はじめに
開発環境向けのアップデートについては、前回Windows Phone Developer Tools January 2011 Updateが配信されたというお話を書かせて頂きました。
一部機種に関しては配信を延期しているものもあるようですが、2月の後半から次々と「Windows Phone Update, February 2011(7004:7008)」の配信が始まっております。先日、筆者のHTC 7 Mozartにも初のアップデートが通知されていました。
デスクトップに端末を接続すると、アップデートがあることを通知されます。「UPDATE NOW」ボタンをクリックすると後は自動でアップデートが走りはじめます。
アップデートには全部で10STEPあり、アップデートバイナリのダウンロードからバックアップの作成、インストール、リブートに至るまで大体10分程で完了しました。
もちろんアップデート中はUSBケーブルを抜くことができません。液晶上部の白いバーがデスクトップ側のZuneのアップデートの進捗に合わせて伸びていくのが分かると思います。
端末へのインストールが完了し、再起動が掛かるとSUCCESSFUL UPDATEと表示されます。以上でFebruary Updateの作業は完了です。
SettingからOSのバージョンを見ると「7.0.7008.0」と表示されていました。
次のアップデートが2011年度後半に予定されているようです。TwitterがPeople Hubに組み込まれたり、Officeドキュメントのストレージに対応したり、現行でIE 7ベースのブラウザがIE 9ベースのものに代わり、HTML5やブラウザ上のSilverlightに対応したり、アプリケーションの切り替えやバックグラウンド実行など、夢の広がるアップデート内容が予定されているそうです。
このうちのどれが本年度後半内に実現するか分かりませんが、Windows Phone 7 Marketplaceへのアプリケーション登録数が既に9,000を突破し、ユーザー数も増えつつあるので期待したいと思います。
Windows Phone 7でのMarketplace系のLauncher
Marketplaceに登録されているアプリは増え続けています。それに対してZune Marketplaceに登録されている楽曲も決して負けてはいません。これらのMarketplaceにアクセスを行うための手段がWindows Phone 7では標準で提供されています。
この辺りはWindows Mobileと違い、アプリケーションからMarketplaceへの連携が可能なのは最初からその設計思想に含まれていたからかと思われます(Windows Mobileの登場時にはMarketplaceは存在していませんでした)。
前々回、前回と、電話をかけたり画像を選択したり、Microsoft.Phone.Tasks名前空間にあるOSの標準アプリケーションを呼び出すLauncherとファイルを開くダイアログのような形で利用できるChooserを利用してきました。
今回は、Marketplace系のLauncherに関する機能のTipsをご紹介したいと思います。
MarketplaceDetailTaskを使ってアプリの詳細情報を見る
アプリから指定したアプリケーションの詳細情報を見ることができます。Microsoft.Phone.Tasks名前空間のMarketplaceDetailTaskクラスを使用します。詳細情報の表示には、Showメソッドを使用します。
MarketplaceDetailTaskのContentIdentifierプロパティには、詳細情報を見たいアプリケーションのIDを設定します。ここでContentIdentifierプロパティを設定しなかった場合は、MarketplaceDetailTaskを起動したアプリケーションの詳細情報を表示します。
ContentTypeプロパティには、MarketplaceContentType.Applicationsしか設定できません。気をつけてください。
上記のコードを実行してみました。
MarketplaceHubTaskを使ってMarketplace Hubを開く
アプリからMarketplaceのHubを見ることができます。Microsoft.Phone.Tasks名前空間のMarketplaceHubTaskクラスを使用します。MarketplaceのHubの表示には、Showメソッドを使用します。
上記のコードを実行してみました。
ContentTypeプロパティにMarketplaceContentType.Applicationを指定することで、Application Marketplaceを表示させることが可能です。
上記のコードを実行してみました。
MarketplaceReviewTaskを使ってWindows Phone 7 MarketPlaceでのあなたのアプリのレビューページを見る
アプリからMarketplace上のレビューを見ることができます。Microsoft.Phone.Tasks名前空間のMarketplaceReviewTaskクラスを使用します。レビューの表示には、Showメソッドを使用します。
上記のコードを実行すると、実行したそのアプリケーションについてのレビューを見ることが可能です。ContentIdentifierプロパティはありませんので、特定のアプリケーションのレビューを見るといった用途では利用できないようです。
MarketPlaceSearchTaskを使ってWindows Phone 7 MarketPlace上のアプリや音楽を探す
アプリからMarketplace上のアプリや音楽を探すことができます。Microsoft.Phone.Tasks名前空間のMarketplaceSearchTaskクラスを使用します。MarketPlaceSearchの検索結果の表示には、Showメソッドを使用します。
上記のコードを実行してみました。ContentTypeを設定していない場合のデフォルトはアプリケーションの検索になります。
音楽を検索する場合には、ContentTypeプロパティにMarketplaceContentType.Musicを設定します。
上記のコードを実行してみました。ContentTypeをMusicに設定したことで、楽曲タイトルが並んでいるのが確認できると思います。
さいごに
Windows Phone 7でのMarketplace機能に関わるLauncherの使い方についてご紹介させて頂きました。LauncherとChooserの機能について一通りご紹介いたしましたが如何でしたでしょうか。
現時点ではアプリケーション関連携機能を持たないWindows Phone 7にとって、OS標準の機能を扱うことのできるLauncherとChooserは、アプリケーション開発においてとても重要な要素となりますので、参考にして頂ければと思います。
以上で今回は終わりです。ありがとうございました。