Android Weekly Topics

2017年1月第2週CES2017でお目見えしたAndroid関連新製品

新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

さて、年始めの目玉と言えば、ラスベガスで開催されるCESです。

Androidに関しては、Google I/Oや独自イベントで技術発表や端末がお披露目されるので、新しい情報が出ることはありません。しかし、Androidを使った車載システムに関して、メーカとの協業の成果がCESで公開されました。1つは、カーナビメーカであるパナソニックで、もう1つは、自動車メーカのFCA(フィアット・クライスラー・オートモービル)です。

パナソニックはAndroidを使った据え置きナビを開発

パナソニックは、クアルコムとGoogleの協力を得て、Androidベースの次世代車載システムの開発に取り組んでいます。

これは、ナビメーカーらしくAndroid Autoのようにスマホ画面をナビ画面に表示するのではなく、ダッシュボード据え付け型で単体で動作するシステムです。

これは、Android 7.0がベースでLTEモデムなども搭載します。また、システムを購入した自動車メーカは、希望のデザインや機能を追加できます。展開は、Androidケータイと同じ路線を検討しているのかもしれません。

FCAは、Androidを車載システムへ統合

FCAもGoogleと協力を行い、自社のクルマにAndroidを使った車載システムを搭載すると発表しました。

FCAは、この車載システムを「Uconnect」と呼び、Android 7.0がベースとなっているために既存のアプリとも互換性があります。また、ラジオやエアコンなど、これまでのAndrod Autoでは範疇外だった部分も制御対象としており、一歩踏み込んだ形での統合となっています。

Uconnectは、Google Assistantが使えるとがアナウンスされています。GoogleマップやSpotifyなどが音声制御できるので、これでナイトライダーの世界に一歩近づきました。

車載方法は、Android Autoのようなケーブル接続だけではなく、ダッシュボードの独禁ステーションにスマホがセットする方法もあるようです。

すでに、メルセデスのSmartが搭載している「スマート・クロス コネクト」は、似たようなもので新しい試みではありませんが、Uconnectの方は、よりスマホの世界観をクルマに持ち込んだものになりそうです。

クルマとスマホが親密な関係になるメリット

今のように分断されたシステムではなく、1つのシステムとして動作すれば、音楽だけでなく、メールやニュースなども自然な形でクルマの中に持ち込めます。車内のセカンドディスプレイに、HuluやNetfixを映し出して楽しむのは当然なるかもしれません。また、逆も考えられて、クルマから得た走行情報、たとえば、走ったルートをドライブレコーダーの画像と供にふり返ることもできるはずです。

情報がスマホに集約されれば、操作系も集約されるので、物理スイッチを操作したり、タッチパネルで操作するといった不揃いなままの操作系も解消されます。また、クルマを乗り換えるたびに、ナビに入れた情報を無駄にすることはありませんし、レンタカーに持ち込むのも簡単です。

毎年、CESの時期になるとこうしたコンセプトが提唱されますが、スマートに実現しているメーカはいまだに存在しません。話題の自動運転は、この先にあるものだと感じています。また、人が使うので、技術的に可能でも一足飛びの進歩は多くの人にとって恐怖心を覚えます。今回のように、過程を追った進化も悪くないはずです。

クルマ屋はクルマをつくるだけになるのか

ITが関連する部分は、Google頼みと言った感がありますが、自動車メーカが改善の努力を怠っていたことはないはずです。

ただ、足元の利用者は、燃費などの経済性にはじまり、どれだけ乗車できるかの積載量、そして外観や走行性で、ようやくカーナビなどのインフォメントシステムの順でクルマ選びをするために、自動車メーカとしては優先順位が低いだけなのかもしれません。

ここで、これまで以上のユーザエクスペリエンスをGoogleが提供すれば、Googleが使えるからの理由で選ばれることになり、今の携帯電話業界と同じで、クルマ屋はクルマをつくることに特化する構図が将来は産まれる可能性もあります。

最後は飛躍しましたが、手前の不便を解消しながら、未来の可能性を提示できるメーカでしか生き残れないのは確かで、Android Autoをキッカケとして、どこに変化が生じてくるのか楽しみです。

今週は、このあたりで、また来週。

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