュニティからMySQL 5. 8に対する機能要望を募集 する記事を出しています。たとえばMySQL 5.8のデフォルトの文字コードはutf8mb4にすることが提案されていますが, デフォルトのCollation(文字照合順)をutf8mb4_ unicode_ 520_ ciにすることは問題となり得るため, 日本のMySQLコミュニティからの声も非常に重要となります。他にもレプリケーション設定のデフォルト値変更に関する機能要望を募集する記事も別途掲載されています。 - マルチマスター型レプリケーションGroup Replication
- 全てのサーバーをマスターとして動作させるマルチマスター型レプリケーションがGroup Replicationというプロジェクトで開発中です。2016年1月にはこのGroup Replicationの開発版がアップデートされ,
これまでのLinuxに加えてWindowsやMac OSも動作対象環境となりました。
先月のMySQL関連イベントやセミナー,ユーザ会の活動のレポート
- MySQL Casual Talks vol.
9 - MySQLに関するカジュアルな話題を中心に,
MySQLの利用者が幅広いテーマで講演するイベントの第9回が2016年1月22日Yahoo! Japanにて開催されました。当日のライブツイートがまとめられています。
[PostgreSQL]2016年1月の主な出来事
昨年から待ち望まれていたPostgreSQL 9.
PostgreSQL 9.5へバージョンアップする際の主な注意点
PostgreSQLがメジャーバージョンアップし,
- データの論理的な移行が必要
- PostgreSQL 9.
5.0以前のバージョンからPostgreSQL 9. 5.0に変更するには, pg_ dumpallまたはpg_ upgrade ユーティリティなどを用いて, データを論理的に移行する必要があります。旧バージョンのデータベースクラスタを流用すること (物理バックアップを利用したバージョンアップ) はできません。 - 演算子の優先順位の変更
- IS,ISNULL,NOTNULL や IN,BETWEEN など,
一部の演算子の優先順位が変更されました。旧バージョンよりも, よりSQL標準に近い優先順位に変更されています。 - pg_
ctlによるデフォルトのシャットダウン方法の変更 - pg_
ctlコマンドのデフォルトの停止モードが, スマートシャットダウン (smart) から高速シャットダウン (fast) に変更されました。このため, デフォルトの停止モードでPostgreSQLを停止させると, 実行中のトランザクションがロールバックされ, クライアントとの接続を強制的に切断するようになります。以前のバージョンまではクライアントとの接続が切断されるまで, PostgreSQLの停止を待機する仕様となっていました。 - パラメータの廃止
- 自動WALチェックポイントの契機となる値を設定するcheckpoint_
segmentsパラメータが廃止され, 変わりにmin_ wal_ sizeとmax_ wal_ sizeパラメータが新設されました。なお, max_
とすることで,wal_ size = (3 * checkpoint_ segments) * 16MB checkpoint_ segmentsで調整していたときとほぼ同等の設定にすることができます。
先月のPostgreSQL関連イベントやセミナー,ユーザ会の活動のレポート
- オープンソースカンファレンス2015 .Enterprise @ Osaka
- 2016年1月29日にオープンソースカンファレンス2015 .Enterprise @ Osakaが開催されます
(本誌執筆時点ではまだ未開催)。 - PostgreSQLに関連するセミナーは,
株式会社アシストの藤原氏による 「PostgreSQLトラブルシュート」 と株式会社富士通ソーシアルサイエンスラボラトリの小笠原氏による 「高トランザクションシステムへのPostgreSQL適用事例&Postgres Plus最新動向」 が予定されています。