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2013年9月第2週スマートウォッチへの期待感が高まる

サムスンが「GALAXY Gear」を公開

9月6日からドイツのベルリンで開催された世界最大のエレクトロニクスショー「IFA2013」に合わせて、サムスンが『Unpacked Episode 2』というイベントを開催し、GALAXY Note 3と同時に、これの「完璧なお供」として、スマートウォッチ「GALAXY Gear」を公開しました。

イベントで発表されたGALAXY Gear
イベントで発表されたGALAXY Gear
Introducing GALAXY Gear, a Wearable Device | SAMSUNG TOMORROW Global

GALAXY Gearは、GALAXYシリーズとBluetoothで接続して、電話やメールの通知などを行います。電話は、受電の通知だけではなく、通話が可能で、特撮戦隊もののように、腕時計のバンドを耳に近づけて通話します。使い心地は、街に出て試してみないとわかりませんが、Bluetoothヘッドセットを使い始めた頃よりは、違和感がない通話スタイルなのかもしれません。

GALAXY Gearは、800MHzのシングルコアCPU、512MBのメモリ、4GBのストレージがあり、その中身は、小さなコンピュータです。また、発表されていませんが、OSは、Androidが搭載されているのではないかと思われます。

外観は、1.63インチ(対角41.4ミリ)の320×320 Super AMOLEDディスプレイが搭載されています。ディスプレイは、金属のフレームで覆われており、本体サイズは36.6(W)×56.6(H)ミリとなっています。単純に比較できませんが、最近は、ケースサイズが40ミリを超える大型の腕時計があり、中には、48.3ミリのケースサイズの腕時計もあるので、腕時計をする方は、GALAXY Gearの大きさに、違和感を感じないかもしれません。

腕時計として、もう少し見て行きます。

バッテリの駆動時間は、サムスンによると、連続で25時間以上動作するとしています。電池で動作する腕時計とは比較対象になりませんが、機械式の腕時計の場合、一度、ゼンマイを巻けば、40時間は動き、自動巻の機能があれば、止まる心配がありません。GALAXY Gearの裏面には、五個の丸い端子があるので、専用の充電台を使うのかもしれません。これだと、電池切れになった時に簡単に充電ができないので、Qiに対応したり自力で充電できるような仕組みがあると、安心して使える時計になるはずです。

腕時計の場合は、アクセサリとして身につけるケースもあります。

たとえば、先駆けてリリースされた「Pebble」「WIMM One」と比較すると、GALAXY Gearの方が洗練されたデザインです。ただ、アクセサリとして見ると、デジタル腕時計のデザインから抜け出せておらず、イマイチ垢抜けない感じです。デザインもそうですが、ケースに使われている金属やバンドに使われているラバーのいずれも、素材が放つ美しさに欠けているので、これらの側面から購入をちゅうちょする方もいるかもしれません。

金脈を掘り当てることができるのか?

サムスンは、7インチタブレット「GALAXY Tab」やファブレット「GALAXY Note」の金脈を掘り当てた実績を持っているので、今回も、新たな金脈を掘り当てる可能性は十分にあります。

話題性はあるものの、メジャープレーヤが存在しないのがスマートウォッチで、ちょうど、iPodが登場する前夜のようです。Appleのコピーキャットと揶揄されたサムスンが、立ち上がり前のジャンルに製品を投入するのは、これまでになかった流れですが、素晴らしい製品であれば、瞬く間に世界を席巻する可能性はあります。今月末には、リリースされるようなので、使うのが楽しみです。

WIMM Labsは、Googleが買収していた

スマートウォッチのニュースをもう1つ取り上げます。

WIMM Labsと言う、Androidをベースのスマートウォッチを開発していた企業がありました。表現が過去形になっているのは、2012年に開発者向けとして発売していた「WIMM One」の発売を最後に、突如、活動を停止しました。

WIMM One。まだ、死んではなかった
WIMM One。まだ、死んではなかった
Google Acquires Smart-Watch Maker WIMM in Challenge to Rivals - Businessweek

立ち上げ当初から、WIMM One向けのアプリが開発できるように、SDKが公開されており、開発したアプリは、WIMM Labsが運営する「Micro App Store」に公開することもできました。筆者は、WIMM Oneを所有しているので、アプリをいくつか開発してみましたが、センスの良い手慣れたエンジニアが手掛けているのか、よくまとまった独自のライブラリ郡があり、アプリの開発も容易でした。

このWIMM Labsが、突如、活動を停止した理由は、Googleが買収したためでした。活動を停止した時は、非常に残念でしたが、Googleの買収後、WIMM Labsのメンバーは、Androidチームに合流しているという話もあるので、WIMM Labsの血を引いた製品がGoogleから登場してくる可能性があると思えば、うれしいニュースです。

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