2018年も終盤を向かえていますが、2019年は折りたたみディスプレイの端末以外にも面白そうな端末がいくつか登場するので、ピックアップして紹介します。
クラムシェル型の端末「Cosmo Communicator」が出資受付中
タッチパネルのスマホが全盛となる前は、キーボードを搭載した端末もバリエーションとして存在しており、古きを知るユーザならば懐かしいと感じるひとも多いはずです。ターゲットはこうしたユーザなのか、クラムシェル型のモバイルコンピュータ「Cosmo Communicator」がIndiegogoで出資を募っています。
これは、Gemini PDAを開発したPlanet Computersの新しい端末です。
前作同様、クラムシェル型でメインディスプレイと物理キーボードを備えています。これに加えて天板に2インチのタッチディスプレイを備えており、ここにも情報を表示するので、ディスプレイを閉じたままでも操作ができて、小さなコンピュータとしてだけでなく通話端末としても使えるのが美点です。
ひと昔前はおおがらな端末を手にして通話する姿は異様でしたが、Pixel 3 XLの高さが15.8センチで、Cosmo Communicatorは17.14センチです。スマホが大型化しているので、これで通話してもいまでは普通にしか見えないはずです。
OSはAndroid 9 Pieを搭載します。オプションでSailfish OSやDebianが選択できます。Androidも基盤がLinuxとは言え、アプリケーションレイヤは異なるので、Sailfish OSやDebianでAndroidと同じ動きを保証できるのか気になります。
Gemini PDAのときは、Psion Series 5のハードウェアデザインをしたMartin Riddiford氏が関わっていることでも話題になりました。Cosmo Communicatorのハードウェアデザインもそれを踏襲していますが、Gemini PDAのときにあったディスプレイを開くと、背面の一部がせり出てスタンドになるようなギミックは搭載されていないように見えます。
こうしたギミックはPsionの特徴だったので、今回はMartin Riddiford氏の関わりが少し弱くなっているのかもしれません。しかし、Indiegogoのキャンペーンページには、同氏が端末を手にして笑う写真が掲載されているので、関わっているのは間違いなさそうです。
出荷予定は2019年5月です。この枠は出資の受付を終了しており、現在は、2019年6月出荷予定の枠が出資を募っています。
GoogleがPixel 3シリーズの廉価版を準備中?
GoogleがPixel 3シリーズの廉価版と見られる「Pixel 3 Lite」を準備しているのではないかとされています。
これは、Pixel 3と似たサイズとデザインでノッチはありません。背面に指紋認証のセンサーが搭載されているのもPixel 3/3 XLと同様です。
ディスプレイは、OLEDではなく液晶でサイズが5.56インチ、解像度は2,220×1,080です。SoCはQualcomm Snapdragon 670、RAMは4GB、ストレージは32GBです。以下に、スペックをまとめておきます。
- Android 9 Pie
- 5.56インチ IPS 2,220×1,080
- Snapdragon 670
- 4GB RAM, 32GBストレージ
- 12MPメインカメラ、8MPフロントカメラ
- 2,915mAhバッテリ
- イヤフォンジャックあり
ミドルレンジのSoCと液晶ディスプレイが使われており、コストダウンされていることがスペックからも読み取れます。ただ、イヤフォンジャックに関しては、Bluetoothイヤホンを所有していないユーザがターゲット層なのか、コストダウンの対象から外れています。
Pixelブランドなので、アップデートはGoogleが面倒を見るはずです。
廉価版と言えPixel 3 Liteは、中華端末のように2万円台の価格設定にはならないと思いますが、SamsungやHUAWEIなどミッドレンジ端末を販売するメーカにとっては大きな脅威となるはずです。
フラッグシップ端末は、10万円をさらに上回る価格になりました。このぶり返しで、価格高騰の要因となる新機能や新技術を優先事項とせず、品質やデザインを優先する端末が2019年のトレンドとなりそうです。
今週は、このあたりで、また来週。