Android 8.1 Oreoをローンチ
12月5日、GoogleはAndroid 8.0 Oreoのマイナーアップデート版であるAndroid 8.1 Oreoを正式リリースしました。これのリリースは、Pixelシリーズ、Nexus 5X、Nexus 6P、Nexus Playerに向けてロールアウトされます。
Android Oreo(Go edition)もローンチ
Android 8.1 Oreoのリリースに合わせて、ローエンド端末向けの「Android Oreo(Go edition)」のローンチも発表されました。
これは、Google I/O 2017で発表されたもので、スマホの普及率が低い新興国向けのAndroidで、次の10億人のユーザを狙ったものです。Go editionは、専用端末に最適化されており、1GBよりも少ないメモリ容量で動作して、Android 7.0との比較でストレージ使用量も半分に抑えられます。
ハードウェアへの要求リソースが低いので端末価格も抑えられることになり、Google I/Oの説明では100USドル以下になるとされています。Go editionに最適化された端末のリリースは、2018年の早い段階とされているので春ごろには実売価格が判明しているはずです。
Go editionには、アプリサイズや通信量が最適化されているアプリ、Google Go、Google Assistant Go、YouTube Go、Google Maps Go、Gmail Go、Gboard、Google Play、Chrome、Files Goが搭載されています。アプリ名の最後に”Go”と付く名前が採用されており、最適化されたアプリであることがわかりやすくなっています。
また、搭載されているPlayストアは、Go editionに最適化されたアプリがお勧めされる仕組みも用意されており、全包囲網でサポートしています。他、データ通信を節約する機能が搭載されて標準で有効になっています。
ハード・ソフトの両面から最適化を行っている
Googleは、ソフトウェアの最適化に力を入れただけではなく、ハードウェアの最適化にも力を入れており、台湾のファブレス半導体メーカーのMediaTek, Incと協力してGo editionが同社のSoC(MT6739, MT6737, MT6580)で、快適に動作するようチューニングする協力体制をとっています。
MT6739であれば、Cortex-A53 x 4 1.5GHz、PowerVR GE8100のGPUを搭載し、1440×720のディスプレイ解像度、3GBまでのメモリをサポートしています。これと同等のスペックを持つ端末には、フルスペックAndroidが搭載されていますが、2018年には多くがGo editionを搭載し、端末価格が今までの200USドルからさらに安くなるので、2018年は安かろう悪かろうの定義が通じなくはずです。
Go editionは、アプリから見れば特別なOSではありません。
よって、必ずしも専用アプリを開発して対応する必要はなく、Go edition端末でも動作することを意識して開発することで対応できる可能性があります。もともと、さまざまなサイズの画面やメモリを考慮していれば、凝ったユーザインターフェースの排除や、バッテリーや通信へ負荷を考慮することで、Go edition端末でも快適に動作する可能性があります。
Googleは、ガイドラインを公開しているので一読することをお勧めします。
生活の一部となり世界中に溶け込んでいく
Android Oreo(Go edition)は、最新モバイル環境を世界中のあらゆる人に届けるだけではなく、インターネットにアクセスできる環境も提供します。この結果、Androidがあたりまえのものとして生活に溶け込んでいき、結果として世界中にAndroidが溶け込むことになるはずです。
これまでのコンピュータの歴史で、これだけ多くのユーザをターゲットにしている同一プラットホームは他にありません。アプリ開発者は広い視野と考え方を持つことで、新たなキッカケを得ることができ、知らなかった世界に飛びたてる可能性があります。ぜひ、次の10億人にアプローチするイメージを膨らましつつ、アプリ開発にチャレンジしてください。
今週は、このあたりで、また来週。