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2021年1月第4週 正式にFitbitがGoogleの一部になりました

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正式にFitbitがGoogleの一部になりました

2021年1月14日,Fitbitが「FitbitがGoogleの一部となりました」のタイトルで,CEOのジェームズ・パーク氏の名前でブログエントリを公開して,GoogleによるFitbitの買収が完了したことを伝えています。

エントリでは,Googleファミリになることに対する期待と,ファミリになった後も収集した健康データのコントロールや内容への透明性を維持して,これまでと同じように使えるとしています。また,健康データがGoogleの広告データと統合されることもないともしています。筆者のFitbitも,これまでと同じように使えるので安心です。

Googleの買収の歴史

Googleの歴史は,買収の歴史と言っても良いほどで多くの企業を買収しています。

Google Mapで使っている航空撮影の画像は,2004年に買収したKeyholeの技術が使われています。また,いまやGoogleの顔とも言えるYouTubeは2006年に買収しています。2011年には,モトローラ・モビリティを買収して,多くの人を驚かせたこともありました。

他,Androidも買収して得たものです。

2003年にアンディ・ルービン氏らがカリフォルニア州のパルアルトに立ち上げたAndroid社を2005年に買収しています。2007年には,Open Handset Alianceを立ち上げています。Androidは,当初から無償で誰でもアクセスできるオープンソースで開発が進められており,ベンダが独自のカスタマイズが可能なOSです。これは,いまだに変わっていません。

疑念の解消に時間がかかる

GoogleがFitbitの買収を発表したときに,Fitbitはハードウェア部門の一部となりWear OSとFitbitのハードウェアが融合することで,よりスマートなウェラブルデバイスができるとしていました。

Fitbitの具体的な役割は示されていませんが,Apple Watchに後塵を拝している,Wear OSのテコ入れに本腰を入れはじめたと感じました。また,Fitbitは手堅い製品づくりをしますが,トレンドのテンポからは少し遅いと感じる部分もあるので,Googleの後ろ盾を得ることで,開発スピードが加速して,さらに拡張するのではないかと筆者は期待していました。

大型買収で発表された2019年11月の時点で,買収完了には規制当局とFitbit側の株主の了承をえる必要があり,手続完了は翌年の2020年になるだろうと言われていました。しかし,しばらくして,Fitbitが展開するEUから懸念が持ちあがります。

買収時点のFitbitの時価評価額が16億USドル程度,買収額は約21億USドルなので,かなり買収額が上乗せされています。これだけみれば是が非でも手にしたいものが,Fitbitにあると考えるのは当然です。何かといえば,Fitbitが持つ膨大な健康データです。これが,Googleの広告データとして使われる疑念がもたれました。Googleは,広告で収益を得ているので,たとえば,睡眠スコアが悪い朝の検索広告には,睡眠改善のガジェットの広告が出るとかあたりまえにやりそうです。

EUの欧州委員会が提示した買収承認の条件として,この先10年間はFitbitが持つ健康データをGoogleの広告に利用しないというものです。Googleは,この条件をのむことで買収完了となりました。日本の公正取引委員会も同様の条件で承認し,評価結果などが公開しています。

Googleに買収されましたが,Fitbitは今後も独立した子会社として存続し,Fitbitブランドの残される見込みです。

この先への期待

Fitbitの製品には,小さな変化がはじまっています。

Fitbitの最新端末のFitbit Sense,Versa3は,2020年末にFitbit OS 5.1の配信が行われ,音声アシスタントがAlexaだけではなくGoogleアシスタントが使えるようになりました。⁠ただし,日本国内から利用できません)

Googleの公式ブログでは,デバイス&サービス担当上級副社長が今回の取引はハードウェアに関わるものとしているので,現状のFitbitのラインナップにない,LTEを搭載する端末が登場する可能性もあります。

当然,付随のサービスも必要になりますが,GoogleのYouTube Musicと組み合わせれば音楽を聴きながらのトレーニングが可能です。また,Googleアシスタントがどこでも使えるようになるので,アシスタントを通じて食べたものを記録したり,トレーニング結果を確認したりと,いま以上の可能性が考えられます。スマートウォッチとしての側面がより強化される可能性が期待できます。

また,Googleのサービスになる可能性はないと思いますが,Fitbit PremiumがWear OS搭載の端末をサポートする可能性は考えられそうです。Appleも同様のFitness+を開始したので,Wear OSにも同種のサービスがあれば魅力が高まります。

今週は,このあたりで,また来週。

著者プロフィール

傍島康雄(そばじまやすお)

5月30日生まれ。

モバイルデバイスが大好物。それで動くアプリの開発に喜びを感じている。スマートフォン前夜のWindows Mobile,PalmOSのアプリに情熱を傾けていたが,最近は停滞気味でコードを書くよりも文章を書く機会が多くなっており,文章を書くのも,プログラミングと同じくらい奥深い作業だと感じている。

ブログ:http://yasuos.com/blog/