PyCon JP 2015の作り方

第2回事務局チーム:参加者管理、スポンサー対応、デザイン等

こんにちは。メディアチームの今津です。

PyCon JP 2015 では、現在4つのチームに分かれて様々な準備を行っています。この連載では、各チームがどのようにPyCon JP 2015を作っていっているのかを、それぞれの目線でご紹介していきます。

第2回目は、事務局チームについてご紹介します。

事務局チームの役割

PyCon JP 2015 事務局チームの吉田です。

カンファレンスを開くのに一番大切なのはコンテンツ(プログラムチーム)と場所(会場チーム⁠⁠、告知(メディアチーム)であると考えています。事務局チームはそれ以外の一切を行うことで、これも一つの大きな役割だと思っています。具体的な役割は、大きく以下の内容になります。

  • 参加者の方々の登録、当日の受付や遠方からの来場者への費用支援に対応するなどの参加者管理
  • スポンサーの方々にスポンサード、出展いただくのに対応するスポンサー対応
  • イベントのロゴやサイト、冊子に使用されるイラストを作成するデザイン
  • Tシャツやストラップなどの来場者へのノベルティの準備
  • イベントの収入と支出全てに関係する会計

この中からいくつか紹介します。

参加者管理のタスク

参加者管理のタスクはPyCon JPに参加される方全てに関わるタスクとなるので範囲が広いです。

外からは結構見えにくいタスクですが、全体を見て対応する必要があるので、やりがいのあるタスクです。一般で参加される方、スピーカーの方でおよそ500人、それにスポンサー、業者の方、スタッフを含め600人以上にスムーズに参加していただけるようにそれぞれ準備をしています。

一般で参加される方への参加窓口の案内が大きなタスクとしてあります。connpassのページを用意し、その詳細説明用のページをPyCon JP 2015のサイトに準備します。

今年はチケットの種類が、昨年の4種(Patron、通常早割、通常、学生)に比べて7種(Patron、Business、Business早割、通常早割、通常、学生パーティ有り、学生パーティ無し)と増やしました。昨年の開催後の参加者からのアンケートや座長の鈴木たかのりさんからの要望等に対応して今年はこのように増やしています。

これらチケット種類の金額、差別化、それぞれの枚数について設計することも参加者管理の大事なタスクです。例えば今年増えた学生パーティ無しチケットは、昨年の参加者アンケートの要望から今年試行してみようとのことで実施しています。学生チケットの枚数についてはPatronおよびBusiness参加者の数に応じて徐々に増えるように準備しています。ご支援いただけるとありがたいです。

また、他のチームや担当者との連携も必要です。スピーカーについてはプログラムチームとの連携、スポンサーについては事務局スポンサー担当と連携する必要があります。それぞれに合わせた受付の体制を準備するためにお互いの情報をやり取りし、準備をしています。これはスピーカー、スポンサーでそれぞれに窓口を分けて効率的に受付対応するために実施しています。

その他、PyCon JPでは遠方からの来場者のために遠方支援制度(フィナンシャルエイド)による交通費の補助を行っています。これは海外や国内でも遠方から参加を希望する方やスピーカー、学生の交通費による参加ハードルを下げるため実施しています。今年は学生チケットと遠方支援制度については基本的にPatronおよびBusinessで参加される方の支援で対応するように設計しています。それにより遠方支援制度の人数、金額についてはそれぞれおおよその見込みからの予算がありますが、昨年の例では希望者が多かったために予算を調整し、トータルの人数、金額を増やしました。遠方からの熱意のある方を支援する仕組みですので、活用していただければと思います。

カンファレンス当日は受付が最大のタスクです。参加者の皆さんをできるだけスムーズにカンファレンスに参加いただけるよう考えています。昨年は9:00から入場開始で500人弱を20分ほどで受付を行い、9:30からの基調講演に余裕をもって皆さん参加いただけました。今年もスムーズに参加いただけるように今から検討、設計しています。

写真1 昨年の受付の様子
写真1 昨年の受付の様子

スポンサー対応のタスク

スポンサーの皆さんにPyCon JPに協賛(スポンサード)いただく際のタスクを行います。スポンサードいただく際の種類やそのメリットの設計をすることも大事なタスクです。

会場や日程が決まったら出来るだけ早くスポンサー募集についてお知らせし、スポンサーの皆さんにスムーズに準備いただけるようにしています。スポンサーの募集は昨年などのPyCon JPのスポンサーの皆さんに連絡を行ったり、Webサイト等で告知することにより応募いただくことが主ですが、スタッフ経由で興味のありそうな企業に個別に打診することもあります。

昨年参加いただいた各企業からのフィードバックを考慮し、今年度は下記2点の変更を行いました。

  • Silverスポンサーの企業は常設ブースおよびジョブフェアのいずれかのみに参加できる権利がある
  • Silverスポンサー向けに、常設ブースもしくはジョブフェアの早期確定プランを設置

