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2015年4月第2週Apple Watch予約開始前日、Android Wearの今とこれからを考察する

本稿が公開される翌日の16時1分から、スマートウォッチの大本命と予想されているApple Watchの予約が開始されます。発売は、同月の24日なので登場するまでには時間がありますが、1年のリードを持つAndroid Wearは、強敵の挑戦を受けることになります。

この1年でAndroid Wearは大幅な進化を遂げて、生活に欠かせないものとなったわけではなく、あれば邪魔にはならない程度のものにとどまっているのが正直なところです。次回のアップデートでは、Wi-Fi接続とジェスチャーがサポートされると噂されており機能強化に力を入れていますが、腕時計としてみると足りないと感じる部分があります。どういったところが足りないと感じるのか、Apple Watchと比較しながらご紹介していきます。

腕時計であることを重要視するべき!

Android Wearは、Google Nowの情報を表示する端末として考えられ、腕時計の形をとったのは身に着けるものとして分かりやすかったからで、腕時計らしさやならではの楽しみを重視していなかった可能性があります。

たとえば、Android Wearは、ディスプレイを持った腕時計らしく、いくつかの文字盤を持っています。これは、バージョンを重ねるたびに新たな文字盤が追加されているのと、Playストアには無償・有償問わず、数多くの文字盤が公開されており、好みのものが選べます。

Apple Watchも多くの文字盤を持つようですが、腕時計だけで文字盤をカスタマイズできるところが大きく異なります。たとえば、アナログ表示の文字盤の場合、フォントや針の色など好みの設定にできます。腕時計だけでこうした要望に応えることができると、一日の間でも腕時計の雰囲気を何度か換えられるのは、新たな楽しみ方をつくり出すことになるかもしれません。

Android Wearの初期モデルは、色バリエーション程度しかなく、デザインも腕時計らしさに欠けるものばかりでした。腕時計には、ファッションと同じで「似合う」⁠似合わない」の基準があり、趣味・趣向が出るアクセサリの1つと見ることもできます。

唯一、Motorolaのmoto 360だけが、このあたりを上手くキャッチアップしています。moto360は、購入前にWebサイトで、ケースの仕上げやバンドの素材と幅、文字盤を好みのものにカスタマイズして発注できる仕組みがあり、最もパーソナルなAndroid Wearと言えます。Apple Watchもケースの形はひとつですが素材とベルトの素材・デザイン違いで、数十種類のバリエーションがあります。どちらも腕時計らしさを備えており、幅広いユーザにアプローチしています。

ガッカリするUIデザイン

Android Wearで最も改善を望みたいのが、ユーザインターフェースデザインです。ケースやベルトの素材やデザインに拘り、エレガントな腕時計になりにつれて、ポップなユーザインターフェースデザインが足を引っ張ります。

たとえば、きれいに磨き上げられたステンレスケースとベルトの腕時計に、エレガントなデザインの文字盤を組み合わせれば、腕時計として使う分には破綻がなく成立します。しかし、スマートウォッチとして通知を受けると、白い通知パネルが文字盤下を覆い隠して、せっかくの雰囲気を崩して破綻してしまいます。Android Wearは、ユーザインターフェースのカスタマイズが禁じられているのかどれも同じものばかりです。カスタマイズできる範囲を拡大して腕時計が持つ雰囲気を損なわないような配慮をすべきです。

Apple Watchは、ハードとソフトを同じ会社が手掛けるだけに、Android Wearのような破綻はありません。このあたりは、さすがと言うべき部分です。

Apple Watchのような多機能は望まない?

どちらかと言えばAndroid Wearは通知に特化したつくりで、Apple Watchは、はるかに多くの機能を持っており、小さなコンピュータが腕時計に封じこめられた印象です。

Apple Watchが持つ機能は、方法は違えどスマホで済んでしまうことも多いので、シンプルなつくりでわかりやすいAndroid Wearが再評価される可能性があります。IT機器は、機能重視のつくりになりがちですが、これよりも多くのバリエーションが望まれ、ファッション性が重要視されるかもしれません。

Googleは、TV CMで「みんなちがうから、世界はたのしい。」と題してキャンペーンを行っています。さまざまな選択肢があるからこそ、いまのAndroidがあるはずで、このCMはAndroidの現状をよく表しています。Android Wearも同じ道を辿っていけば、未来は見えてくるようにも思えます。

今週は、このあたりで。また、来週。

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