Android Weekly Topics

2018年10月第1週Googleフリーの「/e/」リリース

Googleフリーの「/e/」がリリース

Googleのサービスが切り離された、GoogleフリーなAndroidベースのOS「/e/」がリリースされました。

Androidは、位置情報の収集をユーザが無効にしても情報を収集し続けていることが分かり問題になりました。生活に密着したスマホで、このような行為が社会的な問題になるのは当然で、いまや利便性のためだけでは済ませられる話しではなくなりました。/e/は、Androidが収集している位置情報やメールデータなど、ユーザのプライバシーに関わる情報を収集しないOSを目的に開発されています。

ただ、代替サービスの検討は必要で、現時点では以下のサービスやアプリが採用されています。

  • 位置情報サービス: Mozilla Location Service
  • メールクライアント:K-9 Mail
  • SMSクライアント:Signal

/e/のGoogleフリー化にはまだ課題があり、利用するDNSやマップなど代替が必要なようです。また、Googleにデータを送信しているアプリがないかの調査も継続して行われており、こうしたアプリが発見されれば、代替アプリに置き換えられるなどの対策が取られるはずです。

Googleのサービスは、ある程度の個人情報と引き換えに、サービスを無料で利用する権利を得ているのでクリーンとは言えません。こうした状況を意識していれば使い方を工夫できますが、こうした状況を知らない人も多くいるはずなので、/e/が登場するのは当然の流れとも言えます。

/e/は、実績のあるLineageOSをベースに開発が進められています。

現段階でもEssential PhoneやGoogle Nexus 4, 5、OnePlus 3/3T, 5、Samsung S7など多くの端末がサポートされています。

ただし、オープンソースなので将来にわたりプロジェクトが活発な継続されていくかという点では不安が残ります。プロジェクトのページでは、Contributorsを募っているので、GoogleフリーなAndroidの開発に興味のある方は参加してはいかがでしょうか。

Samsung Tizen搭載のスマホ開発から撤退

Samsungが独自OSのTizenを搭載した、スマートフォンの開発から撤退すると報じられています。

Tizenスマートフォンは、インド向けのミッドレンジスマホ「Samsung Z4」が2017年5月に発売されたのが最後です。当時も曖昧なポジションのスマホとされていましたが、結局、インドではポジションを得られずに新興国向けのスマホにもAndroidを搭載しています。

このようにスマホ向けのTizenは、事実上は終わった状況だったので今回の報道も驚きに値しません。Firefox OSしかり、スマホの市場で戦えないとなると、IoTに活路を見いだすのがお決まりの流れになっています。Firefox OSは、IoTでも芽が出ることはなかったのですが、これを引き継いだKai OSがフィーチャーフォン用OSとして活躍の場を得ています。

Tizenも家電やIoT向けのOSとして、注力していくと見られています。

Samsungは家電を開発しているので、自社でコントロールできるOSを搭載するのは現実的な流れです。こうなれば、使われているOSが何かと意識するユーザはおらず、アピールするのもナンセンスなので願ったり叶ったりかもしれません。

国内で入手できるTizen搭載の製品は、Samsungのスマートウォッチ「Galaxy Gear S3」です。新たに発売されたGalaxy Watchにも搭載されています。

Galaxy Gear S3を1年以上愛用して不満を感じなかった身として、Tizenをスマートウォッチ用OSとして全面的に押していくのもアリではないかと考えています。これであれば、独自アプリが開発できる枠組みも活かせます。皆さんはいかがでしょうか。

今週は、このあたりで、また来週。

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