デベロッパ向けにAndroid 8.1を提供開始
10月25日にGoogleは、Android 8 Oreoのマイナーバージョンアップ版となる、Android 8.1 Developer Previewの提供を開始しました。
Android 8.1の目玉は、端末で機械学習を行うAPI「Neural Networks API(NN API)」です。
このAPIは、ハードウェアアクセラレーションを使って推論演算を行い、TensorFlow LiteやCaffe2などの機械学習フレームワーク向けの基礎レイヤとして設計されています。この場合、データが端末内で処理されるのでネットワークを介することはなく、これへの負担軽減と実行時間を減らせます。また、個人が傾向や特徴が知ることのできるデータがサーバーにアップロードされず、端末内にとどまるのもメリットです。
NN APIは、端末に専用チップがあれば使い、なければCPUを使うように設計されています。Google Pixel 2には、Pixel Visual Coreが搭載されており、Android 8.1でこれが有効になると言われています。また、HuaweiのKirin 970にもニューラルプロセッシングユニットが搭載されているので、これもNN APIを使って活用できるようになるはずです。
NN APIは目新しく話題の分野なので注目が集まりますが、これ以外の機能追加も行われています。Android 8.1では、Shared Memory APIが追加されました。これは、メモリへのアクセス権限を管理する仕組みを持っています。慎重に開発することが前提にはなりますが、パスワード管理アプリなどで使うことも考えられそうです。
他にもRAMが1GBを満たないAndroid Go端末を対象として、メモリの最適化が行われています。また、Autofillフレームワークが拡張されて、パスワード管理アプリから使いやすくなります。
Android 8.1 Developer Previewの対象端末は、Pixel、Pixel 2シリーズ、Pixel CとNexus 5X、Nexus 6Pです。リリース版は12月の公開予定ですが、この前にBeta 2が11月中旬に公開される予定です。
Googleアシスタント対応スピーカが登場、対応アプリ開発のドキュメントも公開
10月26日に、ソニーがGoogleアシスタントに対応したスマートスピーカ「LF-S50G」を12月9日に発売すると発表しました。
Google Homeは国内展開が始まったばかりですが、Googleアシスタントに対応したサードベンダの製品が早くも登場しました。Google Homeのスピーカの音質に幻滅した方は、ソニー製のスピーカであれば音質は期待できるはずなので、音楽を楽しむ用途にも期待できます。価格は2万5,000円前後です。
これは360°スピーカでBluetooth対応、IPX3の防滴性能にも対応しています。
また、本体に時計表示機能があるなど、Google Homeをよく研究している印象ですが、バッテリで駆動しないのが残念です。これがバッテリ駆動であれば、早くも決定版とも言える製品でしたが次のモデルに期待です。
Google Home対応製品の増加とともに対応アプリも増えています。
10月24日にGoogleは、Google Developers Japanブログで、Googleアシスタント対応アプリの開発方法を説明したエントリーを公開して、対応アプリを増やす施作を行っています。
公開されたエントリは、動作概念、開発方法からアプリ公開までの流れを示した入門書のような内容です。これから対応を検討している開発者には良い手引きになるはずなので、気になる方はエントリを読むことをおすすめします。
今週は、このあたりで、また来週。