Android Weekly Topics

2014年10月第2週Android搭載車載システム最新動向

ホンダが車載インフォテインメントシステムにAndroidを採用

NVIDIAはパリモーターショーで、ホンダが欧州市場で2015年に発売する「Civic」「Civic Tourer⁠⁠、⁠CR-V」に搭載される車載インフォテインメント・システム「Honda Connect」に、同社のモバイル・プロセッサが採用されていると発表しました。日本の自動車メーカーでは、NVIDIAのプロセッサを採用するのはホンダがはじめてです。

Honda Connect。従来型のナビのようなユーザインターフェース
Honda Connect。従来型のナビのようなユーザインターフェース
NVIDIA、ホンダの新型インフォテインメント・システムに採用される | NVIDIA

Honda Connectには、OSにAndroid 4.0.4を採用していると公表されていますが、どの世代のTegraプロセッサーが搭載されているかは公表されていません。車載機にはタッチパネルが搭載されており、スマートフォンで慣れたピンチやスワイプでナビが操作できます。

Honda Connectは、従来のナビをAndroid OSで実現したようなつくりです。

しかし、⁠Handa Car Apps」からアプリがダウンロードできる、新しい側面も持っています。ただ、Playストアに接続するワケではないので、ダウンロードできるアプリは専用アプリで、スマートフォン用につくられたアプリが動くわけではなさそうです。

Honda Car Appsには、インターネットラジオアプリの他に、ガソリン価格検索や駐車場検索と思われるアプリが公開されている様子が見えます。アプリアイコンの右肩には「FREE」の文字が見えます。これから推測すると、将来的には有料アプリが公開されたり、サードベンダーのアプリが流通できるプラットフォームとなるのかもしれません。

Honda Car Appsのように、アプリをオンラインで入手できる仕組みをナビが持てば、新機能を持ったアプリや新バージョンのアプリの提供が柔軟になります。これまでは、クルマよりもナビの方が陳腐化する速度が早いのが当然でしたが、これを緩めることができ、長期間魅力が保てるナビとなるので、ユーザーにとっては喜ばしいことです。

使っているケータイでナビを選ぶ時代が来る?

ホンダは「オープン・オートモーティブ・アライアンス(OOA⁠⁠」に参加しています。今回の成果は、こうした枠組みによるものかもしれませんが、AppleのCar Play陣営にも参加しており、こちらは対応ナビのアナウンスがありません。

ただ、ホンダの純正ナビにも採用されている、パイオニアからCarPlay対応製品のカロッツェリア AVメインユニット「SPH-DA700」が10月中旬に、希望小売価格90,000円で登場します。もしかすると、これの派生品がホンダのCarPlay対応純正ナビに設定されるのかもしれません。

国内初のCarPlay対応製品
国内初のCarPlay対応製品
Apple CarPlay対応、カロッツェリア AVメインユニット「SPH-DA700」を新発売 | 報道資料 | ニュース | パイオニア株式会社

ホンダから発表されたAndroid搭載のナビは、従来のナビに近いもののように見えます。しかし、OOAの発足時に発表されたAndroid Autoの構想では、Androidスマホと密に連携して動作するナビで、Androidスマホを使っていることが前提のようにも見えます。AppleのCarPlayも同様のコンセプトで、iPhoneと密に連携して動作するナビです。

Android AutoやCarPlayのように、スマートフォンと密に連携するようなナビが前提になると、新車購入時のナビが、使っているスマートフォンによってAndroid AutoなのかCarPlayなのか、それとも従来型のナビかを選択するようになるのかもしれません。しかし、スマートフォンよりもクルマのほうが製品寿命が長いので、数年度、AndroidからiPhoneに乗り変えた時に、ナビが持つすべての機能を使えないといった、悪夢のような状況が発生するかもしれません。

普段使っているスマートフォンと同じ感覚でナビが使え、あたりまえのように情報共有ができれば利便性は格段に高くなりますが、スマートフォンを変えると、ナビがうまく機能しなくなるのは困りものです。早々に、車載機とスマートフォン間で情報交換を行うためのプロトコルでも制定して、こうした自体にならない動きを検討してくれると良いのですが、これから立ち上がろうとする製品なので、2世代目あたりでようなく動きがはじまる程度かもしれません。

今週は、このあたりで、また、来週。

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