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2019年3月第2週Androidで動作するLinux「Maru OS 0.6.6」

Androidで動作するLinux「Maru OS 0.6.6」がリリース

少し古い話ですが、Androidで動作するLinuxベースのOS「Maru OS v0.6.6」がリリースされました。

Maru OSはAndroidベースのカスタムROMです。

Maru OSはAndroidとDebianを一体化したもので、HDMI経由で外部ディスプレイに接続するとLinuxのデスクトップ環境が利用できます。2016年からオープンソースで開発進められており、v0.6.6はv0.4に続く最新版です。

v0.6.6からは、ベースとなるAndroidがAndroid Open Source Project(AOSP)ベースからLineageOSとなり、Android 6.0.1 MarshmallowからAndroid 8.0.1 Oreoにアップデートされて、比較的新しいAndroid環境が利用できるようになりました。また、Maru Desktopと呼ぶLinuxのデスクトップ環境もDebian 8(Jessie)からDebian 9(Stretch)にアップデートされているので、こちらも最新のソフトウェアパッケージが利用できます。

これまでは、外部ディスプレイの接続にHDMIアダプタを使う必要がありましたが、新しバージョンからはChromecastにも対応します。キーボードとマウスは、Bluetoothで接続しており、これに加えてディスプレイもワイヤレス接続されるようになり使いやすくなりました。今後は、Miracastへの対応も予定をしているようです。

Maru OSのウェブサイトでは、Nexus 5とNexus 5Xのパッケージがダウンロードできます。ベースOSがAOSPからLineageOSになり、他の端末でもMaru OSを利用できるとしています。まだ、パッケージは公開されていませんが、Samsung Galaxy S9+のドキュメントが用意されているので、近々パッケージの公開を予定しているのかもしれません。

Samsung DeXやSuperbookなど同じコンセプトの製品がある

ディスプレイを接続すればデスクトップ環境が使えるのは、Windows 10 MobileのContinuumと同じコンセプトです。他は、Samsung DeXなどをもあります。少し毛色は違いますが、Sentio Superbookのようにケーブル接続で、スマホをラップトップのように使えることを使える製品が存在しています。

このSuperbookを筆者は所有しています。

スマホがPC並の性能を持つようになったのと、環境がひとつになればクラウド経由でデータを同期する手間もなくなると考えて購入しました。Superbookは、Androidアプリをそのまま実行できますが、アプリの多くがキーボード・マウスを前提した作りになっていないのと大きな画面にも対応していません(DPIの変更で調整はできますが、スマホの場合に不自由します⁠⁠。

筆者の利用環境では、我慢しながら使うことが多かったので結局は使わなくなりました。Superbookを使った印章は、ノートPCとよく似た恰好のデバイスをスマホと一緒に持ち歩くのであれば、本物のノートPCを持ち歩いた方が快適との結論に達しています。

Maru OSは、モバイルではAndroid、デスクトップではLinuxと別環境なので、それぞれで最適化されたアプリが使えます。ただし、同じアプリではないのでデータの分断が発生します。これでは同じにする意味は薄れるので、スマホとノートPCを使い分けても良いかもしれません。この分野は、まだ試行錯誤の時間が必要なようです。

Appleの方法が正しいアプローチ?

Appleは、iPadとMacのアプリを統合したユニバーサルアプリを提供する「Marzipan」と呼ばれるプロジェクトを進めているとされており、2019年6月のWWDCではiPadとMacで動作するアプリが開発できるSDKを提供するとうわさがあります。

Marzipanが登場すれば、iPadとMacのアプリが共用になるので作り分ける必要がありません。これでも環境は別なので、データは分断されますが同じアプリは使えます。データはiCloudでの共有でしょうか。この先にあるハードウェアは、もしかすると、折りたたみディスプレイを搭載したiPadかiPhoneなのかもしれません。ハードウェア会社でありながら、モバイルとデスクトップの融合をソフトウェアからアプローチはAppleらしいです。

今週は、このあたりで、また来週。

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