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2014年11月第1週Androidの父、アンディ・ルービンがGoogleを退社

Androidの父、アンディ・ルービンがGoogleを退社

「Androidの父」とも言われる、アンディ・ルービン氏がGoogleを退社することになりました。今後は、ハードウェア関連のインキュベーターを設立するようです。

我々が知るアンディ・ルービン氏は、Androidとの関わりのみですが、どのような人物か探っていきます。

AppleからGeneral Magic、そして、Danger社を設立

アンディ・ルービン氏は、1989年に通信技術関連のエンジニアとしてAppleに入社し、翌年には、Appleの子会社として設立されたGeneral Magicへ移籍して、Magic Capの開発に関わります。アンディ・ルービン氏が関わったのは、インターフェースやOSとされています。General Magicは、2002年に破産し解散しています。

2000年には、Danger社を立ち上げて「Sidekick」という携帯端末の開発を手掛けます。

これは、ディスプレイを上にスライドすると、キーボードが現れるというギミックを持った端末でした。Zaurusのノウハウを活かして、端末製造をシャープが担当していたので、国内でも一部のマニアの間で話題になっていました。この端末に搭載されたいた「Danger OS」は、J2SEのサブセットでした。AndroidがJavaで開発するのは、Danger OSが関係していることは間違いないはずです。また、UNIX系のOSをコアとして使うところも同じです(Android OSはLinux、Danger OSはNetBSD⁠⁠。

Danger社は、2008年にMicrosoftに買収されますが、アンディ・ルービン氏は、2003年に株主の役員会決議で解任となり、自身で立ち上げた会社を去ることになります。

Android社を設立しGoogleへ売却

その後、2003年にAndroid社を設立します。

AndroidはオープンなモバイルOSで、古くさい携帯キャリアの体質に囚われずにイノベーションを起こすことを理念としていました。これにGoogleのラリー・ページ氏が共感し、買収を決めることになります。GoogleによるAndroidのはじまりは、ここからです。

2005年には、Android社をGoogleに売却し、GoogleでAndroidの開発を進めることになります。

しばらく表舞台に登場することはありませんが、再び現れるのはAndroid 1.0がリリースされた2008年9月です。世界初のAndroid端末はHTCの「HTC Dream」でした。これは、Sidekickと同様にディスプレイをスライドさせると、キーボードが現れるデザインでした。Sidekickと似たデザインを採用したのは、自分を追い出したDanger社に対する当てつけのようにも感じます。

その後、Androidは怒濤の勢いでバージョンアップを行い、2009年10月にはAndroid 2.0が登場します。同年には、いまのNexusシリーズのはじまりとなるスマートフォン「Nexus One」が登場します。これは、アンディ・ルービン氏が手掛けた端末とされており、ともに話題に上りました。また、同氏は製品に対して強烈なビジョンを持ち、熱狂的な開発スタイルであることから、スティーブ・ジョブズ2世とも呼ばれることがありました。

しかし、Android OSの断片化など、オープンなモバイルOSとして開発されてきた悪い側面が騒がれはじめたのもこの頃でした。その後、iPadへの対抗を急ぐためかタブレット専用として、2011年2月にAndroid 3.0がリリースされて、Androidを取り巻く状況は、ユーザーから見れば分かりづらいものになり、開発者から見ればやっかいなものに映るようになりました。2011年10月のAndroid 4.0リリースを機会に状況が整理されて、バージョンアップの速度も控えめになってきました。

平穏が訪れたかと思ったが……

ようやく平穏が訪れるかと思えば、2013年には衝撃が走ります。

「Androidの父」とまで呼ばれたアンディ・ルービン氏は、Androidの責任者の地位から外れ、ChromeブラウザーとChrome OSを担当していたスンダル・ピチャイがAndroid事業の指揮も兼任することになりました。この頃から、アンディ・ルービン氏がメディアに出る機会が少なくなり、久しぶりに登場したかと思えば、今回のニュースです。

アンディ・ルービン氏は、エンジニアでありながら起業家でもあるパイオニアの一人です。

今回のニュースでは、ハードウェア関連のインキュベーターを設立するとされており、一線から手を引くようにも見えます。もう、製品を手掛けることがないと思うと残念でなりません。

今週は、このあたりで。また来週。

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