これは、GoldプランとSilverプランの違いをより明確にし、Goldプランに参加いただく企業によりメリットを感じていただくためです。また、昨年までSilverプランでは開催の直前まで常設ブースおよびジョブフェアの参加を確定することができませんでした。そこで、お申し込みの時点で常設ブースもしくはジョブフェアの参加を確定させることができるオプションプランを設計しました。これによって、⁠常設ブース(もしくはジョブフェア)に参加したい!」というSilverスポンサーの企業のご要望にお応えすることができるようになりました。

写真2 昨年のジョブフェアの様子
写真2 昨年のジョブフェアの様子

PyCon JPの開催も回を重ねているせいか、非常に嬉しいことに今年度はスポンサー募集開始から約2ヶ月、4月の時点で昨年よりも多くの企業にスポンサー参加の確定をいただきました。そのため、例年より早く5月にスポンサーミーティングを実施しました。PyCon JPでは毎年、事務局スポンサー担当とスポンサー企業でイベント内容の説明やご意見、ご要望を交換する機会として設けています。これは、各社スポンサー担当者間の横の繋がりを持っていただくこと、そしてなによりもスポンサー企業と共により良いイベントを作り上げることを目的にしています。今年のミーティングでも、参加企業の皆さんから様々なご意見やご要望をいただきました。すべてのご要望にお応えすることは難しいですが、より良いイベントにするためにスポンサー担当で検討することも重要な役割です。スポンサーミーティングは今後も7月、8月に開催を予定しています。スポンサードにご興味ある方よろしくお願いします。

その他、現在の主なタスクとしてスポンサーの皆さんのロゴや説明文を、Webサイトや冊子に掲載しています。これらのやりとりを、2013年以前はメールベースで行っていました。およそ30社のスポンサーの皆様とやりとりするのはお互いに大変でした。昨年からはWebシステムを更新し、Symposionというシステムを利用し、スポンサーの皆さんにIDを配布し、ご自身で情報の登録、更新を出来るようにしました。これにより、年々増えているスポンサーの皆様(昨年は38社)とスタッフ、お互いの負荷が軽減されスムーズな対応が出来るようになりました。

デザインのタスク

PyCon JP 2015のイメージを決めるタスクです。ロゴやサイトのデザイン、冊子やTシャツなどのノベルティのデザインを行います。毎年開催告知だけのページをまず準備しているので、それに必要なロゴから準備を始めます。実は今年のロゴは昨年のロゴに比べて若干修正しています。気づいた方はいらっしゃるでしょうか?

写真3 ロゴの変遷
写真3 ロゴの変遷

デザインチームは今年始め、まずこのあたりからタスクを始めました。

その後、プログラムチーム中心で決まってきた今年のテーマ(Possibilities of Python)を元に、イメージ案を作成していきました。

写真4 イメージ案の作成中
写真4 イメージ案の作成中

デザインチーム内で複数のデザイン案を作成し、スタッフ内で投票を行い、最終的なデザインを作成しています。結果今回は宇宙と宇宙船をイメージしたデザインとなり、本番サイト用のデザインを準備したうえで公開しました。

写真5 最終的なデザイン
写真5 最終的なデザイン

このようにデザインチームはサイト準備のためWebチームと連携して活動してきました。今後は冊子やTシャツなどノベルティのデザインが大きめなタスクとしてあります。

カンファレンス当日は大きなタスクはないのですが、昨年の例では案内板にその場でイラストを書いて海外からの参加者にも注意事項が分かるようにするなどしました。今後も様々な活動でPyCon JPをサポートしていきます。

事務局全体など

PyCon JPは、国際色豊かなイベントとなっており、海外からも多くの参加者がいます。上記の事務局で準備するWebサイトのページやML等での連絡内容は原則として日本語、英語両方を準備しています。

ビザ申請に必要な書類を提供することもあります。参加者だけでなく、スポンサーにも海外の企業からの申込みがあります。これらのやり取りはメールを使って行っていますが、もちろん英語でやりとりすることになります。英語が堪能なスタッフと協力しながら対応しています。

このように事務局では多くのタスクがあり、チーム内および他のチームの関連するタスク項目も多く、結構やりがいのあるチームとなっています。スタッフはお互いに本業もあり忙しいこともありますが、毎月の事務局チームのOnlineミーティングの開催とスタッフ全体作業日で、お互いにフォローしあって進めています。

こんな感じで頑張っていますので、皆さん参加PyCon JP 2015 への参加登録 | PyCon JP 2015 in TOKYOよろしくお願いします。

まとめ

メディアチームの今津です。

このように、事務局チームはカンファレンス運営全体と私たちスタッフを全力でサポートしてくれています。

次回は、プログラムチームの準備を担当者に紹介してもらう予定です。それでは、次回の更新をお楽しみに!

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