YAPC::Asia Tokyo×gihyo.jp presents―まもなく開催!アジア最大のPerl開発者の祭典、YAPC::Asia Tokyo 2009

第4回基調講演&前夜祭

最終回の今回は、基調講演と前夜祭について紹介します。

基調講演

今年のYAPC::Asia Tokyoの基調講演はオープニングとクロージングで2つ予定されています。内容はどちらも少しだけ「技術」とは違うお話になる予定です。

オープニングはRichard Dice氏にお話していただきます。

Richard Dice氏はハッカー達の間ではそれほど有名ではないかもしれませんが、The Perl Foundation(TPF)という、Perlの商標などの管理をまかされた団体の運営員で、現在は諸事情により一時的にその職務から降りているしているものの元々は同団体の代表を務めていた方です。

日本ではPerlという技術は知られていてもその裏でどれだけの活動が行われているのか知らない方も多いかと思いますが、実際にはTPFのような団体がありPerl技術の支援等をしています。このセッションではTPFが取り組んでいる活動、それらが今後のPerlにどのように影響していくのか等を語っていただきます。

また、現在TPFはPerlの今後の発展のために比較的大きな額の寄付を受けておりそれらの活用方法についても今後多いに期待したいところです。

クロージングはJonathan Rockway氏が登場します。

Jonathan Rockway氏は、高機能WebアプリケーションフレームワークCatalyst、オブジェクトフレームワークMooseなどの開発で知られるハッカーです。日本でも彼のソフトウェアにお世話になっている方は多いのではないでしょうか。

Rockway氏は、Lispなどを含む他の言語にも精通しており、時折それらの言語がどれだけすばらしいかというブログ記事も書いているのですが、それでも彼はPerlを使い続けます。果たして彼はどうしてそうし続けるのか、なぜ彼はそれを仕事にしつづけるのか、Perlの魅力、特性、そしてそのコミュニティについて語っていただきます。

これらの基調講演は、Perlを今後採用するかどうかという命題に対して、方向性を示してくれるかと思います。この言語がそもそもなぜこれだけの間特定の企業のバックアップも無しに進化し続け、ユーザベースを獲得してきたのか、Perlの真価をここにかいま見ることができるはずです。

YAPC 前夜祭はYokohama.pm出張版!

YAPC::Asia Tokyo 2009本編は9/10, 9/11の両日に行われますが、実は前夜祭も開催されます!

前夜祭は横浜ベースのPerlユーザグループ、Yokohama.pmとのコラボでYokohama.pm出張版を開催します。Yokohama.pmは昨年までYAPC主催をしていたShibuya.pmよりやさしめ(Perlの集まりなのにいきなりバイナリの話になったりするようなことはないようです)な内容で不定期にミーティングを行っています。前夜祭はそんなYokohama.pmの皆さんの好意にあずかってゆる縲怩「感じで進めていく予定です。

Yokohama.pm 出張版 in YAPC::Asia 2009 前夜祭を開催します
http://yokohama.pm.org/2009/08/yokohamapm-in-yapcasia-2009.html

前夜祭はYAPCに参加登録していない方でも来ていただくことが可能ですが、参加費が別途1,000円必要となります。YAPCに参加登録されている方は無料ですが、前夜祭の時点で入場受付(チェックイン)をしていただくことになります。チェックインの仕方を読んだうえで、QRコードをプリントアウトしてご来場ください。また、来場者人数把握のために、こちらで参加登録をしていただく必要がありますので、興味のあるかたはお早めにどうぞ!

なお、前述のとおり、前夜祭に来ていただいたYAPC登録者の方々はその時点で入場受付を済ませることができますので、YAPC当日の受付を先に済ませてしまうことができます。YAPC当日は混雑が予想されるので是非ご来場ください。

セッションには 天才君 amachang 氏が参加するほか、本編でも話していただくエロギークこと yusukebe氏を含めこれまた幅広い話題を取り扱します。詳しくはYokohama.pmサイトでご確認ください。まだスピーカー枠も空いているようですので、もしなんらかの形で横浜に関係のある方でLightening Talkなどしてみたいという方は参加申し込みをしてはいかがでしょうか。

また、せっかくYokohama.pmなのでYAPC側から横浜名物崎陽軒の焼売と、生麦に工場があるキリンのビールを提供します。お酒が駄目な人にもソフトドリンクをご用意いたします。居酒屋以外の場所でビールを片手に技術話に花を咲かせるチャンスはなかなかないかと思いますので、是非遊びに来てください。

YAPCが終わってもまだまだある!―特別研修 x 三日間!

