先週に引き続き、今週もGoogle I/Oで発表された内容に触れていきます。
Android Studio 3.0 Canary 1がリリース
Google I/Oに合わせて、Android Studio 3.0 Canaryがリリースされました。
原稿執筆時点では「Canary 3」が最新版です。
Android StudioのPreferences > Appearance & Behavior > System Settings > Updateで「Automatically check updates for」を「Canary Channel」に設定して「Check now」をクリックすることで、最新版がダウンロードできます。
Android Studio 3.0では、以下の機能が追加されています。
- Kotlinのサポート
- Java 8言語機能とAPIサポートの強化
- Layout Editorの強化
- アダプティブ アイコン ウィザードの追加
- XMLフォントとダウンロードフォントをサポート
- Android Thingsのサポート
注目は、Androidアプリ開発の第一級言語としてサポートされた「Kotlin」のサポートです。
KotlinはAndroid Studio 2.xでも使えます
KotlinはAndroid Studio 3.0だけでなく、安定版のAndroid Studio 2.3.2.0でも使えます。これで使うには、Android Studio > Preferences > Pluginsで、「Install JetBrains Plugin」をクリックして「Kotlin」を選んでプラグインをインストールします。
開発段階の開発環境を使うのは敷居が高くなりますが、これだと既存の環境を壊す心配もなく手間なく導入できて気軽に試せます。
Kotlinとは
Kotlinは、IntelliJで有名なJetBrains社の研究所で生まれたプログラミング言語です。2011年7月20日に発表されて2012年2月14日には、Apacheライセンス バージョン2.0に基づいてオープンソース化されています。
Kotlinは、静的型付けのオプジェクト指向言語で、Javaより簡潔でより安全にコードが書けるように配慮された実用的な言語です。また、Javaが互換性を維持のために実現できていない機能や有用と思われる実装予定機能も採用しています。
Kotlin 1.0がリリースされたのは2016年2月と比較的最近です。
リリース時のブログエントリでは、バグを減らすための実用的な言語であることが強調されています。安全にコードが書けるという意味では、Pascalを最初に知ったときに受けた印象と同じです。
はじめてのKotlin
Kotlinの言語リファレンスは、以下に公開されているので興味のある方は参照してください。
言語仕様は面倒な部分が少なく、どこかで見たことがある部分が多いので、短時間で使えるようになりそうです。また、gihyo.jp(初出『Software Design』)でも長澤太郎さんが「プログラマに優しい現実指向JVM言語 Kotlin入門」として、6回にわたって初めての方向けに解説を書かれています。
また、Kotlinの公式サイトでは、ブラウザー上でコードを書いて実行できる環境が公開されているので、どんなものかすぐに試してみたい方はオススメです。
これまでJavaで書いたコードがどうなるか気になる人も多いと思いますが、Kotlinは、Javaと相互運用できるので、これで書かれたプロジェクトに、Kotlinで書いたクラスを混ぜていくこともできます。kotlinは魅力的なプログラミング言語です。Googleのお墨付きも得られているので、この機会に使ってみるのはいかがでしょうか。
今週は、このあたりで、また来週。