世界初の折りたためるスマホ「FlexPai」が発表
10月31日、中国メーカRoyoleが手帳のように折りたためるスマホ「FlexPai」を発表しました。
折りたたみスマホと言えばSamsungです。
Galaxy Xと呼ばれる端末は開発中であるとされており、年内には発売されるのではないかと言われていますが、Samsungに先んじて中国メーカのRoyoleが発表しました。いまのところ、発表だけで発売日は公言されていないので、物が出てくるのはSamsungの方が先かもしれません。ただし、Webサイトでは端末の予約販売を開始しており価格は1,588USドルからです。
やっぱりディスプレイが気になる
スペックを見ていきます。
話題の中心になっている折りたためるディスプレイは、開いた状態で7.8インチの4:3のアスペクト比、解像度は1920×1440です。
180度に折りたたむことができ、この状態で外側にディスプレイが配置されます。この状態で、プライマリディスプレイと呼ぶ表側が810×1440、セカンダリディスプレイと呼ばれる裏側が720×1440の解像度です。また、折り目の部分、本で言えば背表紙になる部分もディスプレイで、ここは390×1440の解像度です。
折りたたんだ状態で3面のディスプレイを持ちますが、切れ目のない全面AMOLEDなのが技術的には大きなジャンプアップです。
搭載メモリは6GBまたは8GB、ストレージは126GB、256GB、512GBです。
SoCは、Qualcomm Snaodragon 8 seriesとされていますが、2019年の前半に登場予定のSnapdragon 8150ではないかと言われています。カメラは、16MP+20MPの2眼で光学式のスタビライザが搭載されています。nano SIMが2スロットあり、LTEは、B1 / B3 / B4 / B5 /B7 / B8 / B12 / B34 / B38 / B39 / B40 / B41のバンドに対応しています。
搭載OSは、Android 9.0をベースに独自拡張がされたWater OSです。
これに関する詳しい情報はありませんが、先のディスプレイを扱うための拡張がされていると考えられます。
課題はどう活用するか
開いた状態ではタブレットなので、Androidタブレットとして活用するのは最もわかりやすいです。
課題は折りたたんだ状態です。折りたたんだ状態で持ち運べるタブレットとして使うこともできますが、Royoleは先で触れた本の背表紙にあたるディスプレイに、電話やメールなどの通知を表示することを提案しています。ちょうど、Galaxy Sシリーズのエッジディスプレイのようです。また、プライマリとセカンダリのディスプレイは、カメラで人物を撮影する時に、撮影内容を両方のディスプレイに表示して、自分だけではなく相手にも見せる提案も行っています。
いずれも、2つ折りのディスプレイでなければ実現できず、困るようなことではないので、ディスプレイ技術をどう活かすべきなのか悩んでいるようにも見えます。とくに背表紙にあたるディスプレイは、先行してエッジディスプレイを搭載したGalaxy Sシリーズも活用しているとは言えないので苦しい提案に感じます。
この端末は、ソフトエンジニアとして頭の捻りどころかもしれません。
一方を表示スペースとして、もう一方を作業スペースとして使う方法や、片方のディスプレイの内容をミラーリングする方法は古くから提案されているので、これを突き詰めても出来てあたりまえでいまさら感があります。
筆者は、電子書籍のビュワーとして使うのもおもしろいかと考えています。
本を読むのは、折りたたんだ状態で読めても良いのですが、読みづらくなるだけなのと、ディスプレイを広げた状態で読む方が効率が良いです。
ではなく、電子書籍ビューワーを起動している状態で、ディスプレイを折りたたむと本の表紙・背表紙・裏表紙をそれぞれのディスプレイに表示するのが面白いかもしれません。これであれば、常時点灯していても消費電力が低いAMOLEDの特色が活かせます。
電子書籍でも最初と最後のページに表紙・裏表紙が表示されますが、紙の本のように常に目に止まるものではないのと、背表紙にいたっては無くなっています。
本が電子化されたことで、購入方法や流通などユーザ側には多くの利便性をもたらしましたが、表紙の類に関しては失われつつあるものの1つです。こうした、折りたたみディスプレイがあれば、紙の本で得られた体験を復活できるのでおもしろいかもしれません。とは言え、これをしたいがために1,600USドル近い価格の端末を買うのは、なかなか勇気が必要です。
今週は、このあたりで、また来週。