Ruby Freaks Lounge

第19回Ruby/Railsの地域コミュニティ

はじめに

日本のRuby/Rails関係のイベントとしては、毎年一回開催の日本Ruby会議※1が最大のものになりますが、これ以外にも各地にRuby/Railsのコミュニティがあり、様々なイベントが開催されています。

コミュニティには大別して「ruby-talk」メーリングリストなどのネット上のものと、参加者同士が実際に顔を合わせるオフラインのものがあります。本稿では後者の地域コミュニティについてご紹介します。地域Ruby/Railsコミュニティへ参加したり、ご自分で地域Ruby/Railsコミュニティを立ち上げるきっかけになれば幸いです。

Ruby/Railsの地域コミュニティとは

Ruby/Railsの地域コミュニティが注目されるようになってきたのは、Ruby/Rails人口の増加と関係があります。Ruby開発者のまつもとゆきひろさんが日本人であることから以前からRubyのコミュニティは存在していました。その後アメリカでのRailsブームを逆輸入する形で日本でもRailsブームが起こり、2006年前後に一気にRuby/Railsユーザが増えました。その一方Railsのバージョンアップが頻繁で書籍やネット上の情報が追いつかないという事情から、自然発生的にRuby/Rails勉強会が行われるようになりました。

当初は「日本Ruby会議」や東京で言えば「Rails勉強会@東京」で一元的に情報が得られるメリットがありましたが、現在ではユーザ数の増加やニーズの多様化に伴い「日本Ruby会議」以外に地域Ruby会議[3]⁠、東京では「Rails勉強会@東京」以外に複数のRailsコミュニティが立ち上がる状況になっています。

日本各地のコミュニティ

「日本Ruby会議2009」の期間中に各地のRubyコミュニティが参加した「地域Ruby会議会議」が開かれ、地域Rubyコミュニティ関係者40人近くが集まりました。各地のコミュニティを列挙しましたので、お近くのコミュニティに参加されてみては如何でしょうか。なお「地域名.rb」という命名規則はLL言語界隈で使われていてShibuya.pm(Perl⁠⁠、Shibuya.js(JavaScript)など他言語でも見られます。

追記:
日本Rubyの会のWikiにコミュニティ紹介のページがありますので、あわせて参照ください。

海外のロールモデル:「Seattle.rb」

次に地域Rubyコミュニティがどのように運営されているかをご紹介します。

Asakusa.rbのサイトの冒頭にSeattle.rbのように、活動を通して少しでもRubyコミュニティ全体に還元できるようなプロダクトやノウハウ等の成果を残していくことができたら」とあるように「Seattle.rb」は地域Rubyコミュニティのロールモデルの一つです。

Seattle.rbはRubiniusの開発者など技術力の高いRubyistで構成され、単なる勉強会ではなく「成果物を出す」コミュニティとして知られています。また開催場所や時間帯など運営面でも参考になります。

「Seattle.rb」の運営形態

  • 公式サイトで案内を行う。
  • シアトルのカフェで開催。
  • 開催は毎週火曜日の19~21時。
  • 各自ノートPCを持参。無線LANがある店舗。
  • 夕食は各自自由に取る。
  • プレゼンは特にしていないが、今やってることを他のメンバに見せたりする。
  • 成果物はRubyForgeにアップする。

様々な開催形態

Seattle.rb以外にも、様々な開催形態があります。開催コストの中で一番大きい開催場所に注目して分類すると次のものがあげられます。

もくもく会

もくもく会とは喫茶店やカフェなどに集まって各自黙々(もくもく)と勉強したり仕事したりする会です。

誰かがカフェやファミレスで作業する際に「明日は13時から17時まで○○という店でもくもくしてますよ!Mac開いてるのが私です」などと宣言すれば、立派な「もくもく会」です。誰かが来てくれればよし、来なくても淡々と自分の作業を進めれば良い、という一番開催コストが低い形式です。最近増えて来た無線LANや電源が使えるカフェを活用します。

会議室を使用する勉強会

一番一般的な開催形態です。企業や大学の会議室、ルノアールや公共施設の貸し会議室を使用する勉強会形式です。前者の場合メンバに関係者がいることが多いようです。IT系企業の協力が得られた場合ネットや電源、プロジェクタなどが利用できるなど環境面の充実が期待できます。

飲食店を使用する勉強会

少人数の場合と、大人数の場合で異なります。5人程度の場合特に予約なしで開催できるのがメリットです。5~10人を超えてくると店舗を予約したり貸し切ったり、という準備が必要です。貸切にした場合予約人数を下回ると赤字になるリスクがありますが、座席の配置やプロジェクタやマイクの使用など、自由度が上がるメリットがあります。

まとめ

次回は「Mitaka.rb」がどのように開催されているか主催者の立場からご説明したいと思います。

おすすめ記事

記事・ニュース一覧