書籍概要

情報処理技術者試験

平成28年度 システムアーキテクト合格教本

著者
発売日
更新日

概要

システムアーキテクトは,情報処理技術者試験の高度区分の1つで,業務分析~システム設計~テストなどの一連の作業に従事するSE向けの試験です。論文執筆が必須となる本試験では,より質の高い論文を書くことによって,合格に近づくことができます。

その対策として,本書では主に記述・論文のポイントや受験テクニックを多く紹介しています。付属CD-ROMには,過去3年分の問題の解答・解説を収録。模擬試験用として解答用紙もデータ収録し,本番さながらの準備や模擬対策もばっちりできます。

こんな方におすすめ

  • システムアーキテクトを受験予定の方
  • 記述・論述対策がこれからの人

著者から一言

システムアーキテクト試験は,名前のとおり,システムのアーキテクチャを設計する人材の能力を評価する試験です。システムアーキテクトが担当する業務の中核は,要件定義・外部設計・総合テスト・移行設計です(ただし,データベーススペシャリスト・ネットワークスペシャリスト・情報セキュリティスペシャリストが担当する部分を除く)。いわゆるSE(システムエンジニア)の仕事であると解釈してもかまいません。ITベンダに勤務するエンジニアの多くは,基本情報技術者試験→応用情報技術者試験→システムアーキテクト試験の順に合格されるキャリアパスを想定していると思われます。その点を考慮すれば,システムアーキテクト試験は,ITベンダの係長職もしくは課長職である方々もしくはその候補者が受験する試験であるともいえます。
システムアーキテクト試験は,国家試験である性格上,特定のITベンダ(例えば,マイクロソフト社)の製品に関する問題は出題されません。したがって,広く一般的な要件定義・外部設計等に関する知識があれば十分に合格できます。ただし,この“広く一般的な”という点が,問題を難しくしている側面もあります。実務では,業務に必要な知識の範囲が狭く深く,ITベンダの製品に依存しているケースが多いからだと思われます。 そこで,本書は“広く一般的な”知識を要求される試験問題に焦点を合わせ,特に午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ試験に役立つ構成としました。
本書の特徴は,次の3点です。

  1. 出題ジャンル別に試験問題を並べ替え,イメージが湧きやすくなるように配置しています。
  2. 午後Ⅰ(記述式)については,なるべく別解や間違った解答に関する解説も入れ,別解の許容範囲が理解できるようにしています。
  3. 午後Ⅱ(論述式)については,論文を書く手順や守らねばならないルールを示し,わかりやすさを狙って,同じシステム開発事例に基づいた論文例を掲載しています。

本書の内容は,システムアーキテクト試験に合格するための必要知識・情報をほとんど網羅するものであり,多くの読者が合格されることを期待しています。

目次

  • はじめに
  • 付属CD-ROMの使い方と注意事項

試験ガイダンス

  • 1 システムアーキテクト試験の概要
  • 2 午前Ⅰ対策

午前Ⅱ問題

  • 1 午前Ⅱ対策
  • 2 企画・計画
  • 3 要件定義
  • 4 機能設計
  • 5 概念データモデル設計
  • 6 プログラム構造設計
  • 7 レビュー・テスト

午後Ⅰ問題

  • 1 午後Ⅰ対策
    • 出題傾向/問題文・設問文の傾向/問題へのアプローチ/解答をまとめるアプローチ例/午後Ⅰ問題の演習方法
  • 2 販売・購買業務
  • 3 物流・在庫業務
  • 4 店舗管理業務
  • 5 会計業務
  • 6 移行
  • 7 システム開発管理業務
  • 8 組込みシステム
  • 9 その他

