Android OはAndroid 8.0で決定
Googleが開発者向けに提供しているAndroid Oの最新ビルド「Android Developer Preview 3」のシステム情報で、Android Oのバージョンが「8.0.0」と表示されたと米9TO5Macが報じました。
Android Developer Preview 3が提供された端末は以下の6機種です。
- Nexus 5X
- Nexus 6P
- Nexus Player
- Pixel
- Pixel XL
- Pixel C
Android O発表時のリリーススケジュールでは、今回のDeveloper Preview 3は、APIがすべて実装されているバージョンです。試しに使うレベルから、試しにアプリが開発できるレベルになりました。また、Android O向けに開発したアプリは、Playストアにβ版としても公開できるようになります。
この後、Developer Preview 4がリリースされ、Final Releaseに続きます。Final Releaseは夏の終わり頃とされています。同じタイミングで、新しいPixelもリリースされるはずです。
Android Oでは、Hiroshi Lockheimer氏が煽りのツイートしないのでコードネームに関わるニュースが話題にはなりません。もしかすると、Oreoが規程路線で余計な煽りを控えているのかもしれません。
新しいモジュラーベースのアーキテクチャ「Project Treble」への期待
Android Oのリリースが迫ってくると、いま使っている端末がアップデートされるのか、アップデートされるならばいつ頃になるか気になります。たとえば、アップデートの遅い端末だと、次期OSがリリースされる少し手前、ようは1年後というケースもありえます。
Googleは、こうした状況を解消して、迅速にアップデートが提供できるように、新しいモジュールベースのアーキテクチャをAndroid Oから採用します。これを「Project Treble」と呼びます。
Project Trebleでは、QualcommやMediaTekなどのSoCベンダーが自社ハードウェア用に実装するソフトウェアの部分をOSのフレームワークから切り離すことで、上位層から、アプリ層、コアOS層、ハードウェア層の3階層に切り分ける仕組みです。いま頃こうした話しが出てくるのは、これまでハードウェアを抽象化するレイヤーが明確に存在しなかった裏返しです。
各層がきっちり分離されれば、ハードウェア層より上がアップデートされても、ここへの影響が最小限にとどまるので、アップデートまでの時間が短くなるという考えです。
互換性の担保は、異なるデバイスで同じアプリを動作させるために互換性のテストを行う「Compatibility Test Suite(CTS)」と呼ばれる仕組みのハードウェア版とも言うべき、Vendor Test Suite(TVS)と呼ばれる仕組みで行われます。これを行うことで、SoCベンダーが実装する部分の互換性を検証します。
Project Trebleは、Android OからなのでAndroid 7.xの端末は対象になりません。
既存端末がAndroid Oにアップデートされれば、次回のアップデートからProject Trebleの恩恵を受けます。
ハードウェア層が分離されることで、アップデートだけではなく最新のAndroidを搭載する端末が増える可能性もあります。いまだ、Android 5.1を搭載して登場する端末がありますが、来年の今頃は、こうした端末もなくなるはずなので、地味ながら期待できる取り組みです。
今週は、このあたりで、また来週。