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2020年3月第1週着実に独自路線を進めるHUAWEI

着実に独自路線を進めるHUAWEI

HUAWEIの新製品「Mate Xs」「MatePad Pro 5G」は、Mate 30 Proに続き独自ストアのみ搭載の端末となりました。

HUAWEIが独自のストア搭載の端末を発表

2月24日、新型コロナウィルスの影響でMWC2020が中止となる中、HUAWEIは開催地のスペイン バルセロナで折りたたみスマホの「Mate Xs」と新型タップレットの「MatePad Pro 5G」を発表しました。

Mate XsはMate X、Mata Pad Pro 5GはMata Pad Proのアップデート版となる端末です。

米国政府の禁輸措置により、HUAWEIは2019年5月16日以降に発売された製品に対しては、Google Mobile Services(GMS)が搭載できません。今回発売された端末にも搭載されておらず、HUAWEI独自のサービス「HUAWEI Mobile Services(HMS⁠⁠」が搭載されています。

これには、アプリストアのApp Gallery以外にも、HUAWEI Themes、HUAWEI Video、HUAWEI Music、HUAWEI Read、HUAWEI Pay、HUAWEI Assistantが含まれており、170ヵ国、5.3億人以上、アクティブユーザは3.9億人以上にもなります。

HUAWEIは、AppleのApple Store、GoogleのPlay Storeに続く、第3のストアに育てる意気込みで、2019年9月に「Shining-Starプログラム」と称して10億ドルもの投資を行いました。また、HUAWEIによれば、HMSをサポートする開発者は130万人としており、日本を含む各国のトップ開発者に対して、Apple Galleryへの参加を呼びかけています。

Androidが立ち上がりの頃は独自ストアがたくさんありましたが、時間とともにGoogle Playストアに集約されてきました。残るメジャーどころは、SamsungのGalaxyシリーズに搭載されているGalaxy Storeくらいです。ただ、SamsungがHUAWEIと違うのは、GalaxyシリーズにはGMSも搭載しているところです。

逆風に立ち向かうHUAWEI

先の10億ドルの投資しかり、HUAWEIの逆風に立ち向かい進む姿勢には目を見張るものがあります。

こうした姿勢の成果として、2019年のスマートフォンの出荷台数は、米国調査会社のIDCによると、首位のSamsung(21.6%)に続いて、2位(17.6%)の位置につけています。3位には、前年2位だったApple(13.9%)がつけています。2018年からは、Samsungが1.2%増、HUAWEIが16.8%増、Appleが8.5%減です。HUAWEIは、GMSが使えない逆風の中で2桁の出荷台数増加となりました。

とはいえApp Galleryには、GMailやGoogleカレンダーなどGoogleのモバイルアプリがありません。また、FacebookやTwitterなどのSNSアプリ、NetflixやHuluなどの動画配信アプリなどもなく現実的には不自由します。知識を持つユーザならば、必要なアプリを自身でサイドロードする方法を考えるかもしれませんが、Googleはセキュリティ上の懸念を理由にサイドロードをしないよう、名指しの文章をAndroid Helpに公開しています。

Googleは、HUAWEIとのビジネスが再開できるよう米国政府に要請したという話も出ているので、いまが良い状況と感じていない者がいるのも事実です。

2020年Q3以降に動きがあるか?

HUAWEIは、独自開発のOS「Harmony OS」を同社のスマートフォンに搭載する検討も引き続き進めています。Huawei Consumer Business GroupのCEOであるRichard Yu氏は、現時点では何も決定事項はないとコメントしていますが、App Galleryの広がり次第では動きが加速する可能性もあります。

HUAWEIは、Android搭載のハイエンドデバイスが開発できる数少ないメーカーです。これがAndroidエコノミーから時間とともに、距離を置くことになる可能性が高くなってきているのが残念です。

今週は、このあたりで、また来週。

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