概要
システムアーキテクトは,基本情報,応用情報の上位に位置付けられる,開発系資格の最高峰の試験です。論文執筆が必須となる本試験では,より質の高い論文を書くことによって,合格に近づくことができます。その対策として,本書では主に論文のポイントや受験テクニック的なものを多く紹介しています。付属CD-ROMには,過去4年分の問題の解答・解説を収録。解答用紙も収録し,本番さながらの準備や模擬対策もばっちりできます。
こんな方におすすめ
- システムアーキテクト試験を受験する方
- 記述・論述対策がこれからの人
著者から一言
システムアーキテクト試験は,名前のとおり,システムのアーキテクチャを設計する人材の能力を評価する試験です。システムアーキテクトが担当する業務の中核は,要件定義・外部設計・総合テスト・移行設計です(ただし,データベーススペシャリスト・ネットワークスペシャリスト・情報処理安全確保支援士が担当する部分を除く)。いわゆるSE(システムエンジニア)の仕事であると解釈してもかまいません。ITベンダに勤務するエンジニアの多くは,基本情報技術者試験→応用情報技術者試験→システムアーキテクト試験の順に合格されるキャリアパスを想定していると思われます。その点を考慮すれば,システムアーキテクト試験は,ITベンダの係長職もしくは課長職である方々もしくはその候補者が受験する試験であるともいえます。
システムアーキテクト試験は,国家試験である性格上,特定のITベンダ(例えば,マイクロソフト社)の製品に関する問題は出題されません。したがって,広く一般的な要件定義・外部設計等に関する知識があれば十分に合格できます。ただし,この“広く一般的な”という点が,問題を難しくしている側面もあります。実務では,業務に必要な知識の範囲が狭く深く,ITベンダの製品に依存しているケースが多いからだと思われます。
そこで,本書は“広く一般的な”知識を要求される試験問題に焦点を合わせ,特に午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ試験に役立つ構成としました。
本書の特徴は,次の3点です。
- ① 出題ジャンル別に試験問題を並べ替え,イメージが湧きやすくなるように配置しています。
- ② 午後Ⅰ(記述式)については,なるべく別解や間違った解答に関する解説も入れ,別解の許容範囲が理解できるようにしています。
- ③ 午後Ⅱ(論述式)については,論文を書く手順や守らねばならないルールを示し,わかりやすさを狙って,同じシステム開発事例に基づいた論文例を掲載しています。
本書の内容は,システムアーキテクト試験に合格するための必要知識・情報をほとんど網羅するものであり,多くの読者が合格されることを期待しています。