Androidを取り巻くスマートウォッチ事情
誰が使っているのか?と陰口を言われることもありますが、Android Pの背中を追うように、次期バージョンWear OSの開発が進められているので、この内容と周辺状況を織り交ぜながら取り上げていきます。
Google I/O 2018の前にアップデート実施
Google I/O 2018の開催目前に、静かなアップデートが実施されました。
このアップデートでは、Wear OSで動作しているGoogleアシスタントがアップデートされて、実行したコマンドの後に状況に応じた追加コマンドを画面に提示する「スマートサジェッション」が搭載されています。たとえば、Googleアシスタントに天気を確認すると、追加で明日の「天気を確認するか?」と問いかけてくるような仕組みです。また、Googleアシスタントへの問いかけの返答は、Bluetoothでペアリングしたイヤホンやスピーカーで確認できるようにもなりました。
Google I/O 2018では、これ以外の隠し球があるのではと期待されましたが、事前に実施されたアップデートの内容紹介にとどまりました。
元気の良い中国メーカ
Wear OSもAndroid P同様に開発者向けプレビューが公開されており、原稿執筆時点では6月11日に公開されたWear OS Developer Preview 2が最新です。
このアップデートでは、Actions on Googleのサポートやバッテリセーバーモードが強化されています。
バッテリセーバーモードは、時計モードになると電源効率の良いウォッチフェイスが使われて、無線通信やタッチパネル、傾けて時間表示の機能などを無効にして積極的な電源管理を行います。サイドボタンを長押しすれば、時計表示モードから通常モードに復帰します。
Wear OS Developer Preview 2は、Huawei Watch 2 Bluetooth、Huawei Watch 2 Classic Bluetoothの2機種のみで試せます。
Wear OSに対しては、Huaweiしかり中国メーカの元気が良くて、コストパフォーマンスに優れた「Ticwatch E」をリリースするMobvoiは、今夏にもWear OSを搭載した「TicWatch Pro」を$300でリリースすることをアナウンスしています。
これは、バッテリ消費の高いカラーディスプレイのうえに、透明ディスプレイを重ねた構造で切り替えられるようになっています。透明ディスプレイには、時刻の他に歩数などのフィットネスデータが表示できます。透明ディスプレイをうまく使うことで、バッテリは2日程度持つとされています。さらに、Essential Modeにすると、Wear OSをシャットダウンして、純粋な腕時計として動作するようになり、バッテリ寿命は30日にも伸ばすことができるとされています。
次期Wear OSのリリース時期は?
次期Wear OSのリリース時期は、明確にされていません。ベースOSのAndroid Pのリリースが今秋とされているので、これよりも後のタイミングになることは予想できます。
以前からGoogleは、独自のスマートウォッチ「Google Pixel Watch」を開発している話が出ており、これが登場するのであれば開発中のWear OSが搭載されることになるはずです。
Samsungは、Android Wearの立ち上げ時には搭載端末を販売していましたが、途中からTizen OSを搭載する独自のスマートウォッチ「Gear S」シリーズを販売しています。これは、Apple Watchの次に売れているスマートウォッチと言われており、筆者も愛用していますが非常に良くできていて満足の高いスマートウォッチです。
これの最新作「Gear S4」がGalaxy Note 9と供に8月には発表されるだろうと言われています。Samsungは、Wear OSを搭載した端末をリリースするという話もあるので、8月発表が本当であればTizen OSが搭載された端末になるはずです。
スマートウォッチは、Apple Watch以外、認知度が極端に低くなかったことになっているのが事実です。これの後釜を狙って高付加価値を追求するのも悪くありませんが、毎年買い換えできるような安価なモデルやデザインコンシャツな端末の登場にも期待したいです。
今週は、このあたりで、また来週。