YAPC::Asia Tokyo は 9/10-11で終了ですが、その後もまだまだイベントがあります!

オブジェクトフレームワークMooseのメイン開発者の1人であるShawn Moore氏、強力なORMフレームワークDBIx::Classの開発者John Napiorkowski氏、そして我らが小飼弾氏による三日間の特別研修が9/14, 9/15, 9/16に秋葉原UDXにて開催されます

Moose入門、モダーンなオブジェクト指向システムhttp://conferences.yapcasia.org/ya2009/talk/2192

Moose開発に深く関わった講師のShawn Moore氏が Moose、Mooseと聞こえてくるけれども、まだMooseが何をしてくれるのかわからない、そんな方から Mooseの事をもっとわかりたい人まで、Mooseのすべてを教えてくれます。2009年6月のYAPC::NAでも執り行われた本コースは大人気のコースだったそうです。Mooseはオブジェクト指向のパラダイムシフトです!この機会にぜひ体験してください

Perl, Unicode, and AJAXhttp://conferences.yapcasia.org/ya2009/talk/2307

皆さまご存知小飼弾氏によるコースです。PHPやRubyなどの他の言語もひしめく中、AjaxやUnicodeなどがからむダイナミックなWeb上で今Perlだからこそ実現できる事、そしてそのノウハウを伝授していただきます。⁠本講習では、なぜAJAXなのか、なぜUnicodeなのか、そしてなぜPerlなのかを、実例を通して学んでいきます。本講習後には、Perlはまったく別の姿をあなたに見せることでしょう⁠⁠。

DBIX::ClassとMySQLによるPerlアプリケーションのスケーリング術http://conferences.yapcasia.org/ya2009/talk/2191

強力なObject Relational Mapper(ORM)であるDBIx::Classの開発に関わってきたJohn Napiorkowski氏によるコースです。とくにDBIx::Classのその真のポテンシャルをどのように発揮するかだけではなく、CatalystやMySQLと使用した際にさらにどのようにDBIx::Classを最大限活用するかなどを含めたノウハウを教授していただきます。

英語のセッションには逐次通訳が付く予定ですので、英語が駄目な方でもお気軽にどうぞ。またJPAスタッフが現場に立ち会いますのでフォローも可能です。参加するには応募要項を確認の上kenshu@perlassociation.orgまでご連絡ください。定員は40名です。お早めにどうぞ!

まとめ?

4回にわたってYAPC::Asia Tokyo 2009の紹介をして参りましたが、いかがでしたでしょうか。私も毎年YAPCを見てきて「これは知らない人がいきなり来ても右も左もわからないんだろうなぁ」と思っていたので、稚拙ではありますが案内が書けて嬉しいです。

YAPCというイベントはPerlというコミュニティの特性をよく表していると思います。昨年までのYAPCは規模こそ大きくなりましたが、契約関連やお金の面ではやはり個人運営でした。今年はようやくそのような何か問題が起こるとまずい部分に関してはJPAが主催をすることによりカバーできるようになりましたが、重要なのはYAPCは依然コミュニティが作っている物だということです。

JPAは器こそ用意しましたが、セッションの内容はどれもこれもPerl技術者たちが切磋琢磨しながら日々得てきた技術の結晶です。それらをギャラが出るわけでもないYAPCで発表し、世の中に還元し、そしてまたそこからさらに次のステップのための着想や仲間を得るというきれいなエコシステムが存在するのがPerlで形成されたコミュニティの美しさだと私は考えます。YAPCはある意味その美しい流れのある一瞬の輝きを凝縮したようなものかもしれません。

いずれにせよ、カンファレンスとしてはまだまだ改善の余地はあると思います。今年のYAPCにこれなかった方、運営方法やセッションの内容などに意見がある方、是非次回以降のYAPCに参考にさせていただきますので、Twitterで私(http://twitter.com/lestrrat)やメールでJPAまでご連絡ください。次回以降もより良いイベントにすべく幅広く意見をいただければ幸いです。

今年のYAPCにおいでいただける方たちには: See you at YAPC::Asia Tokyo 2009!

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