概要
「これからはビッグデータを活用する時代だ!」
そんな声がよく聞かれるようになりましたが,現実的にはそうそう大量のデータを扱う機会などありませんし,そもそも分析の基礎知識がなければ宝の持ち腐れになるだけです。
本書は,データ分析の基本にして強力な武器であるグラフを使って,データに隠れた問題の原因や真実をひと目でわかるようにし,次の一手を見出す方法を解説。分析にExcelを活用するためのポイントや,実践的なケーススタディも豊富に掲載した,これからデータ分析を学ぶ方のためのいちばんやさしい入門書です。
こんな方におすすめ
- とにかくわかりやすいデータ分析の入門書をお探しの方
- マーケティングデータなどを分析しなければならない営業・マーケティング担当の方
- 統計の本を手にとってみたが,仕事の現場での役立て方がイメージできなかった方
著者から一言
「成長率と利益率が高い製品を手軽に迅速に知りたい」
「顧客満足度と再購買率の高い商品とそうでない商品を見分けたい」
「営業担当者ごとの売上と成約率の違いを知りたい」
「どの属性の顧客に商品が売れているかを知りたい」
あなたが抱えているのは,こんな課題ではありませんか?
そんな課題を解決してくるのが「データ分析」です。
よく,データ分析=統計解析という誤解があります。たしかに,必要に応じて統計手法を使ったほうがいいのですが,統計はあくまで道具の1つでしかありません。データ分析とは,目の前にあるデータを,目的に沿った形で整理/表現/解釈することです。そして,整理の方法と表現は,だれにとっても手軽でわかりやすいものであるほうが効果的です。
そこで役立つのが,Excelで“直感”的にわかるグラフを作ることです。私は,シンクタンクに在籍していたころを含めると,かれこれ数十年,データとつきあう日々を送ってきました。時期により立場は異なりますが,「たくさんのデータの中からなにかを読み取る」という作業の本質的な部分は変わりありませんでした。「なぜ,ほかの人はこの方法を使わないのだろう?」と思うようなことは,今も昔も同じです。データ分析の原点はグラフなのです。
本書は,グラフによる直感的なデータ分析の方法を,下記の流れで解説します。
- 第1章と第2章 データ分析実務に適したグラフと,その作成に必要なデータ
- 第3章 実際にグラフを作成するにあたって必要となる集計とグラフ化の手順
- 第4章 分析にあたって留意すべき統計数値やグラフのポイント
- 第5章 実例の紹介
- 売れる要因を探る(SNSのプロモーション)
- 売れない要因を確認する(会員制ネットニュースサイト)
- 競合調査(会員制ネットニュースサイト)
- PRのための独自ニュースを作る調査(アンチウイルスソフト会社)
- 満足度調査(ソーシャルゲーム)
- 新サービスの需要調査(ECサイトにおけるプレミア会員制度のテストマーケティング)
本書がデータ分析の力を使いこなす一助となれば幸いです。