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2020年10月第2週今秋は豊作だけど、異変アリ

今秋は豊作だけど、異変アリ

Pixel 4aを皮切りに、Googleの新しいハードウェアが発表されました。

9月30日にGoogleがオンラインイベントを行い、5G対応のスマートフォン「Pixel 5」「Pixel 4a 5G」を発表しました。価格は7万4,800円と6万500円の設定で、ともにGoogle Storeでは予約がはじまっています。発売日は、どちらも10月15日です。

他にも新しいNestスピーカやChromecastが発表されていますが、今回はフラッグシップスマホとなる「Pixel 5」を見ていきます。

新しい要素や新しい提案がない……

今のスマートフォンは全盛期のガラケーのようで、奇抜な端末も許容されます。

たとえば、最近韓国で発売されたLG WINGは、大・小2つのディスプレイを搭載して、大きいディスプレイを横向きにしてコンテンツ表示用として使い、小さいディスプレイはチャット表示や操作画面用として使う方法が提案されています。Surface Duoも2画面端末ですが、LG WINGはよりユースケースを特化した構造です。

Pixel 5は、LG WINGのような新しい試みや新しい提案は行われませんでした。

Pixel 4ではSoliレーダを搭載して、これを活用した使い方が提案されましたが、Pixel 5では省かれたのでジェスチャ操作はできません。また、最近のスマホは背面カメラの多眼化が進み、フラッグシップであれば、3眼、4眼搭載するのが当たり前の中で、Pixel 5の背面カメラは、12.2メガピクセルのメインカメラと16メガの超広角カメラの2眼です。

他、パフォーマンスに直結するSoCは、Snapdragon 765Gが搭載されています。

いずれのメーカも通例では、その年のフラッグシップ端末には、その年のQualcommのフラッグシップSoCを搭載します。今年であれば、Snapdragon 865かSnapdragon 865 Plusになりますが搭載されていません。

Pixel 5は、スペックだけ見ればハイエンドではなくミドルハイの端末ですが、魅力を高めて付加価値としているのは、Googleが得意とするソフトウェアです。

たとえば、得意としている写真は、より手軽に綺麗な写真が撮れるように磨きがかけられています。たとえば、HDR+処理が改良されて、コントラスト差が大きいシーンでも、バランスよく複数の写真を合成します。また、夜景モードでは、光量が足りないシーンでも、綺麗に背景がボケるようになりました。瞬間をより綺麗に切り取る機能だけでなく、あと処理も充実しています。Googleフォトの編集機能ですが、撮影後に光源の方向が変更できる機能も利用できます。動画撮影では、4K 60fpsでの撮影が可能になりました。

写真以外では、通話の保留待ちを代行してくれる機能が搭載されました。

これは、Googleアシスタントが通話をモニタして、通話相手の保留が解除されたら通知する仕組みです。電話の保留は時間が拘束される典型例なので、うまく機能するのであれば、素晴らしい機能になりそうです。

もう1つ、バッテリの駆動時間を長くする工夫として、よく使うアプリに対しては優先的に電力を供給して、あまり使わないアプリに対してはで電力の供給を減らして、バッテリの駆動時間を改善する仕組みが導入されています。さらに分かりやすい対処として、バッテリの駆動時間を48時間以上にする「バッテリー セーブ モード」も備わっています。

これだけで十分

Pixel 4aが出たときにも感じましたが、Pixel 5も「これだけで十分」と思わせる仕上がりです。仮に、Pixel 5の倍の追加コストを支払ってハイエンド端末を購入しても、ライフスタイルへの影響はそれ程なく、高級な物を所有している満足が得られる程度です。追加コスト分を別のサービスや生活に回した方がQOLは上がるはずです。

新しい提案がないと書きましたが、Pixel 4a以降は「過不足なく、生活に寄り添う端末」が新しい提案なのかもしれません。

今週は、このあたりで、また来週。

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