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2013年9月第4週Quickoffice無料化で、その先に見えるもの…

Quickofficeが無料化されてGoogle Playストアに登場しました

Googleが2012年6月25日に買収した米Quickofficeの「Quickoffice」が、ユーザーインターフェースを刷新されて、9月19日にPlayストアから無料でダウンロードできるようになりました。

無料化されたQuickoffice。スマホ・タブレットの両方で利用できる
無料化されたQuickoffice。スマホ・タブレットの両方で利用できる
Official Enterprise Blog: Freeing Quickoffice for Everyone

Quickofficeは、Microsoft Word、Excel、PowerPointファイルの作成・編集・閲覧機能があり、ファイルの高い互換性を誇っていました。また、Officeファイル以外に、PDFの閲覧と注釈機能を備えています。作成したドキュメントファイルは、ローカルストレージ保存することもできますが、Googleのクラウドストレージサービス「Googleドライブ」にも保存できます。

本稿公開のタイミングでは、終了しているかもしれませんが、2013年9月26日までに、QuickofficeアプリからGoogleドライブにログインすると、追加ストレージ「10GB」が2年間無料で提供されます。無料分とあわせて、合計15GBのストレージ容量が無料で使えることになります。

Quickoffice無料化で見える動き

Microsoftは、同社のOfficeのモバイル版「Office Mobile for Android phone」を7月31日に公開しています(日本語版の提供はなし⁠⁠。また、AppleもiPhone 5s/iPhone 5cの発表に合わせて、iWorksの無料化を発表しており、モバイル向けのオフィススイートの覇権争いが激化して来ました。

こうしたモバイル向けのオフィススイートは、Microsoft Office互換アプリを主軸に、中小のアプリベンダによって開発されて来ました。ただ、機能制限があるアプリも多く、これを理解した上で活用できる人達のみが使っており、広く使われているワケではありませんでした。

しかし、MicrosoftやGoogle、Appleが参入したことで、状況が変わろうとしています。モバイル向けオフィススイートは、PCのオフィススイートで優位な立場にある「Microsoft Office」との互換性を焦点にしてきましたが、先の三社が提供するモバイルアプリは、Webアプリとの互換性やクラウドストレージとの連携機能など、モバイル環境で使うために、便利な機能が付加されています。

多くの人がMicrosoft Officeが持つような機能を必要としているワケではありませんし、外出先などモバイル環境で使うのであれば、基本的な編集と閲覧ができれば十分です。PCで仕上げ作業を行う時に、簡単にデータ連携ができて、機能のツボを抑えたアプリがあれば、十分とも考えることもできます。こうした切り口で見ていくと、Microsoftには、OfficeとSkypeDriveがり、Googleには、Google DocsとGoogleドライブ、Appleには、iWorksとiCloudがあります。いずれも、モバイルからPCへつながる流れをきっちりとフォローしています。

PCのオフィススイートは、Microsoftが圧倒的なシェアを得ています。

しかし、Quickofficeのようなモバイル向けオフィススイートの登場をきっかけに、モバイルでの利用が進めば、Microsoft Officeが圧倒的なシェアに変化が出てくる可能性があります。

迎え撃つMicrosoftは、さまざまな施策を取ると思われますが、今回リリースされたQuickofficeは、モバイル環境のアプリは無料、PC環境のGoogle Docsも無料で使える、Googleお得意の無料戦略です。他の二社が、どのようなアプローチを取るのか、これからの見所になりますが、向こう数年間は、激化するシェア争いが見られることになるはずです。

また、こうした動きが進めば、ノートパソコン並の画面を持つタブレットは、モバイルオフィスを使うためのデバイスとして認識されるようになるかもしれません。

Nexus 7に続けとNVIDIAがTegra Noteをリリース

そのタブレットは、Androidでいえば「Nexus 7」です。

これの2012年モデルにも搭載されていた、Tegraプロセッサを開発するNVIDIAが9月18日に、自社のTegra 4プロセッサを搭載する「Tegra Note」を発表しました。発売時期は10月で、北米、欧州、アジア太平洋、インドで発売されるとしています。価格は、北米で$199と2013年モデルのNexus 7よりも、$30安い価格設定になっています。

登場が楽しみなTegra Note。Nexus 7のライバルとなるか
登場が楽しみなTegra Note。Nexus 7のライバルとなるか
NVIDIA Reveals Tegra Note - Complete Tablet Platform, Powered by Tegra 4

Tegra Noteのスペックを簡単に紹介すると、200mm×120mm×9.6mmの本体に、7インチ1280×800ピクセルのLG製IPS液晶、1.8GHzのTegra 4プロセッサ、1GBのRAM、16GBのストレージ、前面30万画素・背面500万画素のカメラ、micro SDスロット搭載となっています。ディスプレイには、筆圧を感知する仕組みが搭載されているのが特徴です。

価格が2013年モデルのNexus 7よりも$30安いことと、筆圧を感知するディスプレイ、micro SDスロットなど、Nexus 7にはない特徴がいくつかあるので、Nexus 7のライバルとなるはずです。ただ、重量が347gで、重いのが気になりますが登場が楽しみなプロダクトです。

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