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2020年10月第4週いまどきのAndroidのアクセシビリティ

いまどきのAndroidのアクセシビリティ

Googleはアクセシビリティに力を入れており、Androidでも複数の取り組みが行われています。

Playストアには、いくつかのアプリもリリースされています。これらは、ハンディキャップを持つ方を想定して開発されていますが、使い方次第では健常者にも役立つのでご紹介します。

身の回りの音を聴いて通知する

10月8日、Googleは、身の回りの音を検知して通知する機能をPlayストアで公開されている「音 10月8日、Googleは、身の回りの音を検知して通知する機能をPlayストアで公開されている「音声文字変換&音検知通知」に追加しました。

アプリをインストールして「設定」「音検知通知を聞く」で、機能を有効にすることで使えるようになります。

音検知はオフラインで動作して、音の収集には携帯電話のマイクを使います。

検知できる音は、⁠緊急」⁠優先」⁠家電製品など」でカテゴリ分けされており、個々で有効・無効の設定ができます。緊急で検知できる音は「煙・火災警報」⁠大声」⁠サイレン⁠⁠、優先で検知できる音は「赤ちゃんの泣き声」⁠イヌの鳴き声」⁠ドアフォンのベル」⁠ノックの音⁠⁠、家電製品などで検出できる音は「家電の音」⁠固定電話の着信音」⁠水が流れる音」となっています。

これらの音を検出すると、テキスト、バイブレーション、カメラのフラッシュライトを組み合わせてスマホにプッシュ通知でお知らせします。通知は、カテゴリごとにする・しないが設定できます。また、Wear OS搭載の腕時計を使っていれば、腕時計にも通知するかを設定できます。

他、ライブビューと呼ぶ過去12時間に検出した音を確認できる機能もあります。これは時間軸が右から左へスクロールして、音を検知すると検知した時間を基点として棒グラフで表示します。

Pixel Budsにも「アテンション アラート」として似た機能が実装されています。

同じ技術が使われていると思われますが、これでは「赤ちゃんの泣き声」⁠イヌの吠える声」⁠緊急車両のサイレン」になっており、これらの音を検知すると、音量が一時的に小さくなり数秒後には元に戻ります。

このアプリは、難聴などのハンディキャップを持つ人を対象としていますが健常者にも役立ちます。たとえば、腕時計に通知する仕組みは、寝ているときに緊急で対処が必要な事象が発生した場合、気づきをいち早く得られます。Bluetoothが届く範囲になりますが、Wear OSとの腕時計と組み合わせることで家庭内の見守りにも使えそうです。

すでにAmazon Echoが「Alexa Guard」として実現していますが、Google Nestデバイスでもガラスの割れる音や大きな物音などが検知できれば、ホームセキュリティデバイスとして活躍しそうです。

周囲の音を明瞭にする

周囲の音がよりクリアに聞き取りやすくなるアプリ「音声振幅」もあります。

このアプリは少し前からリリースされていますが、最近のアップデートで使いやすくなっています。

音声増幅は読んで字の如くのアプリで、スマホのマイクで周囲の音を聞き取って、聞き取りやすい音に増幅とフィルタリングを行いイヤホンに再生します。また、耳障りなノイズを除去する機能もあります。このノイズ除去は、最近のBluetoothイヤホンに搭載されているアクティブノイズキャンセルのような効果を得られるものではないので、期待しすぎない方が良いです。

また、Pixelに限りですが、YouTubeや音楽、ポッドキャストの音声も明瞭化できるようになりました。BGMを下げて声を増幅できれば、加齢によって聴力の低下が進んでいても、メディアの音が聞き取りやすくなるので、コンテンツを楽しむことに集中できます。

これまで、増幅した音声は有線接続のイヤホンにしか再生できませんでした。しかし、最近のアップデートで、Bluetoothイヤホンにも再生が可能になりました。先のメディア音声増幅と組み合わせて使えば、日常的に使えるアプリになります。

音声増幅には、音声のブースト量などの調整パラメータがあります。こうしたパラメーターは、自分の耳で確かめながら調整していくことになりますが、あらかじめ年齢ごとのプロファイルを用意しておくか、自分自身のプロファイルが作成できる機能があれば、より便利に使えるはずです。

今週は、このあたりで、また来週。

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