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2020年6月第4週新型コロナウィルス接触確認アプリがリリース

6月19日に、日本版の「新型コロナウイルス接触確認アプリ」がリリースされました。Android版、iOS版供にリリースされており、無償で公開されています。

厚生労働省のホームページではダウンロード数が公開されます。

アプリの効果が出るのが人口の6割と言われていますが、6月23日9:00現在で約371万件です。効果が出るのはまだまだですが、公開4日で300万件を超えており注目度の高さがわかります。

アプリの公開から1ヵ月間はプレビュー版として扱われ、デザインや機能などの修正が行われるようです。

これは、GoogleとAppleが提携して定めた濃厚接触通知アプリのAPI(Exposure Notification API)を使って開発されたアプリです。APIを提供するGoogleとAppleは、このAPIを利用するアプリは公衆衛生当局によって開発されて、リリースされるものを認めるという方針を立てており、日本版アプリは、政府の新型コロナウィルス感染症対策テックチーム(Anti-Covid-19 Tech Team)が主導しています。

アプリは、有志のエンジニアが集まりボランティアで開発されました。

これにはさまざまな意見が出ていますが、知識や利益を共有できることに意味ややり甲斐を見いだし役立つのであれば、アプリを無償で公開するフリーソフトは古くからあります。この考えがなければ、今のコンピュータが成立しない側面も多々あります。

こうした背景の理解が乏しく、無償で事柄をくくり嘆くのは粗っぽく感じます。また、ボランティア精神は、コンピュータの世界に限ったことではありません。

他国の接触確認アプリはどんな感じ?

日本版のアプリは、GoogleとAppleが提供するExposure Notification APIを使っています。検討も含めてこれを利用するのは、ドイツ、スイス、エストニアなどがあります。これとは違い独自の方法で実装する国もあるので紹介します。

リリースが3月20日で、早い段階で公開されたシンガポール政府のアプリ「TraceTogether」は、独自実装でコロナウイルス感染者と接触した個人が特定できる仕組みを持ちます。

おおよそ以下のような仕組みです。

  1. 利用者は、アプリをダウンロードして電話番号を登録します。
  2. 電話番号を使った一時IDと接触距離判断に受信信号強度のデータを、アプリをインストールしているスマートフォン同士が交換しあい21日間端末に保存します。接触管理とデータ交換はBluetoothを使います。
  3. アプリ所有者が新型コロナウイルスに感染したら、このアプリを通じて保健省へデータをアップロードします。
  4. 保健省は報告に基づき感染者に対して、どのへ行ったかのか、誰と接触したかをヒアリングして濃厚接触者追跡と洗い出しをします。
  5. 濃厚接触者が特定できたら、登録した電話番号に対して政府の関係機関が連絡をとり、医療指導や適切なケアを取ります。連絡に電話を使うのは、感染者のパニックを抑える意味もあるようです。

このような運用ができるのは、シンガポールには感染症法によって強制力のある措置が取れる背景があるためです。この法律では、合理的な根拠がなく従わない場合は、初犯で1万シンガポールドル(約75万円)以下の罰金、もしくは6カ月以下の懲役を科すことができます。さすが、管理国家のシンガポールとも言える運用方法です。

日本は、シンガポールとは状況が違い、個人情報の取り扱いにシビアな国民性なので、個人の特定かつ適切なケアをするまでの踏み込んだ運用は取れませんが、感染者をきっちり把握して、対処をする運用はすばらしいです。

今週は、このあたりで、また来週。

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