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2015年1月第4週Tizen OSでAndroidアプリが実行可能に

Tizen OS搭載スマホで、Androidアプリの実行が可能に

SamsungがTizen OSを搭載したスマートフォン「Samsung Z1」をインドで発売します。

Samsung Z1 officially launched in India running Tizen, priced at Rs 5,700 | SamMobile

Samsung Z1は、Androidの基準で見ればローエンドレベルです。これだけならば、わざわざ取り上げるほどのニュースではありませんが、この端末と同時に、Tizen OSでAndroidアプリを動作させることができる仕組みが登場します。これは、Samsungが開発してTizenに、OSレベルで統合しているのではなく、米OpenMobileが開発している「Application Compatibility Layer(ACL⁠⁠」と呼ぶアプリを使います。

ACLの名前を初めて聞く人が多いと思います。名前に「Compatibility Layer」と入っているので、いかにもOSに統合されていそうですが、WindowsでAndroidアプリを動作させているのと同じ仕組みです。これの使い勝手は、こうした仕組みを意識させるものではありませんが、Tizen OS上でAndroidの仮想環境がアプリとして動作して、この上でAndroidアプリが動作しています。

OpenMobile ACL | Application Compatibility Layer

ACLは、もともとwebOSを搭載したHP TouchPadで、Androidアプリを動作させるものとして開発がスタートされました。このスタートもユニークで、Kickstarterを使って開発資金を調達しています。ACLは、2013年の5月に資金調達に成功して、2014年2月末にアプリがリリースされています。現在は、OpenMobileのサイトで1ライセンス29.99USドルで販売されています。

当初はwebOSのみを対象にしていましたが、対象をTizen OS、Windows、Linux、Ubuntu、Firefox OSまでに広げています。突如現れたようにも思えますが、こうした背景を持っています。Tizen OS用のACLは、Tizen Storeでダウンロードできるようになります。

Tizen OSのACLで動作するアプリは、沢山あるワケではなく数千個レベルとされています。これにTizenネイティブのアプリが加われば、まずまずの数になるのかもしれません。しかし、アプリの選択肢も端末の魅力のひとつと考えるであれば、Samsungがネイティブアプリの開発を促進する動きを取っても良いはずです。これをしないところを見るとACLを使って、市場の様子を伺っている可能性はあります。もうひとつ、新興市場のローエンド向けには、多くのアプリは必要ないと割り切っているのかもしれません。Androidアプリが重要ならば、Android Oneの端末をリリースするはずで、今回のSamsungの動きとOpenMobileの動きは関係ないのかもしれません。

LGがHPから取得したwebOSを使って、スマートウォッチを開発するなど、Samsungだけではなく、韓国の携帯メーカーは、自社でコントロールできるOSの育成に積極的なようにみえます。スマートフォンのハードウェアはコモディティ化し、差別化が難しくなっているので、余力のあるときに自社でコントロールできるOSを持つべく、先行投資を行っているのかもしれません。

超小型のAndroid端末「Mi Box Mini」が登場

CES 2015では、IntelがテレビのHDMIポートに差し込んで使えるステック型のPCにを発表して話題になりました。HDMIに挿すステック型の端末といえば、Androidが先んじたので、ようやくWindowsが追いついたという印象ですが、Androidでは、さらに小型の端末が登場します。

小米小盒子 - 小米手机官网

この端末は、中国メーカXiaomi製で「Mi Box Mini」です。

素のAndroid端末ではなく、Apple TVのようにテレビに接続して使うAndroidベースのセットトップボックスです。

大きさは小型のUSB充電機程度です。この中に電源を内蔵し、1.3GHzクアッドコアのCPU、メモリ1GB、.11n無線LAN、フルHD出力可能なHDMI端子を備えています。また、Bluetooth接続のリモコンが付属しており、リビングのテレビに接続して使うスタイルにも対応します。

ステック型の端末は、HDMIポートに直接差し込む使い方をするので、容易に設置できそうですが、HDMI端子の場所によっては端末がどこかにひっかかり、延長ケーブルを使わないと設置できないことがあります。また、電源を別途取る必要があるので、設置してみると綺麗にまとまらないこともあります。Mi Box Miniでも同様のケースは考えられますが、本体をコンセントに差し込んで、HIDMIケーブルを引き回すだけで良いのでステック型よりも設置しやすいかもしれません。なによりも、この大きさは魅力です。

価格は199元(約3,700円)なのも魅力です。

中国向けの製品で日本向けではありませんが、これにAndroid TVが搭載された物が発売されるのであれば使ってみたいものです。

今週は、このあたりで。また、来週。

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