午後Ⅱ問題

  • 1 午後Ⅱ対策
    • 出題傾向/問題選択のポイント/問題のスタイル/解答字数と解答時間の配分/試験場での問題選択/“論述の対象とする計画又はシステムの概要”の書き方/論文構成(下書き)の書き方/設問アの書き方/設問イ “分析・設計において工夫した点”の書き方
    • /設問ウの書き方/論文構成(下書き)の書き方/論文例/採点基準と採点のポイント/演習方法/本文をもっと上手に書くコツ
  • 2 要件定義
  • 3 システム間連携
  • 4 標準化・部品利用
  • 5 外部設計・内部設計
  • 6 テスト
  • 7 移行

サポート

ダウンロード

電子版用ダウンロード

電子版用に,付録CD-ROM収録コンテンツを以下から入手できます。ダウンロードには電子版本紙に掲載されているIDとパスワードが必要です。

正誤表

本書の以下の部分に誤りがありました。ここに訂正するとともに,ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

(2016年10月3日更新)

P.97 モジュール結合度表内 ⑤の下

⑤ 
 
⑤ 
⑥内容結合 他のモジュールの変数を直接参照します

⑤の下に⑥が抜けていました。

P.104 表の最下行

特にいません。成果物を完成させた開発者が自主的に開催します。レビューミーティング出席者の選定も,自発的に行います。
レビューミーティング終了後に,成果物の作成者は摘出された欠陥の除去や改善方法を検討し,成果物を修正します。

P.105 ラウンドロビン 下から3 行目

ソフトウェア開発技術者試験の午前問題では、…
システムアーキテクト試験の午前Ⅱ問題では、…

P.196 下部 試験センターによる解答例

異なる年度の解答が記載されておりました。以下が正しい内容となります。

設問1
業務名:在庫管理業務
理由: 営業所が利用しているシステムが異なると,商品の融通ができなくなるから
設問2
(1)・本社システムのトランザクションデータは新システムでは読み込めないから
本社システムのトランザクションデータは互換性がないから
(2)業務名:①②・売上計上業務 ・商品補充業務
理由:・自販機はHT と通信すると売上情報をクリアするから
売上情報が1 回しか取得できず,補充数が算出できないから
(3)業務名:手数料支払業務
理由:本社で一括して行うから
設問3
(1) 12 月の締日の翌日から末日までの自販機のトランザクションデータ
(2) 異なる点:1 日遅れて発注されること
理由:営業所の注文を新システムに転送するのは,10 時以降だから

P.229 上から2~5 行目

上から2 行目の後半から始まる<委託先は,納品差戻しとなったソフトウェアの修正が必要ですので,委託先ステータスは“委託開発中”になります。したがって,上記▲と★の組合せが正解であり,状態遷移の矢印の終点は,状態番号“13”です。>をすべて削除し,下記に差し替えてください。

問題文〔現在の業務委託管理に関する業務の概要〕(4)1~3 文目(035~039 行目)は、以下のとおりです。

納品受領:委託先は,開発作業が完了すると納品する。委託責任者は,納品物を受領し,確認を行う。●注文書に記載された納品物と一致していれば,承認して納品年月日を管理システムに登録し,一致していなければ差し戻す。納品物を差し戻した場合でも納品の履歴は残す。●納品物の内容,品質などの確認は,次工程の検査以降で行う。

上記2 箇所の●の下線部より、納品物の確認とは、注文書と納品物の一致を検査することであり、納品物の内容・品質を検査することではありません(図2には“納品入力”というイベント名があるので、納品書や納品入力画面のハードコピーなどと、注文書及び納品物を照合する手続きがありそうですが、その記述が問題文にはないので、ここでは注文書と納品物の一致のみを検査することを想定します)。
注文書と納品物が不一致になる典型例は、例えば、注文書の注文数が10 に対し、納品物が8 のように、納品数が注文数よりも少ないケースです(多いケースは想定できませんし、注文書に記載されたものとは違うものが納品されたケースは、少ないケースに該当します)。納品差戻しになるケースでは、委託先は不足している納品物を作成なければならず、委託先ステータスは“委託開発中”になります。したがって、上記▲と★の組合せが正解であり、状態遷移の矢印の終点は、状態番号“13”です。

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